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英語で読む『赤毛のアン』Chapter1-15

赤毛のアンの原文を少しずつ、ほぼ週一ペースで読んでいます。
今回は15回目。
チャプター1の27~29段落目部分です。

【前回までのおさらい】

マリラから孤児の男の子を引き取るということを聞いたレイチェル夫人。
なになになに、ダメでしょ!
どんな危険な子かわかったもんじゃない!
孤児の子が家を燃やしたとか、卵を吸っちゃう子の話が新聞に載ってたんだから!
と、レイチェル夫人は大反対です。

【朗読】

【本文】

This Job’s comforting⋆ seemed neither to offend* nor to alarm* Marilla. She knitted steadily* on.
“I don’t deny* there’s something in what you say, Rachel. I’ve had some qualms* myself. But Matthew was terrible* set on* it. I could see that, so I gave in*. It’s so seldom* Matthew sets his mind on anything that when he does I always feel it’s my duty* to give in. And as for* the risk, there’s risks in pretty near everything* a body does in this world. There’s risks in people’s having children of their own if it comes to that*—they don’t always turn out well*. And then Nova Scotia is right close to the Island. It isn’t as if we were getting him from England or the States. He can’t be much different from ourselves.”
“Well, I hope it will turn out all right,” said Mrs. Rachel in a tone that plainly indicated her painful doubts*. “Only don’t say I didn’t warn you if he burns Green Gables down or puts strychnine* in the well*—I heard of a case over in New Brunswick where an orphan asylum* child did that and the whole family died in fearful agonies*. Only, it was a girl in that instance*.”

The Project Gutenberg eBook

【語彙】

offend: 気分を害させる
alarm: 不安を感じさせる
steadily: 絶え間なく
deny: 否定する
qualms: 不安
terrible: 酷く
be set on: ~する気になっている
gave in: 折れた、降参した、屈した
(※give upは行為や努力などを「諦める」)
seldom: 滅多にない
duty: 務め
as for: ~について
pretty near everything: ほとんど全て
if it comes to that: それについて言えば
not always turn out well: いつも良くなるわけではない
doubts: 疑い
strychnine: ストリキニーネ(毒)、少量であれば神経興奮剤
well: 井戸
orphan asylum: 孤児院
agonies: 苦痛
instance:

〇Job’s comforting: 
jobは仕事!
なんですが、大文字から始まってるので、これは名前です。
そのまま読めば「ジョブの慰め」となります。

ジョブって誰?

元ネタは旧約聖書でした。
日本語ではヘブライ語に倣ってヨブ(ヨーブの方が発音は近い)と表記され、ヨブ記にあるお話です。
(英語では、どの朗読者さんもジョブと発音してましたので私の朗読もジョブとしました。)

ヨブさんが災難に陥っているとき、3人の友人がやって来て慰める代わりに非難したり責めたりしました。
そんなお話から、悩める者に鞭打つような「非難めいたアドバイス」「役に立たないサポート」「同情していると見せかけた非難」という意味で使われます。

まさにレイチェル夫人のここでのお話がこれですね。笑

【こばち的要約】

レイチェル夫人の猛攻をサラッと聞き流し、
「そういう話があることは否定しないけど、珍しくマシューが決めちゃったからね。
それに自分の子だったとしてもどんな子になるかはわからないし。
遠くから連れてくるんじゃなし、私たちとそんなに変わらないでしょ。」
とマリラ。
レイチェル夫人はなおも捲くし立てます。
「その子が家を燃やしても私が警告しなかったなんて言わないでちょうだいね!
孤児の女の子が井戸に毒を入れたって話もあるんだから!」

【あとがき】

当時の孤児の状況については以前の記事でも取り上げたんですが、相当酷いニュースや噂になっていたようですね。

評判の悪い孤児の受け入れには大反対のレイチェル夫人と、
実際問題、老いを感じて長く居てくれる若い働き手が欲しいマリラとマシュー。

確かに孤児に関しては悪い話はよく聞くし。。
でもこれだけネガティブ情報を並べられると、マリラでもだんだん弱腰になってしまいそう。

ということで、続きは次回。
よかったらまたお付き合いください。

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