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夏目漱石論のために12 代助はいつから女を買っていたか?

 主人公の長井代助は、学生時代から「芸者」を買っていた男である。

(小森陽一『世紀末の預言者・夏目漱石』講談社 1999年)

 さて、この記述は正確なものであろうか?

 違うと思う人?

 その根拠がいえる人?

 います?

 いません?

 どちらですか?

 だいたいどういうことなんですか?

 解ってますか?

 なんで本買わんのですか?

 それでええんですか?

 馬鹿のまま死にますよ。

 それでええんですか?

 ええの?

 そりゃどうもすんずれいしますた。



 まず代助は女を買っていた、ここまでは良いですね。

 代助は、感受性の尤も発達した、又接触点の尤も自由な、都会人士の代表者として、芸妓(げいしゃ)を選んだ。

(夏目漱石『それから』)

 解りにくい書き方ですが、どうもそういうことのようです。

彼はその晩を赤坂のある待合で暮らした。

(夏目漱石『それから』)

 これがそういうことですね。

「御前だって満更道楽をした事のない人間でもあるまい。こんな不始末を仕出かす位なら、今まで折角金を使った甲斐がないじゃないか」

(夏目漱石『それから』)

 兄からはこう言われます。では実際いつからかという問題になりますが、学生時代の根拠はありますか?

 むしろ、

代助をもって、依然として旧態を改めざる三年前の初心と見ているらしい。

(夏目漱石『それから』)

 ここなんですが平岡から「関という男が銀行の金を使い込んだ」という話を聞かされて、その裏を読む場面なので、「初心」の意味は必ずしも童貞を意味しないんですが、やはり話が女の遊びの話なので、大学卒業後に大人になった、三千代と別れてから女を買うようになったと考えられるんじゃないでしょうか?

 違いますかね?

 

[余談]

 

え?

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