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【"狭"の5レーン】22-23 UCL 第2節 グループC バイエルン vs バルセロナ
しばらく下書きばかりが溜まり、投稿できていなかったので
シルバーウイークを活用してケチャドバしていきます。
試合の時系列がめちゃくちゃになりそうですが、ご愛敬ということで。
バルサの天敵"バイエルン"
というわけで、UCL(UEFA Champions League)第2節のビッグカード
バイエルン(H)vs バルセロナ(A)です。
バルセロナにとっては近年非常に相性が悪い相手であることに加え
移籍早々に、レヴァンドフスキの古巣対戦ということで注目を集めていましたね。
バルセロナはみなさんご存じのシャビ・エルナンデスが伝統の4-3-3を敷いていますが
対するバイエルンを率いるナーゲルスマンは
かつてホッフェンハイムで28歳の若さにして指揮を執り
データを重んじた常識にとらわれない哲学で
あれやこれやと35歳のいまバイエルンの2シーズン目を迎えている名将です。
ナーゲルスマンのバイエルンは狭い範囲での5レーン(7レーン?)を敷くと噂には聞いていたので楽しみにしていました。
前置きが長くなりましたがラインナップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1663463831830-w9bjHknhVY.png?width=1200)
バルサはおなじみ4-3-3で、最終ラインにクリステンセンとマルコス アロンソを使ってきたところが真新しいようです。(あまりバルサの試合は見ておらずですが。)
バイエルンはメンバー表からはどのような配置になるか注目でしたが
ミュラーがトップに入り、ムシアラが2トップに近いトップ下のような立ち位置を取っていたように見える布陣となりました。
"狭い"5レーン
開始早々から両チームとも高い位置からのプレッシングをかけ
最終ラインからの幅が狭く、プレスを回避して縦パスさえ通せれば
一気にゴール前、というトランジションの早い展開に。
対照的だったのは、両チームのレーンの考え方。
特に、事前に聞いていたバイエルンの"狭い"5レーンの考え方は興味深いものでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1663465339689-283yoB71WW.png?width=1200)
バイエルンの両サイド、サネとマネは大外のレーンを取ることはほぼ無く
ペナルティエリアの幅にミュラーとムシアラを加えた4枚が横並びになる配置。
この4枚でペナルティエリアの狭い幅を右へ左へと揺さぶって
バルセロナのCBとSBの位置をずらそうとする狙いが伺えました。
何が何でもペナルティエリア内でプレーするぞ!という配置。
実際にはペドリやガビも2CBの隙間を埋めるため
最終ラインに取り込まれるシーンが多く、中盤が手薄になるため
キミッヒとザビッツァーによるセカンドボールの回収も多く見られました。
余っている左サイドの大外のレーンはデイビスのレーンであり
マッチアップとなったラフィーニャとの1vs1に再三勝利していたため
よりマネが内側のレーンを取りやすい格好となっていました。
多くのチャンスを創出したバルサだったが…
狭いエリアで興味深い攻めを披露するバイエルンではありましたが
バルサも前述のインサイドハーフが最終ラインに入るなどして、これに食らいつき、むしろカウンターでチャンスをたくさん作っていたのはバルセロナでした。
しかし、再三のチャンスもことごとくゴールにはならず
相性の悪さと対照的な戦い方をうかがわせる中、前半はスコアレス。
ついにバイエルンの中央突破が成功
後半の入りも悪くなかったバルセロナですが
前半にはなかったコーナーキックから失点。
直後にもサネに中央突破を許し、立て続けに失点。
特にこの2点目のシーンはバイエルンの狙いが奏功した形に思えました。
![](https://assets.st-note.com/img/1663468131963-mj22zG8GKt.png?width=1200)
中央レーンをアタックする意識が生んだゴール
追加点の生まれた53:40付近のシーン。
ブスケスがプレスで最終ラインまでアタックしたところを回避し
ウパンメカノから右に張っていたサネへ。
寄ってきたマズラウィとムシアラでトライアングルを形成し
ガビ・デンベレ・マルコス アロンソのプレスを回避。
ここで興味深いのはマズラウィからムシアラにボールが出た瞬間に
サネが黄色のスペースへ向かって走りこむところ。
ミュラーが中央でアラウホを釣るランニングをしていたので
2トップの左(黄色のスペース)が空くと察知してスプリントをしたのだと思いますが、
・外側のレーンは使わず中央のレーンで攻める
・ボールを受けたときに中央の景色が見える位置取りをしていた
・ムシアラが降りてきているので、ムシアラがいるべきスペースが空いている
この3点の意識がサネにあったからこそ、できたランニングであり
前半から見せていた「前線4枚が入れ替わりながら中央を崩す」という意図が実った形のゴールであると思います。
フィニッシュのところも斜めにドリブルしながらファーに流し込むあたりが
ミュラーのランニングが効いていたように思えますね。
悔やまれるのはバルセロナ
前半に限らず、多くのチャンスを作れていたバルセロナとしては
1点でも入っていれば大きく展開は異なっていたでしょう。
こういったところもまた相性の悪さを示すかのような形となってしまいましたが…ホームでのリベンジが注目されます。
一方、バイエルンは明確な狙いを持って
終始アタックを続けた結果が実った印象です。
ですが、ここ数回の試合ほどの差はなかったように思えるので
カンプノウでの再戦も非常に楽しみなカードとなりました。