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ドラマ備忘録『SHOGUN 将軍』

2024年制作
原題: Shogun
原作: ジェームズ・クラヴェル
エグゼクティブ・プロデューサー:
ジャスティン・マークス、レイチェル・コンドウ、ミカエラ・クラベル、エドワード・L・マクドネル、マイケル・デ・ルーカ
出演: 真田広之
シーズン1、10エピソード

まだレビューしてなかったものを今年の内に。

予告を観てもらうとわかりますが、
徳川家康、三浦按針等をモデルにしたお話です。


ホント良かったんです。
いろいろ思うこと、感じることがあって、
どう記したら良いものか迷って、
レビューが出来ずにいました。

まず、こんな静かで暗くて、
ガイジンさんたちは満足できるのかと正直心配しました。
観ながら隣の夫の顔を時々覗き見たりして。

ですが海外の人々にとっては全てが異文化。
ミステリアス。
主人公のジョン・ブラックソーンの目線になれたのが良かったのでしょう。

私も海外に暮らして実感することですが、
異なる環境に身を置いて、
現地の人々と交流して、
初めて見えてくる世界があります。

初めは理解できない異文化に苦しみます。
でも長い歴史を経て得た知識や文化には
やはり理由があるんです。

地震
作中、思い出したように地震が起きます。
私たちはこの災害の多い過酷な日本という国で
生き延びてきたのです。

私たち人間はもの思う動物ゆえに、
自分を納得させないと生きていくのが難しい。

無理やり自分を納得させ、
明日を生きるために物語をつくって、
自分をだまして、
やっと次の一歩を踏み出しているように感じます。

私たちはルールだけでは納得できない。
それだけでは反発してしまう。

だから宗教があって、
道徳があって、
哲学があって、
自分を納得させるために言葉が必要なのだと思うのです。
それがとても興味深い。

女性
今の時代がそう脚色させたのか、
かつての日本女性がそうだったのか、
作中の女性の強いこと!

女性ばかりでもないんですが、
誰も彼も自分の役割を認識し
自分の仕事をこなします。
いつか原作も読んでみたいです。

姫たちでさえ守られるだけの存在ではない。
誰も彼も、自分で考え自分の戦いをしています。
組織の一部として動くんです。
日本的!

自分が!こうしたい!
という野望ももちろんありますが、
母として、妻として、グループの長として、○○の娘として、
「場」や「立場」を大切にする。

誰かが言ってました。
「人間は大自然に一人きりでは生き残るのが難しい。
だから社会性を身に付けた」

まさにコレだと思い出しました。

隣にライオンが居たら、マムシが居たら、
私たちはひとたまりもありません。

大自然を前にして、
するどい爪も、強力な毒も、逃げるための翼もない。
人間の体には生き残るための武器がありません。

だから他の人間と協力して生き抜いてきたんです。
少しでも生き残る確率を上げるために。

少しでも自分が、自分がダメなら自分の子孫、仲間たちが、
何とかして生き延びることができるように。

この日本は自然災害のとても多い国です。
こんなに頻繁に大災害が起こるのに、
株でも環境でも、これほど安定している国はとても希有です。

Shogunを観て、私たちはこうやって
社会の一部として場を重んじることで、
自然に翻弄されながら共生して
昔から生き延びてきたのだろうなと。
とても圧倒されました。


すごく哲学的で、
日本という国、日本人であることに
誇りを持たせてくれる作品でした。
私何もしてないのに。笑
つい背筋が伸びます。

そして主人公虎長のモデル
家康という人が少し分かった気がしました。

海外の戦もののような派手さはありません。

ですがずっと戦略的。
少ない血で最善策をとるという、
これまでの戦いの概念を変える
とても新鮮な歴史戦争ものでした。

多くの方にお勧めしたい作品です。
観終わってしばらく私は、
Shogunロスに陥ってましたよ。。

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