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GRカローラ日記 Day0 来てしまう

モノづくりの世界ではだれでも知っているトヨタ生産方法(TPS)。偉そうなことを言える身分ではありませんが、一旦は「リーン・プロダクション・システム」の実装として認識されています。もともとの生産現場の自律的改善(自働化ですね)と、ジャストインタイムのサプライチェーン、そしてこれを前提とした原価低減の実現と、プロジェクト推進能力、これに古典的ICTが結びつき、自動車生産で世界を争う存在、製造業として世界5位(2022年)という輝かしい企業となりました。

その近年の立役者、豊田章男さんは、2009年に社長に就任され、大規模な米国の訴訟(突然の急加速による死亡事故と発端とする大規模なバッシング、後にほとんどが運転者のミスと特定、みんなマットを二重にひいちゃだめだよ!)による米国公聴会の洗礼を受けつつ活躍。みんなが知っている「モリゾーさん」としての、マーケティング3.0的な「自動車をコモディティにしない、したくない」という価値主導のマーケティングはお見事としか言いようがない。入社以来取り組まれていた中古車流通改革(GAZOOって、ディーラー間中古車流通ネットワークを、画像の動物園、GAのZOOって名付けた所から来ているんですってよ)を、モビリティサービスのKINTOとして昇華しつつ、最後には販社を含めたサプライチェーンまで成し遂げました。

そして、TPSについては、ソフト屋さんにはなじみの深いリーン開発を車両開発の現場に持ち込まれました。そう、あの「レースで鍛える」というやつです。先行開発車から評価部隊をチームを組み、全要素を同じベクトルを評価軸としてスクラム的に推進する。開発の自動車のカタログに「アジャイル開発」という言葉が入る日が来るとは思わなかった、、、。GRヤリスのラリーフィールドでの活躍、GRカローラの液体水素車の推進は、控えめに行っても大きなマーケティング効果を持っていますし、きっと組織にも大きな変化を与えていることでしょう。

一方で、以前はアンダーグラウンド的に社会悪のように扱われていた、自動車のカスタマイズを、愛車の個人化として明白に位置づけ(GRガレージ)、いわゆるマーケティング4.0的な実践に前述の成果を結びつける試みも、抜群のバランス感覚で推進されています。トヨタ自体のアウターブランディングでいうトヨタイムズと、業界全体を意識したGAZOOの2面建ての広報体制・顧客を巻き込んだストーリー作りはちょっと真似できないレベルかと思います。これに比べてしまうと、他の日本の自動車企業の内向的なことと言ったら、、、。

で、テスラみたいな破壊的イノベーションと戦わないといけない。

テスラもヤバい会社です。トヨタが必死にいわゆるDXとマーケティング改革を行っているのに対して、こっちはネイティブにアジャイルです、普通の組織ではない。2013年のクリス・アンダーソンとのTEDで凄い事を彼は言ってました。人類は既に太陽によって生存出来ているのだから、すべての営みは太陽を起点にしないと「困る」と。なんとすごいアウトサイドインの発想。そして実際の会社は、ハードもソフトもいろいろな意味で凄いことになっているのは、MUNRO LIVEにしても、AI Dayにしても無料でプロモーションしまくられて、その結果があの株価(企業価値)に繋がってます。一言でいうと、カオスを制御して秩序を創り出す感じ、これはこれで凄すぎる、、。

なんて想っていたんですよ。傍観者として気楽なもので。

そしたら、繰り上げ抽選に当選してしまいました。モリゾーさんの置き土産、GRカローラに。以前GR YarisをGRガレージ長野さんから借り出した時に思ったんですよ、多様性が豊かさの源泉で、それを極めるために競争があって、人々がまとまるために組織があるんだろう、そして、組織の役割の果たし方がどんどん変わっていく中で、顧客の在り方も変わってくる。だから、顧客になって身銭を払ってみる事で、初めてストーリーを一緒に描ける存在になるんじゃないかって。そうじゃなければ、カーシェアリングで乗ったほうが気楽でコスパが良いに決まってる。非合理的だけれど、顧客として方向感にコミットする事で、初めて見えてくる事がある、みたいな。

で、1週間、当選したという意味を考え抜き、ついでに色とオプションも夜も寝ずに(お昼寝をして)熟慮を重ね、結局契約してきました。

GRガレージ松本にあるモリゾーエディション、この色やっぱり良い、、。

色はプレシャスメタル、大きなナビとJBLサウンドシステムは邪魔なのでパス、置くだけ充電もいらないからパス、あとはオプションは全部つけて、、、結構なお値段になってしまいます。

ああ、とうとうストーリーに巻き込まれる、、。

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