ワカメが黄色かった
娘と海に遊びに行った。
そこの海岸は周りでワカメの養殖をやっている。
海岸にたくさんのワカメが漂着。
娘がそんなワカメで遊ぶ。
波で足にワカメが絡むのがくすぐったくて笑っている。
沢山つかんで「ワカメー」と笑っている。
砂浜に掘った穴にワカメを入れて笑っている。
たまったワカメに座って笑っている。
平和だ。
そんな時、娘がワカメを持ちながら「きいろいー」と笑う。
黄色?
イヤイヤ、ワカメは緑だろう。
ハッハッハ。
娘の持つワカメを見る。
薄いフィルムのように張り付いたワカメ。
確かに黄色。
まっきいろ、ではないけど、
何色、と聞かれれば黄色だ、これは。
うそーん。
このとき驚いた。
なににって、自分の頭の処理に。
だって、僕は娘と一緒にワカメを見ていた。
束になると緑っぽいけどペラペラの1枚は黄色に見える。
それをさんざん見ていたのに、
娘の言葉に「何言ってんだろう」って一瞬思った。
思い込みって、認識したものの理解を変えるだけじゃなくて、
認識自体を阻害するんだな。
ペラペラのワカメを指先でムニムニしながら思った。
そんなことを考えていたので少し反応が遅れた。
目を上げて、僕は娘に「きいろいねー」と伝えた。
これを書くのにちょっとぐぐった。
ワカメが黄色くなるのは生育不良らしい。
海の中の栄養が不足する色が落ちるとのこと。
なになに、
「色落ちと言って、本来の黒から黄色くなって、果ては白くなる現象」
あらいやだ。
ホントにおじさんは何にもわかってない。