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日本選手権、終わりました

終わっちゃいましたね、日本選手権。出ていた時より観ているだけの今回の方がロス感強いです。日本選手権の放送に日常の活動を左右されていました。立派にカーリングファンです。

軽い気持ちで始めた日本選手権シリーズのnoteも、気づけば5本目。もうちょい計画的にやればヨカッタ。後半は怒涛の連投でした。でも楽しかったのでよし。家でこうだね〜ああだね〜と思考を垂れ流しても犬と1歳児しか聞いてないので、読んでいただけてありがたや。

さて、日本選手権の結果、皆さんどうご覧になりましたか?ちなみに女子について言うと、「中部電力▶ロコソラーレでここ10年以上爆勝ちしていた藤沢選手」のちょっと下世代私は、「まあなんだかんだでロコ決勝にいるっしょ」と軽く考えていました。それくらい圧倒的な存在だったわけです。(過去形なのは私の中の印象であって、決して藤沢選手の活躍が過去のものと意味しているわけではありません。)

では結果を見ていきましょう。

決勝

男子

コンサドーレ(予選1位) 対 SC軽井沢クラブ(3位)
新旧王者、というか、いろんな時代のチャンピオンが入り乱れる男子決勝。そしてそのチャンピオンズに若手が加わって幅広い世代の活躍を観れることになった試合でした。

土曜日に1日空いての決勝だったコンサドーレ。何回も言及していますが、この過ごし方、大変重要だったと思います。
試合が動いたのは4エンド目。私は前半は大きく流れがどちらかにいくことはないままハーフタイムに入ると思っていました。しかしコンサドーレに先攻で3点が入り5-1の4点差。5エンド目1点追加と5点リードしてハーフタイムに突入しました。

SC軽井沢クラブの栁澤選手は日本でもトップのフォースだと思います。難しいショットが回ってきても、飄々と決めて勝つ。若い選手ながら、これまでの2年間でそんな場面を何回も見せられて、着々と自身のポジションを確立してきたように思います。少なくとも私の目にはそう映ってました。

ところがこの決勝は少しいつもと違いました。試合途中でショット成功率が出ていましたが、ハーフタイム時点のショット成功率はSC軽井沢クラブがリードしていました。しかし試合はコンサドーレが勝っている。もちろん一概には言えませんが、一般的にショット成功率で上回っているのに勝てないということは、キーショットが決まっていないということになります。私もフォースを投げていましたので痛いほど分かりますが、フォースにとっては苦しいシチュエーションです。
少し「らしくない」ミスが続いてリードを許しました。

この日活躍していたのはコンサドーレ清水選手。元々上手いんです。すっごい上手いんですが、ここまでのシーズンはどちらかというとフォースでピンチを凌ぐショットになってしまって勝ちに繋がるショットを投げさせてもらえなかった印象がありました。
今回もそういったショットもありましたが、そこからプラスNo.1を取る、だとか、決まればNo.1~4というような、ものすごく良い形になるショットを投げれていました。
また阿部選手も非常に良いショットを投げていました。予選からそうでしたが、「必要なウエイトを必要な分だけ使って投げる」という当たり前のように見えてカーリングにおいて最も大事な要素の1つであるウエイトセレクションが完璧でした。これは一朝一夕でどうにかなるものではありません。選手→コーチ→選手という、幅広い経験。そして本人の弛まぬ努力の賜物だと思います。セレクションが良くても、実際にそれで投げれなきゃ意味がないですからね。
2シーズンかけてチームでコツコツ積み上げてきたものが決勝で発揮されたということだと思います。

カーリングとはなんとも不公平なスポーツで、リードからサードまでが完璧に決めても、ラストロックが決まらなければ勝てません。逆にそれまでがどんなに思い通りにならなくても、ラストロックが決まれば勝ててしまうこともあるのです。

だからラストロックまでにいかに自分たちに有利な、またチャンスのある形を残すかという攻防をして、ラストロックをできるだけ良いものにしようとするわけです。

そんなカーリングの残酷でもあり、しかし観ていて面白い側面を目の当たりにした男子決勝でした。

優勝したコンサドーレ、きっと世界選手権は簡単ではないことは本人たちが1番わかっていると思いますが、近年の世界選手権は、これまで強豪とされていたカナダやスイス、スコットランド、スウェーデンなどに加えて、日本やイタリア、韓国など近年力を付けてきた国もあり、世界的に強いチームが増えてレベルが上がっています。日本選手権より長い予選の間、日本選手権よりもさらに強いチームと競うことになり、より長く、より高いパフォーマンスが必要です。
あと2ヶ月、準備期間はしっかりあります。とっても応援しています。

余談

Xでも少し言及しましたが、文字数の関係でうまく言いたかったことが伝わったかわかりませんが、コンサドーレの強化指定についてです。

昨季の男子の強化指定選手Cにコンサドーレは清水と阿部選手のみでした。

実際の意図を全て把握しているわけではありませんので協会の意図を100%汲み取れているかわかりませんので私のこれまでの経験と予想も入っています。
北京オリンピック後、コンサドーレの主力選手が大きく抜けてかわりに入った選手は若手の選手。有望な若手に違いはありませんが、公金を使って強化費を支出している以上、協会としてもなんでもかんでもいいというわけにもいきません。そのためこの時は若手3選手(鈴木実倫選手もいました)は強化指定から外れていました。
しかし強化委員会の強化方針は、あくまで海外遠征に重きをおいているもので、強化指定のない選手を海外に連れていくということは、すなわちチームの資金で全てを賄わなければならないということです。若手の成長と活躍を信じて強化を図ってきたチームも素晴らしいですし、もちろんその期待に応えた若手選手たちの努力にも拍手です。
結果として最高の成績をもたらしました。文字通りチームで掴み取った結果であったと思います。

