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「サンドイッチを食べながら」 ついに連載はじまる! vol.0


今回から連載が始まった、”サンドイッチを食べながら”。コアキナイコミュニティの仲間がどんな活動をしているのか。
タイトルの通り、サンドイッチを食べながらゆるりと、ちょっぴり深いところまで!紐解いていきます。
今回は、コアキナイハウス(コミュニティの拠点となるシェアハウス)の住人が、お届け。
(コアキナイ:個性を活かした商いという意味での"個商"と、小さな商いという意味での"小商"を掛け合わせた造語。自分とつながった無理のない大きさの商い。)


プロローグ

「みんなの”コアキナイ“、知らないなんてもったいない」


そもそもなぜこの企画が始まったのか、ちょっとだけお話させてください。

とある日の昼下がり。リビングで仕事に追われていた私(筆者)が、カタカタとパソコンとにらめっこしていたそんな時。いい匂いがするなぁ〜と思ったのも束の間。ちゃちゃっと美味しいパスタを作って、「ほい」と出してくれたのは、住人のヒロカズくんでした。
♪ 美味しいパスタ作ったお前!家庭的な女がタイプな俺!一目惚れ!
と、脳内に湘南乃風がびゅーびゅー吹きました。

実際、湘南乃風のような風格がある(!)ヒロカズくん。
実はコアキナイコミュニティの中で「サンドメディア」というホットサンド屋さんをやっているんです。
パスタを食べながら、ヒロカズくんのコアキナイについて聞いていたら、それがもう本当に面白くて。いろんな経緯があって、たどりついたんだなと知ることができました。
ベンチャー企業で人事系のお仕事をする傍ら、自分の「好き」も生業にしているヒロカズくんの話を、今、私だけが聞いているのは、もったいない。他の人にも知って欲しいなぁ。
そんな思いから、連載にして発信するこの企画が始まりました。

「対談」はちょっと、かたすぎる。かといって「雑談」っぽくなると、ゆるすぎる。
だから、その真ん中。サンドイッチを食べながら、真面目なことや、ちょっとした思いつきまで、ラフに話す。そこで紡がれたそれぞれの想いを記事にして、バトンのようにつないでいけたらなと思っています。

記念すべき第一弾。お話を聞いたのは、コアキナイコミュニティを作った嶋田匠さんと、宇田川ヒロカズさんです!

左:嶋田匠さん 右:宇田川ヒロカズさん

”コアキナイ“は、エンジンを一緒につくる場所。

--- 「コアキナイ」と何度もワードを出してしまっていますが、
  改めて!まずは、自己紹介とコアキナイについてお聞かせください。

匠:嶋田匠です。”よりどころ”と”やくどころ”という2種類の居場所をみんなが自然に感じられるようになったらいいなと思って、まずは”よりどころ”づくりの事業として日替わり店長のバー「PORTO」を4年前に開業しました。
そして、ぼくにとっての「PORTO」のような、自分らしさとつながった小さな商い(コアキナイ)を、みんなが育んでいけるような社会をつくりたいな、という思いから「コアキナイ」というプロジェクトを3年前から仲間と一緒に育てています。
「コアキナイ」というプロジェクトはいくつかの営みから成り立っていて、コアキナイをつくるための「コアキナイゼミ」や、お互いのコアキナイを育み合う「コアキナイコミュニティ」、コミュニティの拠点となる「コアキナイハウス」というシェアハウス、そしてコアキナイを差し出す場としての「コアキナイガレージ」を運営しています。
「コアキナイ」というプロジェクトでは、みんながコアキナイ的な仕事を育むことによって、それぞれが自分とつながった自然な”やくどころ”を得られるような、小さな社会づくりに挑戦したいと思っています。

(記事はこちらから!)

できたてのサンドイッチを食べながら!


ヒロカズ:
いいっすね。
匠:じゃあ、ひろかずにバトンタッチ。

ヒロカズ:ヒロカズです。25歳です。赤羽生まれ、下町育ち。
ITベンチャー企業で「社内コーチ」としてメンバーや投資先企業のファウンダー向けの1on1コーチングを提供しつつ、某料理系の会社で新規事業の立ち上げにも関わっています。
コアキナイでは、「コアキナイゼミ」の設計や運営を担当したり、界隈でご飯系のことがあれば大体任されたり。PORTOで販売しているPORTOカレーを作ったのは僕です!
両手で数えるくらいの生業がありますが、総じて①コーチ的な役割で人の物語を見出すこと、②美味しい料理を囲む場をつくること、二つを共通して仕事にしているな〜と感じています。

--- ありがとうございます!さっそくいろいろ深掘りたいところなのですが…!自分のコアキナイを持つことで、なにか変化はありましたか?

