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国際親善試合 日本 vs アメリカ 収穫と課題

いよいよワールドカップまで2カ月、メンバー確定までの最終遠征。
ということで、アメリカ戦の収穫と課題を書いておこうと思います。

"世界基準"を味わうはずのマッチメイクが…

今回はあまり時系列で追った感想は書きませんが
スタメンだけは記録のために置いておきましょう。

日本は4-2-3-1に回帰。
一方のアメリカのメンバーは…。

アメリカはFIFAランキングでも14位と日本よりはるか上位。
デストやレイナと主戦力が名を連ねる中、
注目されたチェルシー所属のプリシッチは直前の練習で負傷し欠場。
ワールドクラスの攻撃を味わうには、少々物足りないメンバーリストに。

日本は最近重用してきた4-3-3ではなく
遠藤・守田を横に並べる4-2-3-1へ回帰。
好調の久保は左サイドに配置され
確定枠が決まらないトップには前田が起用されました。
冨安のCB復帰も嬉しいラインナップ。

【収穫】機能した4枚のプレス+2枚での刈り取り

結果としては、2-0。
また、枠内シュートもゼロ。と、決定機を作らせなかった日本。
アメリカのメンバーやちぐはぐさも否めませんが
その"ちぐはぐさ"を生むことができた要因としては
前線4枚のプレスが機能し、横に並べた遠藤・守田でボールの奪取に成功していたことでしょう。

特にプレスの形を前田と鎌田とで横並びの2枚と縦並びの2枚を
状況に応じて使い分けていたところが効いていたように見えました。
中継の解説でも繰り返されていましたが
アメリカのボランチ、アダムスにボールがいい形で入らないよう
そもそも前から切ってしまうのか?
アダムスに人を付けるのか?
の判断がよかったように思います。
先発で起用された前田もシュートチャンスこそなかったものの
前線からのスピードを持ったプレスは前半のキーポイントでした。

久保もクラブでの好調が伺えるプレーで
特に左サイドでの守備は今までとの意識・フィジカルの違いが出ていました。
鎌田との相性も良く見え、"組み立てる"ゲームにおいては
この伊東・鎌田・久保の並びはとても魅力的に見えました。

【課題】板倉の有無と1トップ

板倉の有無

課題点として印象に残ったのは、本戦に板倉が間に合うのかどうかで
守備ラインの考え方が大きく異なってくる点。
アメリカ戦では後半途中から、代表戦では初めて冨安を右サイドバックに配置し、伊藤をCBに据えました。
アーセナルでの活躍や守備面を考えると、冨安を右サイドバックに配置できるほどのCBがいるのか?がとても重要であり
このポジションとしてテストされてきているのが
板倉・伊藤・谷口であるはずです。

アメリカ戦は伊藤にとってのテストのはずでしたが
テストとするにはあまりにもアメリカの攻撃に迫力がなく
ぜひ次戦は頭から吉田と組ませてどのくらいのものなのか見たいところ。
しかし、この伊藤もできるならば左サイドバックとしてカウントしたいところで、そうなるとやはり板倉がいるといないで話が変わってきます。

板倉の場合、替えの効かないダブルボランチ(遠藤・守田)の一角にも名を連ねることが可能で、ボールを奪取する場面の方が多くなる本戦を想定すると、田中碧よりも板倉をカードとして持っておきたい心理があります。

今現在の日本の生命線となりえるボランチとCBを平均以上でプレーできる板倉が間に合うのかは、連戦を考えてもキーポイントでしょう。

決まらない1トップ

ここは本戦までずっと残る課題でしょう。
アメリカ戦の前田は守備面こそいい部分を出せたものの
記憶に残るようなチャンスはありませんでした。
数字だけで見ると古橋は有力ですが
いかんせん1トップというのは戦い方次第で求められるプレーが違いすぎるため、"どのようにして点を取るのか?"がハッキリしてこないとベストアンサーを求めることが難しい。

そうなると、1トップに対してどれほどのオプションがあるのか?
というところにも繋がってくるのですが
古橋・前田・上田・町野という並びをみるとどうにも似たタイプが多く映ってしまう。
この4人だと、町野だけはプレースタイルが異なるため
オプションという点でみると十分に本戦のチャンスがある。

しかし、やはり1トップに迫力が欠けるのは事実で
状況次第では、鎌田の0トップや調子が上がれば南野
なども考えたいところだが
いかんせん今回のワールドカップは直前合宿ができないため
"秘策"のようなものを生み出す時間がない。

エクアドル戦での布陣で、"秘策"の有無が分かることとなるだろう。

戦い方を決めるのは誰なのか?

最後に気になったのは、試合終了後の森保監督のインタビュー。
「選手たちが、この試合に向けて、ワールドカップに向けて
 戦い方を整理してくれた。」

考えや気持ちというのは言葉尻に出ると思っていて。
やはりこの"選手たちが"の部分が気になってしまった。
久保もこの合宿が始まった際に、
「共通認識を持ちたい」と発言していたが
"どのように"の部分が明確になっていない表れだろう。

監督の役割はチームそれぞれではあるが
最後にメンバーを決めるのは監督であって、選手にその権限はない。
"どのように"の部分を監督が決めきれないまま
ふわっとした考えで4年に1度の大舞台を経験するメンバーが
決まってしまうことだけは避けてほしいな、と思った次第。

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