根本ってどこから?
こんにちは。
昔友達に「トッポは中までチョコがしっかり詰まっているから、ポッキーよりお得なんだ!」って力説されたことがあります。
中にどれくらい量が入ってるのか分からないのに、比較なんて出来ないって思いませんか?
というどうでもいい主張・意見は置いておいて。
今回から「読書アウトプットシリーズ」を始めて行きたいと思います。
ただ読書をするだけでは学習にならないので、
本を読んで学んだポイントをまとめて、最後にちょっとだけ僕の主張を交えていけたらなと。
第1回目となる今回は、森永卓郎著「ザイム真理教」について書いていきたいと思います。
ちなみにネタバレあります。
ネタバレ嫌だ!という方は、ブラウザバック推奨です。
①読むことになったきっかけ
こちらの「ザイム真理教」という本。
タイトルのインパクトが凄まじく、この本を読んでいる時に「え!何その本?宗教!?やばいやつ??」と後輩からいじられる始末でした…
では、なぜそんな本を読むことになったのか。
軽くきっかけを述べて行ければと。
僕は専修大学でFDP(future design program)という講座を受講していまして、
それはどのような講座かというと
という内容の講座となっております。
この講座の講師をされている平間さんという方が、毎週オススメの本を持ってきているのですが、
その中に入っていたのがこの「ザイム真理教」という本だったわけです。
ひょんなことからこの本を読むことになった訳ですが、内容はタイトルに負けないほどの、とてもインパクトが強いものだったんです。
②森永さんの実体験
この本は森永さんの独白から始まります。
1980年に日本専売公社に入社した森永さん。
日本専売公社というのは、いまのJT(日本たばこ残業株式会社)の前身となる会社です。
その当時、専売公社は特別会計として全ての事業活動費が国家予算に縛られていました。
予算を獲得しなければ、鉛筆1本買えないような体制であったといいます。
そのため、入社したすぐの森永さんに任された仕事は「試験研究費の予算編成」の仕事。
しかし、ここで問題となったのは、この試験研究費というのは「未知の領域に挑戦する作業」であるため、
具体的に来年どんな実験をするかなんて誰も分からないという部分でした。
では、それをどう乗り越えていくのか?
答えは単純。
「架空の実験装置をでっちあげて、図面を書き、予算を積み上げていく」という方法をとるだけです。
数字を作るだけでなく必要となってくるのはシナリオを作ることで、
「○○大臣が直接大蔵大臣を説得して、□□億円の予算を復活させる」といったシナリオを全て描きます。
森永さん自身はこの現状を「茶番劇のよう」と評されていて、大蔵省に対する専売公社の接し方を「完全な主従関係、隷属関係であり、大蔵省の言うことには絶対服従だった」とも述べています。
以上が森永さんが体験した、大蔵省(後の財務省)の実情なのですが、これだけでは「真理教」と呼ばれる程なのかどうか疑問符がつきます。
なぜタイトルのような「ザイム真理教」と呼ばれるようになってしまったのか。
その答えは、森永さんが「財務省の教義」であると指摘している「財政均衡主義」という考えに答えがありました。
③ザイム真理教と呼ばれる訳
では「財政均衡主義」とはなんなのか。
財政均衡主義を端的に表現すると「税収の範囲内に歳出を抑えた方が良いという考え方」となります。
森永さんはその財政均衡主義という考え方は、オイルショックの時代に発生したものであると分析しています。
上記の図は日本が発行している国債発行額の推移です。
図を見てわかるように、1960年代まではほぼ国債を発行していなかったのですが、1973年のオイルショックに対応するための経済対策で、少しずつ発行を始めています。
発行した国債には返済期間があるため、そのために返済の財源を確保しなければならない!というのが、財政均衡主義の主張なのです。
返済期間は大部分が10年であることから、オイルショックの10年後、つまり1980年代から「償還」を進めていくことになります。
「返済に対応していくために、財源を確保すべき!」
「そのためには歳出カットと増税が必要だ!」という「財務均衡主義」の考え方が徐々に定着していったのも、1980年代頃でした。
しかし、そもそもこの考え方自体が間違いであると、森永さんは本書を通して主張されています。
1980年代に発生したこの考え方が、40年間を通して国民やマスメディアや政治家に至るまで深く浸透してしまったことが、日本経済転落の原因であると。
「財政均衡主義」という間違った教義を信仰し続けている、財務省のその様は、まるで宗教のようであり、カルト教団のようである。
信者8000万人を誇る巨大カルトである「ザイム真理教」こそが、国民生活を破壊していると。
そう森永さんは力強く述べているのです。
④消費税がもたらした悪循環
本書においては、経済アナリストである森永さんの視点から、様々な指摘がなされています。
しかし、数字に弱い僕は、正直全てを分かりきれなかったのも事実でした。
今回はアウトプットとして、実生活において身近なテーマについて書いていければと思います。
2019年に10%に引き上げられた消費税。
財務省はホームページに以下のようなコメントを掲載しました。
要するに、社会保障は消費税で賄うべきだというのが財務省の主張だということになります。
加えて消費税率は実質賃金にも関係しており、消費税率を上げると、その分だけ実質所得が減少します。
そうなってしまうと、消費関連の企業の売上が落ちてしまうので、リストラをしたり、賃金の低い非正規社員に置き換えるという企業が増えます。
その結果何が起こるかというと、また所得が落ちてしまい、消費が減少してしまうという悪循環が続いてしまいます。
上記の図を見てもらえば、消費税が増税されたことで、賃金が下がっていることがより分かってくると思います。
では、なぜこのような悪循環が起こってしまうにも関わらず、消費税などの増税を繰り返してしまうのか?
