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連続セミナーで得られるモノ(#02 HCD-Net東海 連続セミナー開催経緯と学びのコツ)

前回は名古屋での今までのUXセミナー紹介しました。
その中で単発セミナーでは実務に対してなかなか咀嚼ができなく、
連続で学んでこそ実務で活かせるというところまで紹介しました。

今回は「連続で学んでこそ実務に活かせる」その理由を紹介したいと思います。
連続セミナーに興味があるけど、どんな学びが得られるのだろうと思っている人にぜひ読んでいただきたいです。

連続セミナーを受けて分かること

自分もUXデザインの手法を学ぶために2012〜2013年ごろに集中的に全国の各地の連続セミナーに通い学びました。あの頃はとにかく何でも受けていましたw。

名古屋でもHCD-Netのセミナーがあったのですが、それでは物足りず
京都に行ったり静岡に行ったり、東京にも通って連続物のセミナーにいきました。懇親会、二次会にも出てたので泊まりで次の日は東京のたい焼き屋を巡ってその時期に結構新規開拓しましたw

そしていつのまにかセミナーを受講する方から開催する方になってしまいましたw。

その連続物のセミナーを受けていて一番感じたことは、連続で学ぶと分かることで手法同士の繋がりを実感することができました。

単発のUXデザインセミナーを受けると

前回紹介したように2016年、2017年と名古屋では単発のUXデザインのセミナーを9回ほど実施してきました。
当時ネットイヤーの坂本さんをお呼びしてカスタマージャーニーマップのワークショップをやったり、当時マミオンの佐藤さんをお呼びしてユーザビリティ評価のワークショップをしたりしました。

どのセミナーも参加者にとってとても有益だったと思います。
カスタマージャーニーマップってどんなものなのか?って分からない人が体感することによってどんなものか分かりますし、
ユーザビリティ評価ってやったことないから実務でやるのは不安だって思ってる人が一度体験することによって、こうやればいいんだと分かったと思います。

ただやはり単発のセミナーでは1つの手法しか学べず、例えばカスタマージャーニーマップ作ってその後どのように活用するのか?
ユーザビリティ評価で問題を出す前に質のよい製品やUIを作るにはどうしたらいいんだろう?と様々な疑問が湧いてきます。

正直セミナーの中ではそこまでの疑問に答えることはなかなか出来ていません。(この疑問を直接講師に聞けるのが懇親会なんですけどね。懇親会での講師や参加者との対話の大切さはまた別のノートで語る予定です)

一度プロセスを体験できる

その疑問に答えることができるのが連続セミナーなのです。

連続セミナーはあくまでも模擬的ではありますが、一度通しでプロセスを体験できます。
インタビューでユーザー調査をして、その結果を分析し、そこからアイデアを出し、体験の設計をする。

このようにプロセスを一貫して連続で実施することで、
1つ1つの手法同士の「繋がり」が見えてきます。

良いカスタマージャーニーマップを作るには、いいインプットが必要です。
つまり、いいインタビューができないといけないです。
またそのインタビューを元にカスタマージャーニーマップを作るのであれば、どんなカスタマージャーニーマップを作るかを意識出来てないと、いいインタビューもできませんし、そのインタビュー設計が上手く出来ません。

またペルソナを作成するワークショップをしたとして、ペルソナって何のために作るんだろう?何の役に立つだろうという疑問が湧いてきます。
そこで先のプロセスに進んで、シナリオや体験の設計をしていると
あ〜ここでペルソナが必要なんだ、ここの判断で必要なんだと実感出来ます。
逆にペルソナ作成時にこんな情報が欲しかったなと思い、次回ペルソナを作るときは先の工程を見越して作成することができます。

料理に例えるとカレーを作るとして、ルーの箱の裏とかに作り方が書いてあり、そこで野菜を切る工程でお好みの大きさに切るとか書かれてますね。

お好みの大きさってどれぐらいだよと思いつつ、例えばジャガイモを切るとすると、
一度作ったことある人なら、煮崩れや食べ応えを考えてある程度の大きさに切りますが、作った経験のない人は小さい方が好きかなと思って、小さくカットしてしまうかもしれません。

