メキシコの、日本の、良いところ、悪いところ。
だいぶ時間が経ってしまったけど去年の9月に、メキシコに来てから初めて、約2年ぶりに我が祖国日本の地を踏んだ。
人生で初めての一時帰国。
自分の家や仕事は、海外(メキシコ)にあるけど、一時的に自分の生まれ育った国(日本)に帰国する。そしてまたメキシコに戻る。
なんだか変な感じ。国をまたいだ里帰り。
久しぶりの日本。
メキシコでの生活に腹がたったり、上手くいかなくなるたびに、もう日本に帰ってやろうか!!!!!とキレ続け、恋しくて仕方のない餃子の王将、くら寿司、丸亀製麺をたらふく食べることができる、我が祖国。早く会いたくてしょうがない、家族や友達がいる日本。
帰国が決まってから、日本に帰れる日をまだかまだかと楽しみにしていたのに、帰る直前になって、なぜか急にメキシコを離れることが寂しくなった。
ちょうど時期的に、独立記念日に向けて街中がメヒコムード一色だったからかもしれない。
私は結局ないものを欲しがってしまうから、いざ日本に帰るとなると、急にメキシコのいいころに目が行き始めた。うるさい街も、渋滞まみれの道も。何を売っているのかよく分からない街行く人たちも。
ああ、私はこの国が、ここでの暮らしが、ここの人が好きなんだなあと思えた。
そんな思いを胸に抱きながらいざ帰国。
2年ぶりに降り立った日本は9月後半にも関わらず、蒸し暑いの極みだった。
メキシコを離れるの寂しい、、、とか言いながら、やっぱり久しぶりの我が祖国は最高だった。
空港を出て、まずおにぎりに感動した。
この円安の真っ只中、稼いだペソを使う時!日本にいた時はめったに手の出なかった、高級ラインナップおにぎりを奮発しちゃう。
とろサバとねぎまぐろ沢庵。なんじゃこの最強のラインナップ!
美味しいごはん、銭湯、きれいなトイレ、静かな街。クラクションなんて誰も鳴らしてない!
日本のいいところをこの2年分満喫せねば!!!
1食も無駄にできない!
でもしばらくすると、反対になんだか、もやっとする日本の違和感にも気づく。
日曜なのに駅ですれ違う、スーツを来た大勢のサラリーマン。
豚箱みたいに混みあったスターバックス。
丁寧すぎるのだけど、形だけでなんだか冷たく感じる接客。
百貨店でお買い物をしている時、なにかの手違いでクレジットカードが何度かエラーになり、最終的に支払いはできたのだけど、店員さんにすんごい謝られた。
メキシコだったら、私は悪くない、機械が悪い、なんならこのカードを使おうとしたあなたが悪い。と言わんばかりの圧力をかけられるのに。
逆に私が申し訳ない気持ちになる。そんなに気にしなくて大丈夫です、、、!
そんな日本の違和感を感じながら、メキシコと時差のある中で働ていたせいもあると思うけど、なんだかメキシコが恋しくて恋しくて。
いい加減で許せないこともたくさんあるけど、メキシコではよい意味で気が抜けて、生きやすいのかもしれない。
そんなこんなで約1か月、日本に滞在した。
私はよくも悪くも、周りに染まりやすく程よい適応力を持っている人間だから、日本の生活もなんだかんだやっぱり快適に思えてきた。
日本に帰ってきたばかりのころは、
「もう日本には住めないかもしれない、、、」とだいぶ海外かぶれな私を発揮していたけど、1カ月日本で生活すると、まぁなんて快適な国でしょう!
久しぶりの家族や友達に会えて、大歓迎してくれて。
地元の穏やかな海が見える。
夢にまでみた、美味しい日本食をたらふく食べれる。
でも、日本もやっぱりいいなぁとなってきた頃、また私はメキシコに帰ることになる。これは一時帰国だから。
1人だろうとお構いなしに、最後の1食までストイックに日本食は食べ続けたけど、結局メキシコに帰るとき、私は少しだけ安心した。やっと家に帰れる、と思った。
夕方に成田を出発する飛行機からちょうど夕焼けが見えた。
私の生まれ育ったこの国は、美しい。
遠く離れたところに暮らしていても、こうして帰ってこれる場所があることがすごく嬉しかった。
メキシコにはじめて旅立った時にも同じように夕焼けが見えたことを思い出した。
あの時は、期待もあったけど、誰も知らない、新たな場所に行くことが不安で。
でも今は、メキシコに帰る場所があること、私のことを待ってくれている人がいること、そこに帰りたいと思えることが嬉しくて。
日本に久ぶりに帰って気づいたこと、とってもありきたりだけど、
今自分がいる場所や持っているものの、いいところに目を向けて。
きっとメキシコでのこの喧噪にあふれた毎日では、あぁぁぁあああ、もう日本に帰りたい!!!!清潔すぎるトイレで用を足したい!時間通り来る京阪電車のきれいな二階建て車両に乗りたい!!!とか、日本恋しい病を発症することが、1日に何回かあるけど。
でも、きっと、もし、なにかの事情があって、急に明日から日本に帰ることになったら、きっと私は、日本の快適な毎日の中でも、メキシコでの生活が恋しくて恋しくてたまらなくなると思う。
すぐドアが閉まるからお腹に力を入れて突入するように乗り込む地下鉄も、びっくりするぐらい進まないスーパーのレジの待ち時間も、きっと離れたら恋しくなる自信がある。(わたしはドMなのかもしれない、、、。)
だから、もちろん嫌になってしまうこともあるけど、私はまた明日から、ここメキシコで、元気に、できるだけ楽しく、メキシコのよいところを享受しながら、精一杯生きていこうと思う。
先のことは誰も分からないけど、なんとなく将来きっといつかは日本に帰るのかなと思ってる。
だからこそ、メキシコにいる限られた時間を大切に。
なにか特別なことをしなくたって、街を歩けば、意味分からん、おもしろい日常が溢れてる。
そしてサボりがちだけど、この陽気で騒がしくてカオスなメキシコの生活を、マフィアとサボテンの国でしょ、と言われがちなメキシコの良いところを誰かに届けるべく、今年はたくさん私のメキシコ生活日記を更新すること、目標!