芥川龍之介　大正六年六月十六日　「徴兵検査」　

夏目漱石論2.0 ③　『三四郎』論2.0　 近代文学2.0

拝復　羅生門の会は少々恐縮ですがやつて下されば難有く思ひます文壇の士で本を送つたのは森田　鈴木　小宮　阿部　安倍　和辻　久保田　秦　谷崎　後藤　野上　山宮　日夏　山本の諸君です
但廿二日(金曜日ですぜ土曜日は廿三でさあ)にかへれません廿四日の日曜日なら徴兵検査の為かへるので甚都合がよろしいその夜か夕方ではどうですか

[大正六年六月十六日　江口渙　佐藤春夫宛]

夏目漱石は何故死んだのか

　何かドタバタしていた谷崎や三島と比べて芥川はわりと呑気に徴兵検査を受けたようだ。其の後兵隊にとられたという話もきかないが、結果の気になる所。

　そもそも大学院の件や徴兵検査の件など案外知られていないんじゃないだろうか。