COoMOoNO、Von・noズ『うやむや』@ルデコ

両手の間(間)の距離に「世界の外」がある、

「間」(それは両腕の間の)で
開かれる(あけびの実)パーティー
の終わり方、とは
「腕の間の距離は世界の外」と等しい

「絵は上下より左右の方が大事だ」
蘊蓄を垂れる他人と
私はその抽象画に地平線を見るが
彼も他人で
あなたも他人で
おかあさん(地平線)も他人
であることが頁をめくっているとき
横たわった両目が
左右上下 狂っていく
(水平に)

路地裏に置かれた酒瓶の発光が
絶望の最中見た白い小さな花の燐光
に置き換えられ
(両者を行き来する存在があり)
酒瓶、白い花、
またこのピエタを爆音の祭りの中央に置くことは可能か、

中央に手を伸ばす、
両者の「中央」がずれていき、
両腕は(二人の)
殺意を失う、

男が女を殴っている、
ことは聖母子のメタファー
女が男に抱く殺意、
が世界の中央
ナイフが(またよく光って!)
無数に踊っている、沖の祭りで
それを数える手が
永遠のメタファー
で、あるならば
男と女の海岸の中央に
無が開く
きこえる?
きこえるよ
メタフィジカルなのに、
赤子の泣き声がする

両者を行き来する存在が
その震えにより頭痛として役割を果たす、
爆音の地下鉄
一線として
彼ら(罪人ー)を統一する耳鳴りが
「右と左の違いは何?」
右は左を犯し
左は右を殺し
一体多い死体が
誰の罪の訳なのか、
皆で囲んで論じている
スポットライト

影が白を犯し
白が光を喘ぐ
水音は魚のように泳ぎ回り
子供の手がそれを探す
(私の手の影が私の顔にー)
断罪されなければ永遠で
有限でなければ罪は 犯せない
その狭間で
この部屋に日が暮れる

欄干のね
しましまの影にね
落ち葉があって
ー一つー
私とあなたが並んで金色のイチョウ並木を歩いていた、
過去の日差しの斜線と
平行だったのよ
落ち葉を殺意だと仮定して
ならば落ち葉の形をした無
それは我々の間にあった心臓とも等しかったのよ
もうずっと音がない、
その「音のない」と言っている神がそれらそのものであり
心理学の本が並ぶ本棚の前で
神とー世界と
相似形をした私がゆっくり暮れていく部屋で
一人、自らに気づく

少年の後ろ姿が
建築の中の窓になるとき
光は穴 穴は無
無は我々が神となり
少年の後ろ姿を見るときー

船の部品が抱き合う男女のように優しくゆっくり倒れるー
音階のように高いところから金色の陽が差して
それは階段で
男女は倒れた形のままため息をつく、
部品は生きてはいないから
二人は死体か、
死体は無か、
無は神か、
船の部品はつやつやとし
神が発光するとき
この部屋 総ての世界に
目の見える者はいない、

ピエタがその小ささゆえに憐れだ、
ピエタがその大きさゆえに憐れだ、
小ささと大きさが「我々」と言う、

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