芥川龍之介 「来るものをして来らしめよ」
①あなたのものは大変面白い
②落ち着きがあって
③ふざけていなくって
④自然そのままのおかしみがおっとりと出ているところに上品な趣があり
⑤材料が非常に新しいのが目に付く
⑥文章が要領を得てよく整っている
と夏目漱石は『鼻』を褒めている。
鼻の曲折に関してはまさにそこに肝があると既に書いた通り。
成瀬は『水滸伝』、松岡は仏教に題材をとり、いささか時代がかった作品を書いたように推測されるが実物は見ていない。
この時期は論文を書いたりとなにかと忙しそうだ。
僕はさびしい、からの変化には少なからず夏目漱石の手紙の影響があっただろうことは容易に推察できる。本当に人生とは一期一会で、その時々のちょっとしたことが決定的なのだなと感心する。仮に『鼻』の「鼻」の曲折がnaturalであれば、全く違ったことになっていたかもしれないのだが、逆にそこは運命だったんではないかとも思う。
今、成瀬の「骨ざらし」、松岡の「鴦崛摩」は見つからない。
ただ芥川龍之介の作品は読み誤られて読み捨てられている。
何故草いちごにと問う者がいない。
あいさ
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