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cleer ARC3を1週間使用後再レビュー

以前の記事でARC2とARC3を比較した記事を多くの方に閲覧いただきました。ありがとうございます。

今回は実際にARC3 MUSIC(PROではない)を1週間ほど使用した感想をお届けします。ARC2との比較ではなく、使用している他のイヤホンとの違いを比較しながら使用場面ごとの感想を書いていきます。基本的にスペックや数値上の比較はしません。音質の良し悪しは好みや価格差、音を出す機器にもよるので、あまり意味がないと思っていますし、正直言って音はイコライザーで調整できてしまいますからね。ちなみに私はいつでもイコライザーはオフにしています。

主な登場イヤホン:

- SONY LINKBUDS(初期型)
- WESTONE UM PRO30(有線イヤホン)
- creer ARC2
- creer ARC3

音楽を聴く

ARC3はすごく良いです。かなり好みの音で驚きました。前回も書きましたが、ARC2よりも低音が出て、全体的に音圧を感じます。高音もクリアで、ハイハットの音もはっきり聞き分けられます。ARC2もかなり良かったですが、ARC3はさらに音楽を楽しめます。室内でボリュームを上げて聴くと、有線イヤホンで聴くのとは好みの差だと感じました。音質だけで言えばUM PRO30のほうがクリアで綺麗に聴こえますが、ARC3は音と耳の間に空間があり、ライブアルバムを聴くと生々しさが増してテンションが上がります。環境音がそんなに気にならなくなるからですかね。
この音質の違いは構造上の差だと思います。どっちが良いとかではなく、好みの問題ですね。ワイヤレスは音が悪いと言う意見を覆せると思いました。
注意:ARCは音漏れが激しいので、電車で使う際はボリュームを控えめにしましょう。

UM PRO30とARC3を比較すると、私が音楽をしっかり楽しみたい時にはUM PRO30が良いです。ただし、これはイヤホンの性能というよりも、オープンイヤーかカナル型かの違いや装着感に起因するものだと思います。

UM PRO30はカナル型なので、耳を塞いで外音を遮断して音がしっかり聴こえます。どの楽器がどこでどの様に鳴っているか、繊細な音までわかります。正直言って、音の聴こえ方を除けば、ARC3とUM PRO30の音質の差は、静かな部屋ですぐに比較しないとわからないレベルだと思います。UM PRO30のほうがうすーい皮を一枚剥がして音の艶やピチピチ感が増すような気がしますが、音と空間を感じやすいのはARC3ですね。この違いは結局好みの問題だと思いました。

同じワイヤレスで比較すると、ARC2やARC3に比べてLINKBUDSは音が薄く感じます。軽さや大きさの点でLINKBUDSは便利ですが、ながら聴きやカジュアルに聴きたい層向けに作られているように感じました。
ARC3を入手する前はLINKBUDSを使っており、疲れている時や面倒な時はスマホとLINKBUDSで聴いていました。この「気軽に聴ける」という部分は本当に便利です。しかし、この便利さがあっても、音楽をしっかり聴きたい時はUM PRO30と別のデバイスを使っていました。出力機器の違いもあるので、このことだけでUM PRO30が良いとは言えませんが、音楽を楽しむにあたり、不便さよりも音質の高さを私は選択したと言うことだと思います。

音楽を聴くにあたり、便利さを追求したい人にはARCやLINKBUDSで、その中でも特に音楽を楽しみたい人はARC2や3がオススメです。クラシックやジャズ、メタルなどを聴いて、音の位置やアーティストの表現、構成を分解してを楽しみたい人にはインイヤーモニターが向いていると思いました。

私の場合、音楽をしっかり聴きたい時はUM PRO30ですが、ワイヤレスの条件がつくとARC3 > ARC2 > LINKBUDSの順でオススメでした。右に行くほど音楽以外の利便性を求める方にオススメという感じですかね。LINKBUDSも新型は音質や着け心地が改善され、評判が良いので試してみたいです。

テレワークで使う

ARC3はすげーよ。音量が大きいので、ブルートゥースで接続したとたん耳が大変なことになりそうでした。PC側のボリュームを半分以下にしてちょうど良いくらいです。音がしっかり聞こえるので会議でも役立ちます。おそらくマイクの指向性がしっかりしていて、内部の処理が優れているので自分の声のみを拾ってくれるのでしょう。多分。。街歩きや複数人が話す部屋(少し人の距離は離れた状態)でのウェブ会議でも、周囲の音を拾わずに通話が可能でした。一緒にいた部下のマイクは私の声を拾っていたので、ARC3のマイク性能は素晴らしいと思います。ARC2はテレワークで使っていないので比較はできませんが、ARC3は前の記事の通り、私の耳には少し小さいので長時間つけるのは少し違和感が残りました。

LINKBUDSもテレワークに非常に優れています。ARCよりも周囲の音が聞こえるので、ウェブ会議中でも周囲の状況に反応しやすいです。運転する営業社員などにはLINKBUDSをオススメしたいです。ただし、新幹線の車内など周囲がうるさい場所では、外音に負けて聞こえにくいことがありました。そういう意味ではARC3は騒音には負けづらいです。

Linkbudsも外で使用した時、自分の声しか相手には聞こえなかったため、部屋にいるのかと思われたくらいマイクが優秀なのですが、喫茶店などの人が多い場所では周囲の声も拾ってしまう弱点があります。これは人の声を拾うというlinkbuds の特徴上、周りのおばちゃんの話し声も拾ってしまったためだと思われます。会議に参加している私の発言よりも、隣のおばちゃんの噂話の方がよく聞こえていたという失態をやらかしてから、結局テレワークスペースや公園など静かな場所でしか使わなくなったのは言うまでもありません。ARC3のマイクもこの問題が発生するのかは定かではありませんが、ARC3で喫茶店チャレンジができたらまた報告します。

UM PRO30はウェブ会議には向きません。よく聞こえるけれども有線が煩わしいし、マイクはPC 側に頼らないといけないですから。ダミ声を良い音で聴いても嬉しくはないです。

結論:仕事メインならLinkbuds, 音楽特化なら有線、総合的にARC3

テレワークで使う場合、自宅や室内のみならLINKBUDSは非常に優れています。無線接続に対応していない電話にも、イヤホンを装着したまま対応できる点はARCにはない利点です。新幹線や周囲が騒がしい場所でテレワークをする場合はARC3のほうが良いでしょう。大きい音が出せることが強みになりますが、音量を増やす場合にはご注意を。音楽を楽しみたい、と言う人はARC3かUM PRO30のようなイヤホンがオススメです。有線のイヤホンは長時間使えるところが更に優位ですし、ワイヤレスはその手軽さが際立っています。

ちなみに、私は所持していないため今回は比較に入れていませんが、ソニーのWF-1000XM4やXM5も音が華やかで素晴らしいと思います。私はモニターサウンドが好きなので、昔は音が華やかなソニーよりもオーディオテクニカ(当時はIM03)を好んでいましたが、イヤホンそれぞれにそれぞれの良さがあります。SHUREを愛用していた部下は今ではSoundcoreを愛用しています。ハウジングが割れて買い換える必要が生じたとき、SHUREの同モデルの値段が高くて戻れなくなったんだそうですが、非常に満足していました。考えてみれば、音のデータを損失なく送ることができれば、後はイヤホン本体の性能差でしかなさそうです。有線と無線はまだそのデータの送信技術に差があるのではと思っていましたが、全然そうとはいい切れなさそうで、その時その時に気に入ったものを使うのが一番ですね。


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