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EURO2024 B-2 スペインvsイタリア

なかなか平日は観るだけでも精一杯ですよね、、ということで
週末に入ったので今朝のビッグマッチレビュー。
あっという間に第2戦に入りましたね。

スペイン 1-0 イタリア

両者合わせてラポルテ以外は第1戦と同じメンバー。

第1戦のスペインは数字ほど圧勝ではなかったのに対して
このゲームは数字以上にイタリアを圧倒、というか圧勝に近い内容。

"守備"のスペイン

これまでのスペインは攻撃に華があるチームだと思っていますが
第1戦も踏まえて、今大会のスペインは"守備"のチームだと思えました。

90分を通して危ないシーンがほぼ無く、ゲームの掌握を握り続けましたが
その要因は「"いい"守備からの"いい"攻撃」という当たり前の流れでした。
この"当たり前"のレベルがとても高かった。

なんといってもこの"当たり前"を生み出しているキーマンは、左SBに入っているククレジャ。
パス制度52/53(98%)、タックル成功4/5(80%)、地上戦勝利8/10(80%)に加え、チャンスメイク数 3と驚異的なスタッツを記録し、文句なしのMOM。
数字以上に影響を与えていたのは、ククレジャの守備はほぼ前向きでボールを奪っていたこと。
クリアではなく、"奪う"。
彼がボールを奪ったところから、シームレスに攻撃が始まる…
この流れこそが今大会のスペインのリズムを生んでいる要因と捉えます。

ククレジャだけでなく、ポゼッション時の画面にちょうど映らないくらいのところにいるCB2人もカウンターの起点となるであろう選手に対してきっちりとマークについていたからこそ、最終ラインの裏を取られるような場面もなければ、競り負けているシーンもほぼ無かったと思います。
基本的にはル・ノルマンがチャレンジ、ラポルトがカバー。と見えたことからも、きちんと2人の役割分担がされているのが伺えました。

いい位置での守備が行えているだけに、ヤマル、N.ウィリアムズという両翼も相性がいいように思えます。

イタリアがカウンターに出ようとすると
猛然とククレジャがプレスバックし、確実にボールを奪う。
2CBも常にスカマッカににらみを効かせ、イタリアに出口を与えなかった。

スペインとイタリアの差

先述のスペインの守備の話は、いわゆるポジティブトランジション(守⇒攻)のことですが、この質が高かった理由は、前向きの守備ともう一つ、"トラップの質"にあったと思います。

ポジトラで大事とされるのは奪ってから1本目のパス。これを通せるか。
スペインは前向きの守備で奪えているために、フェイスアップしてパスコースが確認できる状態で守備⇒攻撃を行えていました。

一方のイタリアは押し込まれていることもあり、奪えてもラインアウトや混戦の中でこぼれて来ているような状況ばかりで、明確なパスコースがあるわけでもなければ、フェイスアップも難しい状況で、出足の早いスペインのネガトラ(攻⇒守)もあり、カウンターにすらならない場面が散見されました。

また、せっかくカウンターとなっても、きれいに足元に収まらない。
ただでさえ寄せてくるのが早いスペインの守備に対して、トラップが流れてしまうと生み出せていたはずのスペースは消え、寄せられてしまい奪われる…というシーンが何度もありました。

このトラップの質は、ボールの保持時間にも影響を与えており
2タッチ平均でボールを捌いていくスペインに対して
イタリアは明らかに球離れまでの時間が長く、結果寄せられる、前を向けない⇒スペインの攻撃が"いい形で"始まってしまう…という悪循環に陥っていました。

たかがトラップ、ですがこの質の差で生まれる1秒、2秒がチャンスを生み、チャンスを潰していました。

スペインの守備を破る攻撃は現れるか?

オウンゴールのみの1-0というスコアからも、まるでイタリアがやりたかったことをスペインがやっていたかのように見えました。
第1戦のクロアチアも猛攻を受けながら結果的に無失点だった点からも
スペインの"好守"を破るチームが出てくるか?が見どころ。

イタリアとしては決戦のクロアチア戦までに前線の役割分担が整理できるかどうか。

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