見出し画像

2024年7月 世界遺産検定マイスター試験 回答案

【問1】次の語句を簡潔に説明しなさい
1.ビューロー会議
議長国1か国、副議長国5か国、書記国1か国の7か国で構成。世界遺産委員会の日程の調整などを行う。

2.真正性
文化遺産が文化的背景の独自性や伝統を継承していること。保存、修復は文化的諸条件を考慮すべきとされる。

3.プレリミナリー・アセスメント
世界遺産委員会と諮問機関との評価の食い違いを減らす為、推薦書提出前に諮問機関が書面で事前調査と審査を行う仕組み。

【問2】世界遺産条約について、次の語句を使って400字以内で説明しなさい。
広報活動 従来とは異なる新たな破壊の脅威 教育事業計画 国際的援助

世界遺産条約は1972年の第17回ユネスコ総会で採択された国際条約である。顕著で普遍的な価値を持つ文化財や自然が、従来とは異なる新たな破壊の脅威に直面しており、国際的な保護の体制を整える必要が出てきたことが採択の背景にある。世界遺産条約では世界遺産リストの作成、危機遺産リストの作成、世界遺産委員会や世界遺産基金の設立、等が定めされている。その特徴は「文化遺産、自然遺産を1つの条約で保護する点」、「国際社会全体の義務として、遺産の保護・保全に協力すべきである」という点などが挙げられる。第5章では「国際的援助」が定められており、締約国は自国領域内の遺産の為に国際的援助を要請することができる、と記載されている。また第6章では「教育事業計画」が記載され「教育・広報活動の重要性」も明記されている。人々が遺産の価値や重要性を知ることが、保護・保全の上で最も重要なことであると考えられているからである。

【問3】
 2022年4月に知床半島沖で発生した海難事故を受け、世界遺産『知床』のプロパティに携帯電話の基地局を整備し、太陽光発電を用いながら携帯電話の使用エリアを拡大する計画が進められてきた(2024年5月末時点)。この計画のメリットと課題を踏まえながら、世界遺産エリアでの安全性や利便性と、その保護の両立についてどのように実現することが可能か、具体的な遺産の事例を挙げながら、1200字以内で論じなさい。

ここから先は

1,220字

¥ 500

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?