郵便(courrier)から電子メール(courriel)へフランス語の変化
(はじめに)
昨日(2018年10月29日)、最近買ったフランス語の本で勉強していたら、私の辞書に載っていない「courriel」という単語が出てきました。それには日本語訳もついていたので見ると「ご両親にメールを送りますか」という文章の「メール」という単語のフランス語訳でした。私のフランス語の辞書は、33年前に買ったものですが、その辞書には、極めて似た「courreir(郵便)」という単語は載っています。それで、このフランス語の本は、郵便(メール)というフランス語のつづりでrとlを間違えて、「courriel(メール)」と誤植したに違いないと私はそのとき思ったのでした。しかし、今時日本語でメールと一般に言うのは、電子メールのことなので、ひょっとして、この単語、最近できたフランス語の単語で、私の古い辞書には載っていないのではないかと心配になり、ネットで調べてみました。
(新しいフランス語単語courrielを制定)
そしたら、courrielは、なんと、2003年にフランスの国語審議会で決めた新しい単語で、電子メールを意味することが判明して驚きました。フランスでは、2003年からe-mailという英語を使うのは禁止され、これからは、courrielを用いなければならないと決まったそうでした。そのことを示す以下の記事が、ネット出ていました。
いやあ、ほんとうにフランスらしい。あくまで、フランス語の純潔を守る姿勢が貫かれていますね。
私が33年前の昭和60年(1985年)に買ったフランス語の辞書には、電子メール(courriel)のほか、パソコン(ordinateur portable)や携帯電話(téléphone portable)などの単語も載っていません。世の中、進歩というか、変わるものですね。
(おわりに)
にもかかわらず、また最近(2023年)のフランス語の本やネット記事には、フランスの国語審議会で2003年に決めた新しいフランス語courrielは出て来ず、英語の電子メールemailの方が盛んに使われています。世界中でemailが共通語になった証拠でしょうね。フランス人も世界共通語のemailの方が使いやすいのかもしれないですね。
2018年10月30日 随筆
2023年6月17日 加筆