見出し画像

エコへの違和感とモノで遊ぶくらし

エコ・エシカルに興味があって自分の購買活動によって世の中をよくできる、日々の選択で変えられるんだと息巻くことがあるのだが、実際はのんべだらりと生きている。
ファストファッションの革命的な分岐点となるバングラデシュの工場での事故を知っておきながらプチプラのファストファッションを節約のためと言って買う。理念が素敵なエシカルファッションブランドのサイトを見ても商品を自分が持つ姿がいまいちピンとこず、買わない。ごみを減らす、プラスチックフリーの本を読むものの、分別は守っていると思いながらどんどん捨てる。

自分がエコやエシカルなことに興味を持ちながら実施しているのはEthiqueというメーカーの固形石鹸型コンディショナーを使っていることぐらいである。(シャンプーも過去使ったが匂いが合わなかった)
知識と行動に対するギャップにもやもやずっとしていて「今年の目標はエシカルファッションをゲットする!」と昨年の暮れ、息まいて手帳に書いたのだが、何かを手に入れることばかりにフォーカスしていることがズレているような気がしてきた。

今の自分のくらしはたくさんのモノによって支えられている。
母から送られてきたよくわからない地蔵のイラストがパッケージに描かれていた固形石鹸で洗顔し、ニキビや毛穴の黒ずみ予防の一環で買ったドクターズコスメでスキンケアをする。
結婚祝いで大学時代の恩師からもらったデロンギのケトルであたためた白湯を飲む。
都内から引っ越した家は北関東寄りのため寒くて今年は在宅勤務に耐えうるようユニクロでボアフリースのスウェットをはいて仕事をする。

全部いま手元にあるモノを愛でて、すり減っていく過程を楽しむことがまわりまわって大量購入・大量消費のスパイラルに手を伸ばさないことになる。
そして手を伸ばさないことが一番のエコ・エシカルなのではないだろうか。
買い物依存の方の取材をテレビで前に見たが、モノを買う時は、購入するときにアドレナリンが出るようで購入後より購入前・お会計時がピークとなる。モノを買う衝動と興奮に金を払っているといっても過言ではないらしい。
何かを買いたいと思って目に映ったよさそうなものをすぐ買うのは、モノを軽く見ている気がする。自分のくらしで活躍する選手をヘッドハントするつもりで迎え入れないと買った後の日常でモノは活きてこないのではないだろうか。ヘッドハントするには日頃の自分のくらしで活躍しているモノに助けられている実感をもって目利き力をつけなければいけない。世の中の商品への目利きを優先してしまいがちだが、まず自分のくらしのモノを見つめる。他人が作る社会・経済ベースの思考ではなく、自分のベットサイドを彩るための思考が必要なのだろう。消費のスパイラルから距離を置くことこそが不要にモノを買わず、いざという時にモノにめぐり合うセンサーが働く力になる。

今年は買ったモノについて家計簿ついでに記録をつけてみようと思うが、同時に使い切ったモノ・使い切る途中の経過についても手帳や日記に綴っていこうと思う。モノを捨てて部屋をきれいにする過程は終わり、オーディションに合格したモノたちとくらしの中で遊び、楽しむ。日用品はどれくらいのペースでなくなるのか。服は何年、何カ月着たらへたるのか。そうした自分が選んだモノと時を過ごす面白さを日々感じていきたいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!