真夏の名曲 ボブ・マーリーの「アフリカン・ハーブスマン」
夏休み企画、「涼し気な曲」シリーズその二です。
有名なボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズです。彼らの「アフリカン・ハーブスマン」という曲が良いです。
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズは、スタジオ・ワンからトロージャンを経てアイランドレーベルへ移籍し、ワールドデビューします。
レーベルそれぞれの時期で、結構雰囲気が違います。スタワンの時はスカです。リー・ペリーがプロデューサーとなったトロージャンの時はロックステディで、リラックスしてます。アイランドになると、レゲエで居合わせた人間全員絶対踊らせてやる!というような鬼気迫る雰囲気があります。
そして今日おすすめするのは、真ん中の時期、トロージャンというレーベルからリリースされた曲です。
この曲、ほのぼのしてるんですよ。エレピ、ギター、フルートが微妙にサザエさん(筒美京平)してたりして。
丸い温かみのある曲に、バニー・ウェイラーの優しいハーモニーで、いつしかウトウト船を漕ぎだしそう。
でも、そこにドラムのフィルインと同時にピーター・トッシュのバリトン・ボイスが鋭角的に入ってくるんです。このピリッとした薬味感が痺れますね。
サザエさんじゃなくて俺はレゲエを聴いてるんだ、とハッと目が覚めます笑。
スタジオワンの頃のウェイラーズは、スカなので心拍数高め。真夏に聴くと熱中症起こしそうな気分。他方、アイランドの頃のウェイラーズは、歌詞が説教臭かったり、政治的だったり、攻撃的だったり。炎天下じゃ政治談議も身が入りません。
トロージャンの頃のウェイラーズが一番ぼんやり無心に聴けますね。それから、ボブ・マーリーは、やっぱりバニー・ウェイラー、ピーター・トッシュと三人でボーカル&コーラスやっている頃が一番です。
アイランドの3枚目(ナッティ・ドレッド)からは他の2人が脱退して、アイ・スリーズという女性コーラスに代わっていきますが、グレードダウンした感は否めません。
レゲエ入門として
涼しさとは無関係に、ボブ・マーリー聴くなら(というかレゲエを聴くなら)、アイランドレーベルのファースト「キャッチ・ア・ファイア」とセカンド「バーニング」を聴いてみてください。
これが気に入らなかったら恐らくレゲエとは縁のない人です。
かつて橘玲氏が「『読まなくてもいい本』の読書案内」という本を出していましたが、この2枚によって「レゲエは聴かなくていい音楽」と分かるので、自分の好みを理解するのに手っ取り早いです。
よくわからない紹介になってしまいましたが、とりあえずアフリカン・ハーブスマンは真夏の夜にオススメです。