経営者は「お母さん」であれ
こんにちは、獣医師&ペット医療コンサルタントの小林元郎です。
先日のnoteで僕が病院の周りに花を植えていることを書きましたが、
実はうちの病院では花だけでなく、野菜も育てています。
さすがに畑はつくれないので、プランター農園ですが、
今年はナスの出来が上々。美味しそうな実をたくさんつけてくれました。
収穫した野菜は、自分で食べたり友達にあげたりもしますが、
一部は病院スタッフの賄いをつくるときの
食材として使ったりもします。
そう、実は僕、数年前から月に数回、遅番のスタッフのために夕食を作っているんです。
⬛ 「手作りの食べ物を、久しぶりに食べました」
今はコンビニに行けば24時間、いろいろな食べ物が買える時代。
うちの病院の周りには、レストランだってたくさんあります。だから僕が賄いを作っていると聞いて
「え?なんでわざわざ?」と驚く人もいます。
理由は、すごくシンプルです。
スタッフは僕にとって家族と同じくらい大切な存在です。
大切な人には健康でいてほしいし、笑顔でいてほしい。
だから、おいしくて、栄養のあるものを食べてほしいんです。
そう、まさに「お母さん」の心境ですね(笑)。
メニューはカレーとか豚汁とか、ホイコーローとか簡単なものばかりですが、
スタッフは結構喜んでくれているみたい。
いつだったかな、あるスタッフが
「手作りの食べ物を、久しぶりに食べました」って嬉しそうに笑ってくれたことがありました。
ちょうどすごく忙しい時期で、彼女は朝昼晩とコンビニのお弁当や外食で済ませていたようで、
手作りのご飯を食べることができていなかったんですね。
そんな彼女に温かい料理を食べてもらえたことが、本当にうれしくて、
賄いを作っててよかったなあって思いました。
⬛目指すのは「おかあさん型」のリーダー
もちろん、スタッフが毎回感謝してくれるわけではないんですよ。
「またか!」と思ってたり、、僕への義理で食べてるのかも・・・(笑)。
でもね、
僕がみんなの健康を気にかけて、賄いを作っていることは、
みんな、わかってくれているはず。それでいいんです。
世の中には、強力なリーダーシップでぐいぐいスタッフを率いていく経営者も多いけど、
僕が目指すのは、なんというか、もっと「母性のあるリーダー」。
ぐいぐい引っ張っていくというよりも
一緒に走りながらスタッフの成長を促したり、
スタッフが力を発揮できるように環境を整える「お母さん」のようなリーダーでありたいと思います。
賄いは、いわば「お母さん」としてのスタッフへの愛情表現の1つ。
今はわかってもらえなくてもいいし、感謝なんてしてもらわなくてもいいんです。
ちょうど僕たちが大人になって初めて母の優しさや料理のおいしさに気づくのと同じように、将来、スタッフがここで過ごした日々を懐かしく思い出してくれたらいいな、と思っています。
人に気にかけてもらった記憶は、見えない自信となって
その人を守り、成長させてくれるはず。
ここで働くみんなが、そんな幸せな記憶をもって生きていってくれるように、
僕はこれからも
半ば呆れられながらも、
賄いを作り続けようと思っています@明日の牛すじカレーの仕込みをしながら(笑)