誕生日おめでとう
ずっと、心から憧れている人がいる。
今日はその人の誕生日。
10年ぐらい前までは祝いのメールなんかもしていたけれど、その人が結婚すると知ってからは祝いのメールも控えるようにした。
祝いのメールの際、何ラリーかメールのやりとりをして、近況などを話すのが常だった。
その人とは、中学の時、テストの点数を競ったのが始まりだった。1年生の一番初めのテストで私の方が点数が良く、「いつか抜かしてやる」と言われ、ふーんと思っていたけれど、高校受験の前には抜かれていた。結局、同じ高校に進学はできたけれど、高校時代は私の方がもっぱら劣等生であった。
高校卒業後は連絡が途絶えたが、大学卒業から1年が経とうとしていた1月、その人からの年賀状が実家に届き、近況を知った。その人は夢を叶えるために、着実に歩いていた。私はというと、留学先のカナダでこれからの進路に迷っていた。自分のやりたいこと、できること、やるべきこと、どうしたら良いのか悩んでいた。
「今、自分はまだ出発点に立ったばかりで何かを成し遂げたわけではないけれど、人は何をするにも遅いということはないと思っています」
その時、その人からもらった言葉だ。
この言葉が、私の帰国と大学再受験を後押ししてくれた。
そして、確実に、今の自分に繋がっている。
ありがとう、生まれてくれて、出会ってくれて。
もう本人にかけることはない祝いの言葉だけれど、毎年心の中であなたのことを思っています。