一問一答「あなたがもっと関係を深めたい人は誰ですか?」【心の距離の心理学】
あなたがもっと関係を深めたい人は誰ですか?
男女関係や人間関係の問題や悩みもDaiGo師匠の質疑応答では多いです。
今回は、仲良くなれたと思ったのに初対面のような関係になる人の心理を知りたいという方の相談をもとに、心の距離を縮めるための心理学についてまとめさせてもらいます。
Q. わりと仲良くなったのに、しばらく会わないでいると初対面のような関係になる人の心理を知りたいです。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
友だちと親しくなるために必要なものとは?
カンザス大学の研究で、429人を対象に友達と親しくなるのにどれくらいの時間が必要になるのか、どんな話をすればいいのかというようなことを調べてくれたものがあります。
それによると、50時間・90時間・200時間の壁があり、平均で50時間ほど一緒に過ごすことにより時々顔を合わせるぐらいのカジュアルフレンドになるとされています。
友達と言われても、知り合いなのか友達なのかよくわからなかったりすると思いますが、平均で50時間ぐらい共に過ごすと時々顔を合わせるぐらいのカジュアルな友達にはなれるということです。
そして、次の段階として平均で90時間ほど一緒に過ごすことにより、関係性として気が合う友達と呼べる関係になります。
親友とまでは言えないけれど、一緒に過ごしていて楽しい気の合う友人になれるわけです。
さらに、この次の壁が大きく、平均で200時間ほど一緒に過ごすことによって親友に近いような親密な友人と呼べる関係になることができます。
200時間で親友といえる関係に!
およそ200時間ほど一緒に過ごすとかなり親密な関係になれるということです。
これは逆に考えると、90時間ほど一緒に過ごしているのに、それほど親密な関係にならなかったと言うのであれば、その時点でそれは微妙な関係だったということがわかりますし、200時間ほど一緒に過ごしているのに親密な関係にまでなれないということは、その程度だということがわかります。
これは友達を作るための条件として考えることも出来ますし、その人が自分と合う人なのかということを見分けるためにも指標としても考えてください。
この研究によると、一緒に過ごす時間というものは相手との親密さに関係がありましたが、そこでどんな話をどれぐらいしたのかということは関係なかったということです。
ですから、それほど話をしなかったとしても、口下手で無口な人でも一緒に過ごす時間さえ長ければ、それが200時間ぐらい超えてくると親密な友人と呼べる関係になれるのではないかということが考えられます。
自分から連絡を取りその人と200時間の同じ時間を過ごすようにすれば、かなり仲良くなることができます。
いきなり200時間を考えるときついかもしれませんが、まずは50時間一緒に過ごせば時々顔を合わせるようなカジュアルフレンドになれて、90時間一緒に過ごせば相当気の合う友達になれますので、そこからさらに200時間にいくと言うのはただ単に時間の問題だけでもあります。
自分から選んで一緒に過ごす時間を増やすようにすることで、僕たちはかけがえのない友達を作ることができるわけです。
仲良くなるためには共通する趣味が大切だということを言う人もいますが、このような共通する趣味があったり行きつけのお店が同じというようなものがあると、その行動を理由にして一緒にいる時間を増やすことができます。
会話がなくても相手と一緒にいる時間を稼ぐことができる行動が、いわゆる共通する趣味だということです。
そういう意味では、新しい趣味や今までしたことがないことにチャレンジすること自体楽しいことですし、相手の趣味にちょっと乗ってみるというのも悪い考えではないと思います。
相手との関係が深まっているかどうかを見抜く方法
2018年のオリベット大学の研究で、3000人のオフィスワーカーを対象に調査を行い、上司やマネージャーとの関係性をチェックして、自分の上司との関係性がいい人とそうでない人の違いは何なのかと言ったことを調べてくれています。
皆さんが、仕事の人間関係やプライベートの関係で、相手との関係が深まっているかどうかということを判断したり、恋愛において気になっている相手と一歩踏み込んでもいい関係になれているのかどうなのかということを判断するためにも使えると思います。
14の共通する特徴が確認されています。
電話番号を知っている
個人的な問題にアドバイスを求めたことがある
Facebook で繋がっている
プレゼントをしたことがある
個人的な問題についてアドバイスを求められたことがある
仕事と関係のない電話やメールをしたことがある
自宅を訪問したことがある
仕事以外で一緒に外出したことがある
2時間以上の遠出を一緒にしたことがある
食事に誘ったことがある
自分の自宅に来たことがある
Instagram をフォローし合っている
一緒に運動をしたことがある
Snapchat でフォローし合っている
どのようなイメージを持つでしょうか。
ちなみに、この上司を気になっている女性や気になっている男性に置き換えて考えてみてもらっても構いません。
友達みたいな関係だとか恋人みたいな関係だと思った人が多いのではないでしょうか。
それがポイントです!
