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【必然的な先制点】22-23 UCL ラウンド16 1st leg パリ vs バイエルン
ワールドカップでの怒涛の試合観戦から力尽き
気が付けば年が明けあっという間に2月に。。
しばらくご無沙汰となっている間に世間は三笘フィーバーとなっていますが
CLの再開と共にぼちぼちnoteも再開しようと思います。
復帰戦なので、今回は軽めに(笑
ラウンド16、ビッグカードのパリvsバイエルンの1st legですね!
パリもチャンスこそありましたが
スコア以上にバイエルンが圧倒した試合でしたね。
ということで、今回はバイエルンの先制点が"必然的に"生まれたところにフォーカスしようと思います。
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バイエルンは現地CGで映された予想とは大きく異なる配置に。
明確な配置とカオスな配置
初期配置こそ前述の3-4-2ないし3-4-2-1の配置ですが
いざボールを保持すると以下のような配置を取っていました。
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特に圧倒的だった前半のバイエルンの保持配置は
新戦力カンセロを右の大外レーン、コマンを左の大外レーンに置き
中央は中盤のゴレツカを含んだサネ、ムシアラ、チュポ・モティングの4人が流動的に4枚のディフェンスの間にあたる3つの隙間を埋める形に。
図のようにムシアラが少し降りてくるケースが多かったように思います。
状況によっては、ムシアラも同じラインを取り
パリの4バックとマンツーの配置を取りつつ、大外にカンセロ、コマンがいるようなシーンも多くありました。
"カオスな"と表現しているのは中央に陣取る4枚の配置。
そして"明確だった"のは左サイドに陣取ったコマンの配置です。
大外を張るカンセロとコマンですが、それぞれの役割は大きく異なりました。
カンセロは右ワイドいっぱいに張るものの
最前線のラインではなく、1列引いたような位置に立つことが多く
寄ってきたサネやムシアラなどとコンビネーションを狙いゲームを作る役割。
(残念ながら、質は高くなく前半で交代となってしまいましたが)
一方、コマンはパリの右サイドバック(ハキミ)から少し離れた位置を取り続け
サイドチェンジを受ければ常に1対1となるような位置取りをしていました。
現地のフォーメーション予想はカンセロが左でしたが
実際にはコマンが左サイドに入っていたのは
攻撃的な位置取りでもありつつ、パリのストロングポイントである
右サイドバック、ハキミに高い位置を取らせないようにする形にも思えました。
結果、ゴールこそ生まれなかったものの
バイエルンは再三、右サイドで形を作った後に左サイドのコマンへ振り
1対1を仕掛けさせチャンスを創出していました。
より"明確"になった交代カードと先制点
チャンスは多く生み出したもののスコアレスで折り返したバイエルンは
後半頭からデイビスを投入。カンセロがお役御免に。
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保持時はメンデスを上げて、3バックに近い形を取るようになった。
カンセロとの交代で入ってきたデイビスでしたが
陣取ったのは左の大外レーン。
コマンはこの配置に伴い、カンセロがいた右の大外レーンへと動きました。
個人的にはこの試合の流れを変えたのはデイビスだと思っています。
前半のカンセロにはなかった縦へ突破する意識が出てきたことにより
"左で"ゲームが作れるようになってきました。
また、パリとしてもコマンの突破を許さないためにハキミを下げて
マルキーニョスを右サイドバックの位置へと持ってきたはずですが
始まってみたらメンデスのサイドにいたのは予想外だったのではと。
右へと位置を映しましたが、役割は"明確"。
ゲームメイクが左へと移っただけで、コマンが1対1を作る形は変わらず
むしろ、デイビスが左サイドで突破を始めたため
よりディフェンスの目が左サイドに移っていきました。
ここまで来れば、コマンの先制点のシーンは必然と言えるでしょう。
左のデイビスに向いた視線の裏で、コマンが見事にフリーになっていましたね。
バイエルンは狙っていた通りの先制点だったと思います。
希望の残る2nd leg
パリもエムバペを入れてから、VAR含めてチャンスもありましたし
あれだけ圧倒された前半があったうえでの1点差なので
まだまだ勝敗は分かりませんね。
ゲーム全体としては、パリよりバイエルンの方が
交代で入ってくる選手の役割やタイプが損なわれていない印象であったため
パリがスタートからベストなメンバー編成で臨めるかは大きく影響しそうです。