すると煮込む工程でジャガイモが溶けてしまい、出来上がりではジャガイモが入っているかどうかも分からなくなってしまうかもしれませんね。

一度経験していると次のことを想像できるので、それを見据えて現在の工程に対して実行できます。
これはUXデザインのプロセスでも同じです。

次の工程を意識すると質がアップする

一度体験することによって手法同士の繋がりが分かり、次の工程を意識することができます。そうすることによって現在の工程の質がアップしてきます。

インタビューが足らないとかペルソナの情報が足りない、つまりその工程の質が粗いというのは、次の工程が意識できていない人には判断しにくいものです。

インタビューやペルソナなど定石通りやって情報がたくさんとれたり、フォーマットが埋まれば、なんとなく出来た感じになります。
でもそれで次の工程に進んでカスタマージャーニーマップを作っていると、ここってインタビューで聞いてなかったよなとか、
仕様の検討をしているとこのペルソナの重視するものってなんだろう?と先に進んで情報に漏れがあったことに気づきます。

さきほどのカレーの例えでいうと、ジャガイモが切れていることで十分と思ってしまい、煮込むということを意識できていないので、大きさの配慮ができていない。
でも作りが粗い・適していないと次の工程に影響がでてきます。(つまりジャガイモが溶けて形がなくなってしまうことです。それはそれでカレーとして美味しいかもしれませんがね)

ただ次の工程を意識できていると、カスタマージャーニーマップでここの要素が抜けていると繋がらないから、インタビューでここは聞いておこう。
このサービスならペルソナのここの思考が必要になってくるだろうから、この項目も足しておこう。
など先を見据えて現在の工程をチェックすることができます。

次の工程を意識出来ているかいないのでは現在の工程の質が全然違ってきます。

まとめ

模擬的でもいいので一度プロセスを体験することによって、手法同士の繋がりが見えます。
手法同士の繋がりが見えると先が見通せるので、自ずと質がアップしてきます。
先が見通せるので自信がつき、実務でトライしてみようと思うのです。

ここで、そのことに通じる最近読んだキングコング西野さんの「革命のファンファーレ」で心に刺さった言葉紹介させてください。

行動しない人間は、自分が行動しない理由をすぐ「勇気」のせいにする。「勇気がないから一歩を踏み出せない」と言う。これは違う。大間違いだ。行動することに、勇気は必要ない。子供の頃に一人で乗れなかった電車に、今、あなたが乗れるようになったのは、あなたが勇気を手に入れたからではない。「電車の乗り方」という”情報”を手に入れたからだ。 (中略)一歩踏み出すためには必要なのは、ポジティブシンキングではなく、ロジカルシンキングだ。説明出来てしまう事柄に「勇気」は必要ない。一歩踏み出すことに勇気が必要だと思っているのであれば尚のこと、そんな不確かなものを取り払ってやるためにも、とっとと情報を手に入れた方がいい。

実務でトライするという「行動」をするために
連続セミナーで一度プロセスを体験するという「情報」を手に入れてください。

2018年度UXデザイン連続セミナー(全5回)について

そんなUXデザインの連続セミナーを名古屋で今年開催する予定です。今その準備をしていて、日程と概要は決まっています。興味のある方は日程だけでも押さえておいてください。(全5回通しての参加になります)
  7/07(土):インタビューとKA法
  7/28(土):価値マップとぺルソナ作成
  8/25(土):CJMとサービスブループリント
  9/22(土):アイデア発想と体験の可視化
  11/3(土):プロトタイプとプレゼンテーション
 募集開始は5月中旬頃を予定しています。

5/12(土)UXデザイン概論

いきなり連続セミナーはハードルが高いなという方は5月にプレイベントという位置づけのセミナーも実施します。

ここでは千葉工業大学の安藤先生をお呼びしてUXデザイン概論を話していただきます。さらにHCD-Net教育事業部から連続セミナーの説明や今まで連続セミナーを受けてきた経験を話す予定です。お気軽にご参加ください。

5/12(土)13:30〜17:00 @ウインクあいち
UXデザイン概論(2018年HCD-Net東海UXデザイン連続セミナー Step0)
詳細&申し込みは下記から


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加藤公一
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