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ロボット大戦争?大手企業がこぞって【自動化を急加速する】ワケ

人間はロボットじゃないんだから、疲れれば休みたくなるんだ。そういう時は潔く休めばいい (黒澤明 1910 - 1998)

最近、大手企業の物流倉庫自動化のニュースが巷でよく出てくる。

数年前まではなかなか耳にすることが少なかったが、名だたる企業がこぞって物流倉庫の自動化に乗り出している。

ここでは、外部事例などを統計データを元に自動化のイマに着目していこう。

何故、自動化を急加速で進めるのか?

間違いなく主な要因の一つは、人材確保難である。

人口減少というキーワードは、皆さんもう聞き慣れたかもしれない。では現在はどの程度の速さで人口減少しているのだろうか?

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 日本の労働人口位は1日に2,125人減少
(引用元データ:国立社会保障・人口問題研究所)

なんとも驚愕な数字ではあるが、なんとなくイメージが湧きづらい。身近な例を考えてみると、日本では一般的な町が5,000人規模以上であることから、

約2.5日に1つの町が消滅している

ということになる。さらには、市が人口5万人以上ということから、

1ヶ月に1つ以上の市が消滅している

つまり自分たちが住んでいる市に人がいなくなっているのである。なんとなく自分事に感じれただろうか。
これだけでも、かなり恐ろしいデータである。

一方、採用する側の法人数はどうだろうか?

厳密なアクティブ法人数というデータは国税庁等をみる限り最新のものはないが、東京商工リサーチによると、新設法人数は前年比基本的に+傾向となっている。

閉業した法人数にもよるが、基本的には新生率が前年に対して+傾向なので、アクティブ法人数として明らかな減少はやや考えづらい。さらには筆者もそうだが働き方改革などで1個人が法人を持ちやすく時代になってきたと考えると、アクティブ法人数の増加であることが想定される。

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従って、人材が欲しい法人は減っておらず、人材自体が減っている需要過多 = 人材不足の時代である。

働き方改革、と言いながら企業としてはなんとしてでも確保したい、そんなジレンマを現代は迎えているのではないか。

結果、どの企業も人材を確保することが命題であるが、競争社会を勝ち抜くのは容易ではない。

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 現在の求人倍率、最低賃金は上昇傾向
(引用元データ:estat・厚生労働省)

求人倍率が増加傾向であるが故に、中々人が確保できない。
確保しても最低賃金が増加中であり、会社としての負担も増えている。

さらに追い討ちをかけたのがCOVID-19だ。COVID-19で緊急事態宣言やロックダウンが各国で命令され、現場に行きたくても行けない状況が発生した。

これにより、企業は

「人が採用出来ない」

だけではなく

「人は採用できているのに現場に行けない」

状況下においても物流を止めては行けないというジレンマに陥ることになった。

そこで、どの企業も人が来なくても物流を止めない倉庫を作ること、すなわちロボットなどによる自動化が現在急速に導入が進んでいると考えられる。

大企業で物流自動化へ投資が急速的に導入

実際の自動化における具体的事例を見ていこう。

東邦薬品は埼玉の物流センター「TBC埼玉」において経済産業省主催の第6回ロボット大賞で優秀賞を受賞。

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実際の薬局へは、このような箱に梱包されて各薬局へ届けられる。一般消費者は調剤薬局でもらう薬をイメージしてもらうとわかりやすいだろう。その出荷される薬をロボットで作業をしている。

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TBC埼玉 外観

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TBC埼玉 作業フロー(矢印は商品の流れを示す)

多種多様な製品を扱うため自動化が難しいといわれていた中、大きさも重量も違う包装単位商品を倉庫からピッキングする作業などを自動化し、バラピッキングロボットは一躍注目を浴びた。どの企業よりも自動化に先駆けて先行投資をした優良事例だ。

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また楽天市場向けの物流拠点を運営する関通においては、AMRと呼ばれる協働型の自律移動ロボットを30台搭載し、ピッキング作業者の移動を劇的に改善した。作業者の従来の作業としては

従来の作業:
①出荷対象商品保管位置まで歩いて移動[人]
②対象商品をピッキング[人]
③出荷場所別に分けられた一時保管箱へ投入[人]
④全ての商品を一時保管箱を投入後、トラックへ荷積みするエリアまで移動[人]
AMR導入後の作業:
①AMRが出荷対象商品保管位置まで移動[AMR]
②対象商品をピッキング[人]
③出荷場所別に分けられた一時保管箱へ投入[人]
④全ての商品を一時保管箱を投入後、トラックへ荷積みするエリアまでAMRが搬送[AMR]

人の[移動]作業をAMRで自動化するという代物だ。しかもAMRは安全柵でロボットの動作範囲を区切ることなく導入ができるので人間と一緒に仕事が出来る。まさにロボットと共存する未来がもう目の前にきている、ということだ、

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https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00004/00045/

AMRの動作概要については、下記を参照して頂きたい。

自動化は物流倉庫だけでなく、店舗へも及んでいる

物流倉庫以外でも自動化が進んでいる。その主事例がAmazonだ。

Amazonでは倉庫はもちろん、AmazonGoと呼ばれる店舗まで完全自動化を進めている。Amazon Goでの自動化はこうだ。

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https://adv.asahi.com/series/overseas/contents160005/11531615

入店:自分自身のアカウントでログインしたスマートフォンアプリのQRコードを店頭入り口のゲートでスキャンさせることにより入店。

購入商品選択:商品を自分自身のエコバック等に入れるとカメラとセンサーで検知。アプリ内のカートへ商品が選択される。もちろん、カゴに入れた後に商品棚へ戻しても反映される。通常のお店と違うのは、AmazonGo内にはショッピングカートがない!

会計:再びゲートへ赴き、QRコードを読み取らせて退店。会計処理は退店後数分以内にスマートフォンにレシートが届いたと同時に決済が完了する。アプリ内で完了する為、レジへ並び1個1個スキャンする必要がない。

日本の商習慣からすると、レジを通していないものを店外へそのまま持ち帰る、というのが万引きに相当する為やや違和感があるが、現地シアトルでは2018年1月にオープンしてから棚卸しで大きな問題が起きている等はないようだ。(1号店のシアトルから次号店のサンフランシスコへ展開した際に、重力センサーや圧力センサー、マイクが追加搭載され、さらに作業認識精度が上がったそうだ。)

日本にはまだないから自分には関係ない。そう思う読者の方。

実は日本でも試験的に同様のお店が出始めている。是非探されてみてはどうだろうか。近未来を感じれる体験になることを保証する。

今後さらに自動化は加速する

冒頭の黒澤明氏の言葉にある通り、人間はロボットではない為動き続けることは不可能である。ただ、ロボットは文句も言わず24時間365日稼働することが可能だ。

技術の進化のおかげで更なるロボットやAIの登場で、人が行う作業とロボットが行う作業がより明確になるのは間違いない。人とロボットが共存し、よりより未来を共創する。こんな未来にワクワクしつつ、更なる技術発展を願う。


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