匠:ぼくは、なんだろうな。PORTOが自分にとってのコアキナイって感じなんだけれど、自分にとってすごく自然なやくどころになってるんだよね。自分をそのまま社会に差し出してみて、それに価値を感じてくれる人たちが集まってくれるような、そんな仕事のあり方だなあって思っています。
そんな自分にとってのPORTOのような自然なやくどころっていうのをなんかみんながもてたらいいなー、みんなが育みあっていけたらいいなー、って思って「コアキナイ」っていうものを始めました。
2年くらい経つけど少しずつ、ゼミの卒業生をはじめ、自分とつながった営みを育て始めてくれている人たちが出てきていて、一定の手応えは感じているなぁ。

--- 1人でゼロから事業を考えて、そこからまた継続していくことにすごいエネルギーがいるなと思います。実際、大変なこともけっこう多かったですか?

ヒロカズ:コアキナイは、起業である必要はないし、無理して頑張らなきゃいけないわけでもない。ただそれは、甘えとかではなく、やりたいなと思う範囲で、チャレンジできる。外からの圧力というよりは、自分から生まれるものかなと。進んでる実感や応援を感じる場や、コミュニティの中で想いをシェアしたり壁打ちできる場があるので、エネルギーが必要!という感じはそこまでないかも。

匠:たしかに。ガソリンを効率的に動力に変えるためのエンジンみたいなものは、コミュニティのみんなでつくっているけど、ガソリンを注ぐのは本人だったりとか、そのガソリンは誰に頼まれるわけでもなくやりたくなるような何かしらなんだろうね。”パッション”と呼んでいる、好きっていう気持ちや、”ミッション”と呼んでいる、自分がどうしても叶えたいっていう気持ちから始まるのかなと。

--- 1人じゃなくて、みんなに共有しながら進んでいける土壌や仕組みがあるんですね!

サンドイッチを右手に、ドリンクを左手に。


コアキナイを、サンドイッチする。

-------  サンドメディアは、そんないろんな人の立ち上げたコアキナイを、サンドイッチに挟んで味わえるという、言葉通りサンドイッチがメディアになるという事業ですよね。そもそものきっかけは、なんだったんですか?

匠:自分のコアキナイを差し出す場として「コアキナイガレージ」をはじめたものの、コアキナイって内輪感があって受け取りづらいな、って考えたのがはじまりです。
みんなでコアキナイガレージという場をシェアして、例えば花屋さんのコアキナイをしている人が、月に一回ガレージでお花屋さんを開く、という感じで、自分のコアキナイをアウトプットする場になっているんですが、イベントを開くって感じだとなんだか内情がよく見えないとか。
なんか入りづらい感じがどうしても出てきちゃうって時に、飲食店だったら誰でもふらっと入れるな、って思っていて。なのでガレージの中に飲食の機能を入れることにしたんです。
その中で色々、カレーとか、お好み焼きとか…、色々なアイデアを考えていた時に、”ホットサンド屋”がいいんじゃない?って閃いて。
まず、会話がしやすい場になったらいいなって思った時に、サンドイッチって片手で持てるから、それこそ”サンドイッチを食べながら”じゃないけど、食べながら話がしやすい。しかも、お皿を使わないから、自然に目線が上にいくのよね。
ガレージでは、自分のコアキナイを物販している人たちもいるから、それらが置かれた棚に目を配りやすかったり。自然と会話が生まれやすかったり。

-------  たしかに。食べるとき、目線は自由になりますよね。(ガレージをキョロキョロ)

匠:あと、それぞれのコアキナイを食で表現するとき、ホットサンドってパンとパンで挟んでさえいればOKだから、中の具のバリエーションが無限にある。抽象的だからこそ、その表現の自由の幅が広いのよね。
そう思った時に、みんなのコアキナイをホットサンドのメニューという形で表現して、それをホットサンドを食べるっていうことによって、受け取ってもらうみたいな、メディアとしてのホットサンドと、ホットサンドを食べながらメディアとしてのコミュニケーションがそこにあるような場が作れたらいいなってことで、「サンドメディア」ができました。
まとめると、コアキナイを伝えるメディアとしてのホットサンド屋さんをガレージでオープンしようってことになった、ってかんじだね。


挑戦に必要なのは、勇気じゃなくて”安心”。

-----  サンドメディアを通じてしたいことや願いがあったら聞かせてください!

