はじめての場所、一人の自由

快活クラブとやらに行ってきた。利用している人から良い評判を多く聞いていて以前から行ってみたかった場所。一日暇な日に気合い入れて乗り込んだ。

所謂ネカフェ、漫喫と呼ばれるジャンルの店だが調べるとどうやらカラオケやダーツなんかもあるらしい。こういう店は一人で利用するものだと思ってたから多少面食らった。
ダーツも面白そうだったから惹かれるものがあったが、自分自身まだカラオケ経験が無く、人前に出る前の練習をしたかったのでカラオケに決定。1,2人用の小さいカラオケブースがあるらしいのでそれにすることにした。
ダーツとカラオケで値段が一緒だったけど、途中で移動したくなったら精算しないといけないのかな?なんて考えていた。有識者求む。

ブースに到着し、荷物を置いてカギを閉める。静寂。防音室すげえなと思いこれなら結構叫んでも大丈夫かと思った矢先、隣のブースからの歌声が微かに聞こえてきた。ジャンルまでは分からなかった。なんか二人いた気はする。
大丈夫じゃねーじゃねえか!と一瞬思考を巡らしたが、普通に防音壁一枚ぐらいは貫通するよね絶叫したらと切り替えた。それに絶叫してる相手にこんな微かな音は聞こえないし気にしてる暇はないし自分もこれからそうなるのだからと必死に自分を安心させてから、機器の調整をし曲の検索に入った。

最初は千本桜!というこだわりがあったので早速検索。一度ミスってアレンジの方を入れてしまったが後からちゃんと本人映像の物を見つけて入れることができた。
歌い始めて早々、自分の声が聞けない。聞きたくない。あんなに美しい千本桜がここまでみすぼらしくなるのか…と落胆し即マイク音量を0にした。音程が所々合っていない上に、息継ぎがまともにできず声が出ない。音の伸びとかそういうことを気にする以前の問題である。
帰宅の選択肢もチラついたが流石に情けなさ過ぎるので己の限界を見てから帰ろうと、ニコニコのマイリストに入っている曲の中から目についたものを検索していった。
ボカロばかりということもあり最初の数曲は全くヒットしなかったので、標的を目についた曲・好きな曲から伸びてる曲にシフトチェンジ。それでも出ない曲はあったが9割方出たので2時間ほど歌ってみた。やはり声が出ない。ボカロは特に息継ぎがしんどい。あと音が全体的に高いこともあって喉を傷める感覚があった。オールとかする人凄い。

今回の感想として、大声を出せる感覚は爽快だったが同時に喉が逝っていく感覚が怖かった。無理すんなって話ではあるが、聞く曲のジャンルが偏っているとそもそも入っていなかったり入っていても歌うの辛かったりするから自分は聞いている方が向いていそうだな、とまとめておく。

そしてその後、せっかく快活に来たからとドリンクバーを堪能。カラオケで傷ついた喉もそこそこに癒えて気分が良くなりポテト注文。昼を抜いていた空きっ腹に夕暮れ時のフライドポテトは悪魔的な味だった。ドリンクお替りついでにソフトクリームも調達してひとしきり満足した後退店。部屋安ッ!ポテト高いな…と会計で思った。

改めて凄い店だった。カラオケブースの隣でダーツしてるしドリンクバーまでの通路には雑誌コミックがずらり、奥にはシート系のブースが所狭しと並んでいる。ドリンクバーには見慣れたコーラやお茶はもちろんリアルゴールドまで入っているうえ、様々なティーバッグ、果てはインスタント味噌汁のパックとそれらを作るための熱湯まで置いてあるし、朝は無料でトースト配ってます等と宣う張り紙もあった。ソフトクリーム作りながらそれらを眺めて引いてた。住んでいいんすか…?そう問いたくなる。というか雑なホテルより設備が良く感じてしまうほど充実していた。実際住むとなれば個室が狭いために諸問題が起こるだろうが短期間の滞在ならばとても快適だろう。シャワー無料、タオル使い放題とか書いてあったし。もはや何を持ちえないの?ランドリーは有料だった気がするな。
総じて「桃源郷」だった。思いつくものは大体手に入る。ただやっぱり一人当たりの空間を犠牲にしてるなという感覚はある。おれのへやLv.99みたいなイメージ。家のような温かみや安心感はない。
一方でそんな薄暗い雰囲気でこそ解放される面もあるし、人によっては解放しずらいモノなのかもなと思った。そんな需要に応えてくれる快活クラブ、もといネットカフェにはこれからも頑張って欲しい。


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こば亭
血肉とします