これが冒頭でDaiGo師匠が言っていた「お互いに自分の役割を超えた行動をとるようになる」ということです。
つまり、いわゆる迎合のテクニックを使ったり相手と仲良くなるためのテクニックを使って親しい関係になったら、今の2人の関係を超えた行動をとるようになるわけです。
相手の心に入り込んだら仕事上の関係を超えた行動を共にするようになるということです。
これが相手の心に入り込んだというサインになります。
「あの人とは一般的な役割を超えた行動をお互いにとっているのか?」
恋愛の関係でも上司との関係でも同じです。
相手の心に入り込めていれば、友達や恋人同士に近いような行動をするようになります。
普通の一般的な関係性の人たちがどのように接しているのかということを見て、それを自分が超えているのかどうなのかということを客観的に分析すればいいわけです。
それにより、相手の心に入り込んでいるかどうかが判断できます。
あの人との心の距離を縮める習慣
家族や恋人などとの心の距離を縮めるため、より絆を深めるための3つの習慣を紹介します。
カラダの距離は心の距離
人間の心の距離はカラダの距離だと言われています。
よくパーソナルスペースと言われていますが、仲のいいカップルでしたら歩いていても15㎝以内に近づいているわけです。もしくは手を繋いでいるとか、仲のいい友人になると45㎝の距離になると言われています。
相手に気持ちを伝える時も、離れて伝えるより、話す前にあえて一歩近づいて話すようにしてください。
気持ちも伝わりやすいはずです。
もし、慣れてきたら、サイコロジカルタッチというのも試してみると良いと思います。
肩とか、触れても違和感のない場所に挨拶や声をかける時に自然に触れるようにする方法です。
触れる行為はつまりはゼロ距離ですから、こちらの好意は伝わりやすくなります。
言われたことを繰り返す習慣
バックトラッキングというテクニックですが、相手の発言に対して、その言葉を繰り返してから自分の意見を伝える方法です。
人は自分の興味のあるものや好きなモノについて話すのはだれでも大好きですから、傾聴のテクニックを使って聞き上手になってください。
感情を伝える習慣
子供に注意したりとか、直して欲しいところを伝える時、多くの人は「それはいけないことだからこうしなさい!」という感じで命令してしまいます。
命令をされると、相手が子供でも大人でも人は自分の権利を主張しようと反発してしまうものです。
そういった時は命令ではなく自分の感情を伝えるようにしてください。
例えば、「そういうことをされると、お母さんは悲しいな」というように、自分の感情を伝えてください。
ついつい命令したくなる気持ちをぐっと抑えて、「◯◯してくれると嬉しいな」といった感じで自分の感情を伝えるようにしてください。
これは、親子だけでなく、夫婦やカップル、友人、上司部下、どんな関係でも使える方法です。
「言いたい事が言い合える関係」が心の距離を縮める
ここではアサーションが関わってきますが、恋愛関係であれば、その相手は一番信用している人のはずですから全ての事を言えるはずですし、家族や仕事で信頼している人、親友なども同じですが、本来は信頼関係があるのであれば言いたいことが言えるはずです。
ところが、僕たちは時々相手との関係を守りたいとか変に嫌われたくないというようなことを考えて、そのために言いたいことが言えなくなるということがあると思います。
言いたいことはちゃんと伝えて相手とわかり合えるけれど、相手を傷つけることはないというコミュニケーションの仕方がアサーションになります。
このアサーティブなコミュニケーションができる人の特徴について調べた研究を見てみると、重要なのは以下の3つのポイントでした。
自己尊敬の度合い
自分の能力に対する信頼度
自尊心
全て重要になるわけですが、そんな中で最も重要だったのは自己尊敬のレベルでした。
自分は周りと権利が同じ
自分は周りと価値が同じ
自分は周りと尊厳が同じ