ヒロカズ:サンドイッチ食べておいしいねっていうのも大事だけど、それだけじゃなくて、サンドイッチを食べながらコアキナイの話とか、一緒にいる人にコアキナイやるとしたら何がいい?とか、そういう会話が生まれたらいいなって。

匠:そうだねぇ。やっぱり、コアキナイというワークスタイル?ライフスタイル?を知ってもらうきっかけになったらいいなって思うな。その上で、「こういうことに挑戦してみようかな」みたいなワクワクした想いが自然と生まれたらいいなってかんじ。
挑戦に必要なものは勇気じゃなくて安心だと思っていて、だからこそコアキナイ的な仕事のあり方が伝わるといいなって。それは、小さくていいんだってこととか、人の期待に応えるんじゃなくて自分の期待に応えるってだけでいいんだ、ってこととか。

ヒロカズ:うんうん。

匠:なんかそういう仕事のあり方というか、自然なやくどころのつくり方に触れて、自分でもできそうだなと思えれば、今の仕事がきつい人からしたら、ちゃんとオルタナティブがあるんだみたいな安心感になると思っていて。
そんな仕事をつくるっていうことに対しての安心とか、ひいては生きるっていうことへの安心度、大丈夫感みたいなのが増すといいなあって。そんな感じだねえ。そうすることで、生きることが安心して挑戦できるものになると思うんだよね。

-----  深いです。マリアナ海溝より深いです。挑戦って、全然1人でしないといけないものではないんだなって、コアキナイの話を聞いていると思います。

匠:ね。ひとりでなけなしの勇気を振り絞ってやるものっていうのはキツイよなあ。サンドメディアが、そんなコアキナイの世界観の入り口になったらいいなとは思うよね。

想いを、”情報”ではない形で届けたい。

----- そもそも、サンドイッチがメディアになるって、新しいなって思いました。話を聞けば聞くほど、どのメディアよりもすっごくクリエイティビティに溢れているんじゃないかって思います。
私は広告のお仕事をしているので、いろいろ考えさせられました。

匠:広告業界も、「伝える」お仕事だもんね。

----- それで思い出したことがあって。「ぼくたちは、広告という美しいゴミをつくっているんだ」って、昔先輩に言われたことがあったんです。広告は、Youtubeで出てきたらスキップする。誰も見たいものではない。(それでも、誰かの心を1mmでも動かすことを目標に、美しく面白くしようと考えるんですが...)
テレビや新聞、最近だとSNSとメディアの形は変わったけど、消費されて、やっぱり心に残りづらいのかなぁと、世の中に生まれ続ける広告を見て痛感することもあって。
メディアが「食べもの」に変換された時、あたらしい会話が生まれたり、お腹がいっぱいになる感覚や、誰かを好きになる感情、作った人を知りたいと思う熱量まで生まれたりする。すごいことですよね。

匠:うんうん。既存のメディアを否定するわけではないんだけれど、やっぱり”一方的な情報”っていう形で届けられるし、受け取られる場合が多いと思っていて。ぼくのスマホのデータ容量が20GB以内ってのがあるみたいに(笑)、人間にもやっぱり受け取れる情報の量ってどうしてもあると思うんだよね。

ってときに、お腹いっぱいの人に無理やりメシ食わすみたいなことは愛じゃないよなと。
もちろんコアキナイを伝える、ってことはありつつも、ひろかずくんがまじで真剣に考えて美味しいメニューを作っているから、そのメディアって絶対毒にならない気がしてて。
なんだろう、愛として受け取られるようなものだと思うんだよね。真心こめてつくるからさ。想いを、愛を感じられるもので届けられたらいいなと。

-----  一方的に、活字の情報を消化するだけになると、消化不良になってしまう時代ですもんね。

匠:そう。あとは会話の中で伝わったり、一方的じゃないメディアがいいなって。それでサンドメディアのロゴは、ホットサンドを中心に2人の人がいるものにしたんです。ホットサンドとコミュニケーションっていう二つがメディアになってるっていう意味も込めて。


-----  そういうことだったんですね!なるほど…!
ちょっと長くなってきたので、続きは、後篇にて!
食がメディアになるってどういうこと?
引き続き、深堀っていきます!


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