患者さんの話① -朝4時に起きる認知症のおばあちゃん
私が看護師の仕事をしていて
面白いと感じる時。
それは、患者さんの新たな一面を
発見できた時だと思います。
その方は、
自宅で転倒し足を骨折
手術を行い、リハビリのため
しばらくの間入院されている方でした。
認知症も指摘されており、
夜中から明け方にかけて大声で騒いだり
排泄物を触ったりすることがある
ファンキーなおばあちゃんでした。
ある静かな夜勤の日、
深夜4時ごろに
おばあちゃんの部屋から
「おーい、おーい」
という声が聞こえてきました。
ついに起きたか、、
そう思い部屋に行くと、
おばあちゃんがベッドに座っていました。
その日は割と
仕事が落ち着いていたこともあり
私は少しお話をしてみようと思い
ベッドサイドに座りました。
私「どうされましたか?」
患者「今何時かね?」
私「今は4時ですよ」
患者「そうねぇ」
私「おばぁはなんでこんなに
早起きしているの?」
患者「なんでかって?
それはお店があるからさぁ。」
私「お店?」
患者「そ、おばぁはお店をやっているから、
それまでに家族みーんなの
おかずを炊いとかんといけんからさ〜」
私「そうなんだ、
おばぁは働き者だったんだねぇ」
患者「そうよー」
後々家族の方から話を聞くと、
そのおばあちゃんは若い頃、
朝早くから起きて仕事に行き
商売をして家族を養っていたと聞きました。
そう考えると、
朝4時に起きだすのも、
誰にもに迷惑をかけないように
(これは推測ですが)
排泄物を自分で処理しようとするのも
その人の生きてきた生活に
繋がっているものだと感じました。
一人の認知症患者さんが、
働き者のおばあちゃん
に変わった瞬間でした。
こうゆう瞬間がすごく面白いです。
看護学校で散々言われた
人間対人間の関わりって
こうゆうことなのかなぁ
日々模索しながら仕事をしています。