タイミー戦士、俺
お金がない。
理由は分かってる。散財しているし、旅行も控えているしで貯金が着実に減っている。
水族館に行きたい。
海獣が見たいし、お土産コーナーにあるデカめのぬいぐるみが欲しい。
お金がない×水族館に行きたい
=水族館でバイトをする
ということで、単発バイト(タイミー)で水族館内にあるレストランに行ってきた。
水族館の話をしよう。
海洋生物に特別詳しいわけではないが、水族館が好きだ。最近はラッコが好きだ。
ラッコ、知ってる?🦦
今、水族館で会えるラッコは3匹しかいない。鳥羽水族館のキラとメイ、マリンワールド海の中道のリロだけである。
北海道には野生のラッコもいるらしい。
電車で行ける範囲に水族館があるため、この夏休み中に1回は行きたいと思っていた。
昨日、ダラダラとスマホを見ていたらタイミーの通知がきた。
水族館の中にあるレストランでひたすら洗い物をする単発バイトを募集していた。何も予定がなかったので応募した。
次の日水族館へと向かう。観光客が乗客の大半を占めるなか、バイトという目的で同じ電車に乗るのはなんだか小さくダメージを受ける。
バイト先に到着した。従業員の通路を通って中へ入る。少しワクワクする。裏側ってこんな感じなんだーって思って、世界の解像度が少しだけ上がる。
通路にダンボールが山積みにされている。きらびやかなイメージのある場所でも裏ではこんな感じかと思って安心した。
タイミーでは到着した時と退勤する時にスマホでQRコードを読み取る。それがタイムカード代わりになる。
社員さんと思しき人から色々と説明を受ける。更衣室はここで〜、貴重品はここにしまって〜、バイト中はこれ着て〜。お盆連休最終日のお昼時で特に忙しかったのだろう、早口でどんどん説明されていく。
渡されたポロシャツに着替えて厨房に入る。十数人が忙しなく動いている。入り口から1番遠いところに洗い場があった。
洗い場には親世代の女性が2人いた。1人は洗浄、1人は拭き上げ担当のようだ。私は拭き上げの方を手伝うらしい。
お皿の片付け場所などの説明を聞く、拭き上げ担当の人は優しそうだったが、洗浄の人はちょっと怖そう。
勤務時間は5時間であるが、結局ずっと食器の拭き上げをしていた。飽きる〜。食器を片付ける時だけ少しイルカが見れる。
レストランはイルカショーを行う会場の地下にあるらしく、大きい筒状の水槽に面してテーブルが設置してある。
イルカ、デカい。たまにサービスするように食事中の人の前を横切る。イルカを近くで見れて羨ましい。やはり水族館はお客さんとして行った方が楽しい気がする。
黙々と皿を拭き続ける。
拭き上げ担当の人は別の作業に移ってしまい、怖そうな洗浄担当の人と2人きりになってしまった。
洗浄担当の人は確かに圧を感じるが、悪い人ではなさそう。涼しい場所を教えてくれるし、水分補給を促してくれた。
途中で水と塩分チャージを持ってきてくれた。そして、こっそり紗々をくれた。
めっちゃいい人だった。怖いと思ってすみません。
言い訳させてもらうと、職場で独自のルールを振りかざすやばい人っているじゃないですか。そんな感じの人だと思ったんです。
違った。
皿を1枚も割ることなく、バイトは終了した。よかった。
本当はラッコが見たかったけど、遠目からのイルカしか見れなかった。ちゃんとお客さんとして行った時にじっくり見ようと思う。
タイミーのいいところは、バイト終了後、すぐに給料が口座振り込みされるところである。少し数字が大きくなった貯金を見て安堵を覚える。
やはり金が全て。金の余裕は心の余裕である。今すぐアパートを経営して不労所得で生きていきたい。
駅に向かう途中で中学生くらいのカップルが手を繋ぐ瞬間を目撃。その後「帰りたくない〜!」という彼女の声を聴いたことで体力が2回復。
お前らの青春を啜って生きる、そういう生き物がいてもいいよね。
それでは、さようなら。
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