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小売業の花形「百貨店」のビジネスモデルチェンジ

こんにちは、小林です。

百貨店について、どう思いますか?

「昔はよく行ったけど、最近はあまり行かない」

そんな声を聞くことが多い気がします。

オンラインショッピングが便利になった今、
以前に比べると、百貨店の役割や存在感が
少し薄れていると思われがちです。

しかし、百貨店業界は今、
新しいビジネスモデルへの
転換を進められています。

「どういう形で変換しているのか?」

百貨店のビジネスモデルから
考えていきたいと思います。

「消化仕入れ」から「場所貸し」へ

まず、百貨店の独特な商習慣である
「消化仕入れ」という仕組み。

これは簡単に言いますと、
百貨店はメーカーやブランドの商品を
先に仕入れてお店に並べ、売れた分だけ
メーカーに代金を支払うというシステムです。

百貨店が在庫リスクを負い、
売れるかどうかにかかわらず
責任を持つスタイルでした。

しかし、ここ数年でこのモデルが
大きく変わりました。

今、多くの百貨店は「場所貸し」の
スタイルを取り入れています。

要するに、テナントにスペースを貸して、
その賃料を得るモデルに移行しているんです。

これって、ちょっとショッピングモールに
近い感覚ですよね。

例えば、有名ブランドのポップアップストア、
インスタ映えするカフェの期間限定店舗など、
最近の百貨店で見かけたことはありませんか?

これも場所貸しの一環。

店舗の運営コストを抑えながら、
トレンド感のあるサービスや商品を
取り入れる工夫なんです。

一等地の強みを活かす「不動産賃貸」

百貨店のもう一つの強みは、
なんといっても「立地」です。

どの百貨店も、一等地にドンと構えています。

この立地の良さを生かして、
不動産賃貸として活用する動きも
増えています。

例えば、ある百貨店では、
空いたスペースをオフィスや
コワーキングスペースとして
提供しています。

場所の利便性を活かし、
ビジネスパーソンやスタートアップ企業に向け
新しいサービスを展開。

また、屋上をイベントスペースとして
貸し出すケースも増えてきました。

都会の真ん中でバーベキューを楽しめるなんて、
ちょっとワクワクしますよね。

マスから「個客」へのアプローチ

もう一つ注目すべきは、

百貨店がマス(大衆)から
「個客(個々の顧客)」

へのアプローチに変化していることです。

これには、アプリや会員カードの活用が欠かせません。

アプリをもとに、利用者の購買履歴を分析し、
おすすめの商品やセール情報をピンポイントで
提供しています。

「自分の好みに合った提案をしてくれる」

この仕組みが、利用者の満足度を
高めていると言えるでしょう。

また、外商という独自のサービスを通じて、
特定の顧客に専属の担当者がつき、
特別感のあるショッピング体験を
提供しているケースもあります。

こうした動きは、
百貨店の「昔ながらのイメージ」を
良い意味で裏切り、新しい顧客層を
取り込むチャンスになっています。

百貨店のビジネスモデルチェンジは
単なる変化ではなく、

「生き残りをかけた進化」

だと感じています。

一見すると古いように思われがちな百貨店が、
こうして新しい価値を提供し続けている姿は、
どんな業種にも参考になる部分が
多いのではないでしょうか。


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