と思っているかどうかということが、言いたいことをちゃんと相手を傷つけず言うことができるかどうかということを左右していたということです。
自分の権利と価値と尊厳において周りと同じだという平等感の強い人は、時間が経過すればするほど周りに対して言いたい事がちゃんと言えるようになったり、周りと言いたいことが言い合えるような関係を作ることができていたということです。
コミュニケーションに無駄に自信を持つ必要はなく、自分は周りと平等でフェアな関係であり、周りと同じことをしてもいいしそれができると考えることができるようになるだけで、言いたいことは言えるようになるわけです。
そういう意味では、関係を深めるために重要なのはアサーションと同時にセルフコンパッションです。
セルフコンパッションによって自己尊敬の度合いを高めていくこともできます。
それはアサーティブなコミュニケーションにも繋がり、結果的により良い人間関係を作ることができます。
より良い人間関係を深めるためのおすすめ
今回のおすすめの本としては、同じようにアサーションやセルフコンパッションについてのおすすめの本をいくつか紹介しておきます。
コミュニケーションは相手の好みを探るゲーム
相手と親しくなるのに一番いい方法は相手の好みを知り、それを記録することです。
会話やしぐさ、持ち物などから、相手の好きなものをキーワードとして記録しましょう。
こう考えると、初対面の場合でもあまり話題に困りません。話題は全て相手が持っているからです。
さらに、情報収集ができる上に聞き役に回ることで印象も良くなります。
わかった相手の好みは、スマホの電話帳のメモ欄などに記録しておきましょう。
これはメールやLINEでも使えます。
こうして探ったキーワードから3~5つを選んで文章を書けば、それだけでも十分相手の心にささる文章も書けます。
「なぜ好きなのか?」その理由を質問する
相手の趣味嗜好の話になったら必ず、
「なぜ好きなのか?」
「どこが好きなのか?」
を聞いてみましょう。
これは突っ込んだ話になるので、会話が盛り上がりやすいです。
自分の好きな話に興味を持ってもらうと喜ぶのが人間ですから、これだけでも効果的です。
さらに、この理由から相手が何をどのように褒めて欲しいかがわかります。
例えば、ジムにハマっている人がいたとします。その人は、もともとそんなに太ってはいなかったのですが、なぜかジムに行き始めました。
ダイエットする必要なんてなさそうなのになんでだろう…
彼の友達に聞いてみると、どうやら自分がひょろひょろだったことを気にしていたようで、筋肉をつけることが目的で始めたようです。
では、本人に会った時に、なんと褒めればいいのか?
「ジムがお好きなんですね」
「週3でジムに行かれてるなんてすごいですね」
ではありきたりです。
「あれ?なんだか前よりがっしりしてませんか?」
「あれ?服のブランド変えましたか?」
「横から見ると、胸のあたりの厚みが前とぜんぜん違うんですが・・・なにかやられてます?」
というように、相手がジムが好きになった理由を褒め言葉に入れてください。
この褒め言葉のテクニックはもちろん子どもにも使うことができます。ただお子さんに使う場合はちょっと注意点があります。
大人は7年毎に好みや嗜好が変わるとか言われますが、子どもはもっと早い周期で変化します。
先月まで大好きだったものに興味を示さなくなったり、あんなに喜んでいたものを見向きもしなくなったり、変化が激しいのが特徴です。
そのため、好みの変化を観察しておかないと、いつものように褒めているつもりなのになぜか不機嫌になったりもします。
いつものお決まりの行動が変化したら、子供の趣味嗜好や精神状態が変わったと考えて、好きなものについて聞いてみるといいと思います。
ここから先は、もっとコミュニケーションを楽しんで関係を深めていくための方法について解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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