モニター環境の話。SoundID Reference導入レビュー
先日、Sonarworks の SoundID Referenceを導入しました。
いわゆるキャリブレーションができる機材で、どんな音が鳴っているか測定できるマイクと、フラットな音に補正できるソフトウェアのセット。
普段は自宅で曲作りをしていて、ミックスやマスタリングなどの音作りに頭を悩ませていたので、導入に至りました。
数日、使ってみてすごく良かったので、レビューを書こうと思いました。
導入のきっかけ
数日前、イベント会場の大きなスピーカーで自分の曲を流してもらえる機会がありました。同時に有名アーティストの楽曲も流されていたのですが、比べてみると自分の曲の低音がかなりブーミーに鳴っていることに気づきました。
そこで、低音域を下げてミックスしてみると、今まで低音に障害されていた高音域が前に出てきて耳が痛くなり、、、高音域を下げるとぬけが悪くなり、、、中音域を下げるとスカスカな音になり、、、完璧に調整したと思って、ヘッドフォンで聴き比べると音がまた違う、、、
完全に音作り・ミックス沼にハマりました。
そもそも、自分がどんな音を聴いているのか?という疑問が湧いてきたわけです。
普段のモニター環境
普段はモニタースピーカーの GENELEC - 8030 を使用しています。
かなり値段も張るものですが、普通のスピーカーと違い、段違いに音が聞き取りやすいので7年間、愛用し続けていました。
とはいえ自宅環境なので、設置する壁との距離や、部屋鳴りなどの問題が多く、実際に正しい音で聴けているかはわかっていませんでした。
SoundID Referenceの導入
いざ導入。と思いきや、ソフトウェアのクラッシュが多く、立ち上げするまでに結構時間がかかりました。
(国内サポートをしているメディアインテグレーションさんが親切なページを作ってくれていたので、無事立ち上げができました。)
測定は20分ほど。
説明もすべて英語なので、手間はかかりますが、作業自体は簡単でした。
補正前後を聴き比べてみると、特に中~高音域の変な特性が取れているのが体感できました。
低音域については、スピーカーの大きさやウーファーの有無もあるので、自宅環境では限界があるようです。
疑似的に別の機器のモニター環境を再現できる機能もありました。
たまたま自分が持っている機種もあったので、実物と比べてみると、確かに近い音が再現されている!と感じました。
導入してよかったこと
自分がどんな環境でモニターしているのか把握できる
ソフトで補正して、フラットなモニター環境を作れる
疑似的に別機材のモニター環境を再現できる
製品のデメリット
価格が絶妙に高い
補正しても聞こえない音は存在する
導入時のソフトウェアのクラッシュが多い
スピーカーの再生能力がない帯域や部屋の環境によっては、いくら補正しても出ない帯域があるようです。
あくまでデジタルでのキャリブレーションなので、専門スタジオと比べると大きな違いはでると思います。
まとめ
「周波数特性を把握できる」ことに、SoundID Referenceの導入はかなりの価値がありました。
複数のモニター環境をスイッチして使うことが理想ですが、モニタースピーカーを複数台買って、モニターを切り替えれるスイッチを買って、、、となってくると、お金がいくらあっても足りない気がします。笑
それを考えると、SoundID Referenceを買うほうが安いので、自分は購入してよかったと思っています。
SoundID Referenceは、ある程度再生能力のあるモニタースピーカーを使っていて、音のモニターに問題を抱えている人には絶対オススメです。
今後の対策
今持っている手持ちの機材(イヤホンやケータイのスピーカーなど)も周波数特性を把握していれば、十分モニターに使えると思いました。
いちいち再生するデバイスを変えたりするのは、ちょっと面倒ですが、
自分は、低音域のモニターをTVのホームシアターですることにしました。(ウーファーがついていて、我が家で一番、低音が出るので)
耳に刺さりやすい高音域のモニターについては、AKGのヘッドフォンを使っています。
おまけ:お金をかけない方法
ちなみに簡易的なキャリブレーションであれば、こちらの動画で、お金をほぼかけずにやる方法を紹介していて、おもしろいと思ったので共有します。
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