女子

北海道銀行(予選1位) 対 SC軽井沢クラブ(予選3位)

2年連続の決勝となったSC軽井沢クラブに対し、新体制となってからは初めての決勝となった北海道銀行。どちらのチームも若手が活躍するチームですが、唯一違うのは経験豊富なベテランの西室選手がSC軽井沢クラブにいたことです。

前日にSC軽井沢クラブは中部電力との準決勝を劇的な形で勝利して決勝。勢いは十分だったと思います。

決勝の舞台に世界ジュニア優勝という快挙を果たした時のメンバーが両チームに3人、そして今年のジュニアの代表も両チームに4人と、若手選手の活躍するが目立つ今年の決勝カードとなりました。

先に行われた男子決勝とはうってかわって、10エンド目のラストロックまで結果の分からない接戦となりました。ドローウエイトも難しいタイミングで最後の最後に4ftにしっかりかけないといけないドローを、美優選手落ち着いて投げて、チームで4ftまで運んで勝利を掴みました。
世界ジュニアで戦ってきた経験が、そしてそこで身につけた度胸が、大事なところで発揮された決勝だったと思います。

余談

めっちゃ個人的な話なので読み飛ばしてもらっても構いません。

カーリング界、非常に狭いので大体みんな顔見知りです。なのでどこかのチームだけを応援するのは難しいし、勝った方がいれば負けた方もいるのでどちらの気持ちもわかってどんな結果でも複雑な気持ちになります。みんながベストを尽くせるように応援していましたが、ごく個人的に嬉しかったのは西室選手が日本代表になって世界選手権に出場することです。
ご存知の方もいる通り、長いことチームメイトでした。西室家に足向けて寝られないくらい西室コーチにもお世話になりました。長いことチームメイトでしたが、その間に世界選手権に出場できたのは1回だけ。そしてその時西室選手は妊娠中で、一緒に世界選手権に行くことは叶いませんでした。私はその後もどうしても一緒に行きたかったですが、ついぞ叶わずその後は別のチームになりました。

あれから6年。本人の努力もさることながら(本当にハードワーカーで凄い努力を重ね続けている方です)、SC軽井沢クラブのチームメイトやスタッフの皆さん、淳子さんを世界選手権に連れてってくれてありがとう。おかげでこちらは勝手に忘れ物を拾って来てもらった気持ちになっています。(ほんと勝手な話ですみません) もちろん自分たちが勝ちたくて勝ったんでしょう。こちらはこちらで勝手に浸っていますので気にしないで。おめでとうございました。

最終順位

男子

1位 コンサドーレ (強化委員会推薦) (8-0)
2位 SC軽井沢クラブ (前年度優勝) (6-3)
3位 LOCOSOLARE (北海道銀行) (6-2)
4位 TM Karuizawa (強化委員会推薦) (4-3)
5位 北見協会 (前年度準優勝) (3-4)
6位 SC軽井沢クラブJr. (中部) (2-5)
7位 札幌国際大学 (強化委員会推薦) (1-4)
8位 チーム佐藤 (東北) (1-4)
9位 岡山CA (西日本) (0-5)
10位 チームTANI (関東) (0-5)

このような結果になりました。接戦の印象が強いですが、実のところ男子は綺麗に勝敗が分かれています。準決勝でSC軽井沢クラブがLOCOSOLAREに勝利したことによって入れ替わりましたが、それ以外は1次予選の終了時と順位が変わっていません。どのタイミングの試合でも、結局は勝ち切れるチームが強かったということです。

女子

1位 SC軽井沢クラブ(前年度準優勝) (7-2)
2位 北海道銀行(北海道銀行) (6-2)
3位 中部電力(強化委員会推薦) (5-3)
4位 LOCOSOLARE(前年度優勝) (5-2)
5位 フォルティウス(強化委員会推薦) (4-3)
6位 LOCOSOLARE.S(強化委員会推薦) (2-5)
7位 SC軽井沢クラブJr.(中部) (1-3)
8位 GRANDIR(関東) (1-3)
9位 岩手県協会(東北) (0-4)
10位 チーム広島(西日本) (0-4)

女子は接戦の印象のまま、勝敗数も接戦でした。女子は勝敗数やDSCももちろん大事でしたが、「どこに勝つか」というのも重要な要素になりました。計算でどうにかなるものでもないので結局勝てる試合は全部勝つしかないのですが、星が割れたので、結果的にはそうなりました。

おわりに

非常に長くなりましたが、日本カーリング選手権関連の記事はこれにて終了です。お付き合いいただきありがとうございました。

次は高校生選手権(2.8~11、青森)世界ジュニア(2.17~24、フィンランド)を挟んでいよいよ日本ミックスダブルスカーリング選手権です。ちょっと自分も出るので日本カーリング選手権の時のようなこういった記事を書くかはわかりませんが、自分の試合のことは書くかと思いますので、また覗きに来ていただけたら嬉しいです。

大雪警報が出ていますね。足元悪いので皆様どうぞお気をつけてお過ごしください。ちなみに私は東京にトレーニングに来て、山梨に帰れなくなりました。同じく札幌で販売をしていた母も、なんとか札幌から羽田には飛べたものの山梨には帰れず。合流して都内に滞在することになりました。仕事のパソコンも置いてきてしまったし、仕方ないので大の字でゆっくりすることにします。

トレーニングで脚使い切りました。休憩。

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