前章で「財政均衡主義」について話したと思います。
その内容を思い出してください。
つまり、歳出が増えていくにつれて、増税は避けられないとなっていくわけです。
直近だとコロナ対策のための補正予算。
コロナ後の経済は少なくとも今後数年間元に戻らないとされているが、そんな状況で大増税をしたら、経済は恐慌状態になってしまうだろう。と森永さんは指摘しています。
上記のグラフは国民負担率の国際比較です。
日本はアメリカよりも高く、イギリスと並ぶほどの値なのですが、注意点が1点あります。
大陸欧州の国家は、社会保障や教育サービスレベルが日本より格段に高いという点。
例えばスウェーデンであれば、私立大学でも公立大学でも学費は無料であり、ドイツでも公立大学は無料です。
日本は結果的に「社会保障や公的サービスの給付基準が低いのに、税金や社会保障負担が大きい、重税国家となっている」のです。
⑤なぜ日本は30年間成長出来なかったのか?
ここまで読んで頂いた方、そして「ザイム真理教」を読んだ方ならお分かりだとは問います。
「なぜ日本は30年間成長出来なかったのか?」
その答えはたった1つだけです。
「急激な増税と社会保険料アップで手取り収入が減ってしまったから」
先程消費税の例を紹介しましたが、そのような例は他にもあります。例えば、相続税や厚生年金など、挙げるとキリがありません。
使えるお金が減れば、消費が落ちる。消費が落ちれば、企業の売上が減る。そのために企業は人件費を削減せざるを得なくなる…という悪循環。
「ザイム真理教」が教義とした「財政均衡主義」は、国民生活どころか、日本経済まで破壊してしまった。
と、森永さんは主張しています。
家庭で例えるならこういうことだと思います。
まず今ある収入だけでやりくりしようとしたお母さんが、子供へのお小遣いを減らします。
お小遣いが無くなった子供は、友達と遊ぶことを控えるようになります。
遊びに行かない子供を見てお母さんは
「なんでウチの子供は遊びにいかないのかしら?友達が学校にいないのかしら?」と心配しています。
分かりやすくするとこんな感じでしょうか?
これから日本が復活して行くためには、「財政均衡主義」からの脱却が第1ではないのでしょうか?
僕たちに出来ることは、まず財政の真実を知り、財政均衡主義からの脱却が、国民生活を改善するために絶対に必要であることを理解することから始めることだと思います。
政治に興味を持っている、持っていないという次元の話から脱却し、現実を知ること。
これが、我々若者に課せられた義務であるとおもいます。
⑥まとめ
初めてのアウトプットシリーズ、いかがでしたか?
かなり拙い部分も多かったと思います。
自分なりに重要だと思った部分を切り取りつつも、このnoteを読んでくれた人が、本を手に取ってくれるような内容を書いたつもりです。
最初に昔の友達が言ってた言葉を書いたと思います。
「トッポは中までチョコがしっかり詰まっているから、ポッキーよりお得なんだ!」
という主張。
この主張は間違っていないかも知れないんですが、客観的な証拠に乏しい。
実際のチョコの量を測った訳ではありませんし。
しかし、現状のニュースやワイドショー、SNSにおいては、このような客観的な証拠がない主張が横行しすぎているように感じます。
本書は森永さんのような、専門的な知識のある方が書かれたからこそ説得力があるものであり、ただのSNSに書く拙い主張は、稚児の戯言と変わりません。
「根本を見直し、客観性を持つこと。」
僕はこれが大切だと思っています。
根本ってどこからだろう?という疑問はあると思います。
正直、僕も根本がどこか分かっている訳ではありませんし、分かっている人も正直少ないと思います。
しかし、根本から変えたい!という想い自体が、今後の世界を変えていくための力になるのではないでしょうか?
という講釈はここら辺にしときます。
今回は僕の拙いnoteをお読みいただきありがとうございました。
アウトプットシリーズはこれからも続いていくので、もし興味があれば読んでください。
ではここら辺で。
またお会いしましょう。