司法試験を受けて
1.はじめに
新型コロナという異例の事態のなか、令和3年度の司法試験は5月12日から5日間をかけて無事実施されました。
そして短答式試験の発表を終え、合格発表まで残すところ2か月と少しという状況です。
僕は短答式試験を無事通過し、現在9月7日の最終合否の発表を待つ身となっております。
今回は僕が司法試験を受験して、「ここはもっとこうすればよかったな」「こういった方法でやれば、効率的に力が身に付いただろうな」と思ったことがいくつかありますので紹介していきます。
今後の受験生の皆様の参考になれば幸いです。
もっとも、まだ僕は司法試験に合格した身ではないため、あくまで聞き流す程度で聞いていただければと思います。
2.条文は目次も読む!
まず条文の読み方です。
みなさん法学部やロースクールの授業では、「法律は条文からはじまる!」「条文を何回も読め!」と口うるさく教えられてきたのではないでしょうか?
僕もこの教えを守り、条文は丁寧に読むようにしてきた方だと思います。
しかし条文を丁寧に読んでいるつもりでも、問題演習や過去問を解く際に試験用六法から適切な条文を探すのに時間がかかってしまうことが多く、「どうしたものかなあ」と思う時がしばしばありました。
そんな時気づいてしまったんです。
「あれ、目次ちゃんと把握しておけば結構見つけやすくなるくね?」って笑
例えば会社法でいうと、僕はいつも大会社における監査役会や会計監査人の設置義務を定める会社法328条を見つけるのに時間がかかっていました。
そこで会社法の目次を見ます。
そうすると、会社法328条は「第2編 株式会社/第4章 機関/第2節 株主総会以外の機関の設置」にあることがわかります。
監査役会等は株式会社の機関に関することなので、会社法328条は「第2編 株式会社の第4章 機関」にあることは容易に想像できます。
あとは「第2節 株主総会以外の機関の設置」にあることだけなんとなくおさえておけばいいのです。
このように目次を手がかりに条文の位置をなんとなくおさえておけば、条文番号まで覚える必要もなく、試験時間にそれほど時間をかけずに条文を探し出すことができるのです。
「そんなこと知ってるわ!」って人いると思います。
お恥ずかしながら僕がこれに気づいたのは司法試験の1か月前でした笑笑
目次を意識した条文の参照をロースクール時代にみっちりやっておきたかったなあと少し後悔ですね、、笑
3.選択科目の決定はできれば早めに!
次に、選択科目についてです。
僕が司法試験の選択科目を決定したのはロースクール最終学年の後期がはじまる頃でした。
周りの友達はロー入学時にもうある程度選択科目を定めていて、僕はかなり遅い方だったのかなと思います。
選択科目に関連する授業は最終学年の前期にも取っていましたが、やはり早いうちから司法試験の選択科目をぼんやりにでも定め、実際の試験を意識した勉強をしていくのが効率的だったかなあと思います。
決して選択科目の決定を焦る必要はありませんが、「ぼんやりにでも早いうちから定めておく」ことでその科目が自分と合うかや、司法試験の問題との相性が早いうちにわかります。
そうすることで自分の適性に応じた科目へのシフトも早期になすことが可能になるのです。
できれば、ロースクール最終学年になるまでには選択科目を定めておくことをオススメします!
4.答案作成は割り切りの気持ちで!
最後は、やはり実際に答案を書くということと、そして書いた後に参考答案と見比べてみるということの重要性です。
「そんなの当たり前じゃん!」と、思われるかもしれません。
しかし、このプロセスを軽視している人は思った以上に多くいるのだと思います。(僕の肌感覚ですが、)
実際、一通り基本書を読み、典型論点や重要論点をおさえておけばそこそこの答案は作成できるようになるものです。
しかし、実際に時間を測って答案を書き、その後に参考答案と照らし合わせるというプロセスをコツコツと積み重ねていくことで、答案の質は飛躍的に上がります。
基本書は一つの論点に関する議論が丁寧に書かれていることが多く、基本書ばかり読んでいると、答案作成の際に「あれも書かなきゃ!」とか、「これも書いておかないと減点されちゃうかも!」という思考に陥りやすいです。
しかし実際に限られた時間の中で、出題趣旨や採点実感が要求していることを過不足なく答案上に表現するのは絶対に不可能です!
そしてそういう細かいことばかり考えていると、結局文章はうまく書けないわ、言いたいことが端的に伝わりにくい文章になるわで愚の骨頂です。
実際に上位合格の参考答案を見てみると、なんとも簡素な表現で、端的に書かれていることが多く、「これでいいの?」って思うことも多々あります。
でもそれでいいんです!
そのような質の良い答案(上位合格答案)を作成するためには、参考答案を読み、そこから学んで、限られた時間の中でそのような「割り切った答案」を作成する訓練を積む必要があります。
完璧主義者の僕はそれがなかなかできていなかったなと、今になって反省しているところです。
やはり答案作成は割り切りの気持ちが大事ということなのではないでしょうか?
5.終わりに
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました。
これからも受験生の皆様の害にならない程度で、司法試験や勉強のことを書いていきたいと思っています。
そして本記事はあくまで参考程度として聞き流していただくことをオススメいたします。
ご意見やご質問等ございましたら、コメント欄やTwitterのDMで対応させていただきます。
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