受託体質が染み付いたデザイナーが、インハウスデザインを楽しむ為のマインドセット
“この記事は事業会社で働くデザイナーを中心としたコミュニティInHouseDesignersのアドベントカレンダー13日目の記事です。”
スタディプラス株式会社のリードデザイナーのコマツです。
今回は InHouseDesignersのアドベントカレンダーということで、もともと制作会社やフリーランスで受託でやっていたデザイナーが事業会社でデザインを楽しみ貢献するためのマインドセットについて書いてみようと思います。
今までこんな風にやってきました
僕のキャリアは制作会社で企業やアパレルブランドのWebサイトのデザインや広告のFlashの制作を担当(5年ちょっと)した後、フリーを志向して退社。縁あって起業直後のグリー株式会社に期間限定でクリエイティブディレクターとして参加(約1年)した後、フリーランスとして8年以上フリーのデザイナーとして活動。その後UXデザインに関心を持ち、事業会社にジョイン(約1年)。その後、フリーランス時代に営業をかけていたという縁で代表の廣瀬から声をかけてもらいスタディプラス株式会社に所属(5年目)しました。
現在は主に弊社の主要サービスであるStudyplusのUXデザイン、UIデザインを担当しつつ、古株のデザイナーとして組織の成長に合わせてデザイン組織も成長させていくことを企んでいます。
受託でのデザインの楽しさ
個人の主観ではありますが、受託でのデザインでは以下のような楽しさがありました。
・華やかさ、新しさ、クリエイティブであることが求められワクワクする
・次々と新しいモノをつくれて刺激的
・面白いアイデアや美しいデザインが評価される
また、制作の流れでは、
・要件にあったデザインを提出して選んでもらい、決まめてもらえる
という特徴がありました。
※「今は受託であってももっと広い領域をやってるよ」というツッコミももちろんなのですが、結構昔で事業の形態や制作フローも成熟していなかった時期・環境でのお話というコトでご了承を。
それにくらべてインハウスでは?
上記のような楽しさでデザインをやっていた自分が、事業会社でデザインするようになった当初の印象(怒らないで…)。
・なんか、作るものが少ない
・UIとか基本的に似たパーツなので地味
・作ったものを選んで決めてくれる人がいない
・褒められたり、認められたりする機会が受託に比べて少ない
・同じサービス・プロダクトに向き合い続けることが多い
今考えると非常にアホなんですが…、デザインの領域を自ら狭めてつまんなくしてますね。振り返ってみると、長年次から次へと主に表層寄りのデザインをやることに楽しみを見出していた自分には受託体質と呼ぶべき傾向があったように思います。
インハウスで楽しくデザインするマインドセット
では「今どうなの?」って話なのですが、超楽しい。事業の成長やサービスへの共感、UXへの理解の深まりなどの理由もあるのですが、それらを踏まえてマインドセットが変わったのが大きいと思います。そのマインドセットをいくつか説明します。
1.主語を「自分」から「組織・サービス」に
受託で制作していた時にはやはり一人のクリエイターとしての意識(自意識)が強かったと思います。クライアントがいて、自分が作品を作って買ってもらう的な。
ですが、今は自分もサービスのステークホルダーなので、主語を「自分」から「組織・サービス」と大きく広くして考えるようになりました。「組織・サービス」を主語として考えることで、自分だけで作るよりも、遥かに大きく強く、影響力のあるものが作れます。楽しくない訳がない。
2. 信じられる、信じてもらえる根拠を積み重ねる
受託ではものを作って、最後はクライアントが選択し物事が決定しましたが、事業においては自分達で決めねばなりません。決める為に欲しいのは「信じられる」根拠。リサーチやその分析、ペルソナやCGMといったユーザーモデル、サービスの価値の言語化などの中間成果物をひとつひとつ「信じられる」「信じてもらえる」強度で積み重ねる。作るものが少ないなんて何を言っているんでしょう?こんなに考えることがあって、それによってわかることがあり、作り出すべきものが多いなんて楽しいですね。
3. みんなで作る
ベタというか当たり前ですけどそうなんですよ。前述の通り、一人でやるよりもより大きな強いものが作れるんです。
受託の現場でデザインというか「作る」ってコトに強いこだわりを持っていた時は、チームで作っていてもそれはまるでリレーみたいだったなって思う。クライアントの要望を聞いて、ディレクターが描いたワイヤーを受け取ってデザインを作る。もちろん、相談したり行程が行ったり来たりすることもあったけど、点をつなげて線にしていくイメージ。時には伝言ゲーム的いきちがいもあったり。
インハウスで自分のサービスをデザインしていくなら、点をつなげるんじゃなくて、自分が抱えている袋にみんなの力を集めてどんどん大きくしていくイメージ。エネルギーのロスを少なくして、より効率的にメンバーの知識・技術・経験・熱意をどんどんサービスにこめられるような「作る仕組み」をデザインする。すると、もっと良いサービスが作れるようになっていく。楽しさしかないですね。
自分のデザインにおける「楽しい」とは?
ここまで、楽しい楽しいって言ってますが、自分のインハウスでのデザインにおける楽しいは「難しいけどクリアすると社会に大きな良い影響を与えられそうな課題があって、その解決に力を発揮できそう」って状態なのではないかと思う。今はきっと、このバランスがいいんでしょうね。
なんか、自分が「楽しいよ」って内容になっちゃったのですが、楽しんでやるに越したことは無いと思ってるんで、みなさんがデザインすることを楽しむヒントになったら幸いです。
自分の時間やスキルを賭けるに値するサービスに参加する
そして、マインドセットも大事ですが、やはり挑む課題と環境も大切です。現在担当しているStudyplusでは「学ぶ」ことを肯定しサポートし続けることで、一人でも多くの人の日々を豊かにし、その結果として豊かな社会へという未来を描いています。ユーザーとしても、取引先としても、転職先としてもオススメなので、ご縁があったら是非よろしくお願いします。
※ 図など随時更新予定
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