COoMOoNO、Von・noズ『うやむや』@ルデコ
両手の間(間)の距離に「世界の外」がある、
*
「間」(それは両腕の間の)で
開かれる(あけびの実)パーティー
の終わり方、とは
「腕の間の距離は世界の外」と等しい
*
「絵は上下より左右の方が大事だ」
蘊蓄を垂れる他人と
私はその抽象画に地平線を見るが
彼も他人で
あなたも他人で
おかあさん(地平線)も他人
であることが頁をめくっているとき
横たわった両目が
左右上下 狂っていく
(水平に)
*
路地裏に置かれた酒瓶の発光が
絶望の最中見た白い小さな花の燐光
に置き換えられ
(両者を行き来する存在があり)
酒瓶、白い花、
またこのピエタを爆音の祭りの中央に置くことは可能か、
*
中央に手を伸ばす、
両者の「中央」がずれていき、
両腕は(二人の)
殺意を失う、
*
男が女を殴っている、
ことは聖母子のメタファー
女が男に抱く殺意、
が世界の中央
ナイフが(またよく光って!)
無数に踊っている、沖の祭りで
それを数える手が
永遠のメタファー
で、あるならば
男と女の海岸の中央に
無が開く
きこえる?
きこえるよ
メタフィジカルなのに、
赤子の泣き声がする
*
両者を行き来する存在が
その震えにより頭痛として役割を果たす、
爆音の地下鉄
一線として
彼ら(罪人ー)を統一する耳鳴りが
「右と左の違いは何?」
右は左を犯し
左は右を殺し
一体多い死体が
誰の罪の訳なのか、
皆で囲んで論じている
スポットライト
*
影が白を犯し
白が光を喘ぐ
水音は魚のように泳ぎ回り
子供の手がそれを探す
(私の手の影が私の顔にー)
断罪されなければ永遠で
有限でなければ罪は 犯せない
その狭間で
この部屋に日が暮れる
*
欄干のね
しましまの影にね
落ち葉があって
ー一つー
私とあなたが並んで金色のイチョウ並木を歩いていた、
過去の日差しの斜線と
平行だったのよ
落ち葉を殺意だと仮定して
ならば落ち葉の形をした無
それは我々の間にあった心臓とも等しかったのよ
もうずっと音がない、
その「音のない」と言っている神がそれらそのものであり
心理学の本が並ぶ本棚の前で
神とー世界と
相似形をした私がゆっくり暮れていく部屋で
一人、自らに気づく
*
少年の後ろ姿が
建築の中の窓になるとき
光は穴 穴は無
無は我々が神となり
少年の後ろ姿を見るときー
*
船の部品が抱き合う男女のように優しくゆっくり倒れるー
音階のように高いところから金色の陽が差して
それは階段で
男女は倒れた形のままため息をつく、
部品は生きてはいないから
二人は死体か、
死体は無か、
無は神か、
船の部品はつやつやとし
神が発光するとき
この部屋 総ての世界に
目の見える者はいない、
*
ピエタがその小ささゆえに憐れだ、
ピエタがその大きさゆえに憐れだ、
小ささと大きさが「我々」と言う、
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