ショートストーリー ベーコンポテトパイ

期間限定になってしまったソレを毎日、一つ買いに行く。
出来立てのソレを頬張りながら、帰る。
毎日違う思い出が一つずつ蘇る。

それは、学校帰りに白熱した友人達とのポーカーだったり。
初めて付き合った彼女との映画館の帰りとか。
深夜のバイト帰りとか。

喧騒も静粛も一緒に味わった。
でもどちらの時も、いつもクリーミーなポテトはほっこりして、ベーコンの香りは食欲を掻き立てて、サクサクのパイ生地は食べる手を止められなくした。

騒々しい時も、静けさが耳に痛い時も、サクサクと音をたてるだけで、口下手な僕でも間がもつ素敵アイテムだった。

沢山の記事の中から読んで頂いて光栄に思います! 資金は作家活動のための勉強(本など資料集め)の源とさせて頂きます。