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夏っぽい名盤 アニマル・コレクティブ 「メリウェザー・ポスト・パビリオン」
うだるような暑さ!!ですね。食欲湧きませんよ。そうめんとか冷やし中華とか、あるいはカレーとか、そういうの食べたいです。
さて、食べ物にも季節感があるように音楽にも季節感ってありますよね。
真夏に聴いたら気持ちいい音楽を一つ、紹介します。
アニマル・コレクティブのメリーウェザー・ポスト・パビリオンです。2009年リリースで、ピッチフォークではその年のベストアルバムの一つに上がりました。ジャケットもサイケですね。
錫の音に、幻惑的なギターサンプル、そしてエコーの効いたボーカルで始まる1曲目イン・ザ・フラワーズ、風を切るような音で始まる②マイ・ガール、その名も夏服(サマークロス)の④、⑦のガイズ・アイズもメロー、レイジー&キャッチーで良い曲ですね。⑩は「もう走らないよ」のノー・モア・ランニング。
アルバムラスト曲もPVあったのでリンクしときます。アニコレは(アニメ・コレクターとか艦コレみたいな響きですね)PVも良作多いです。
リンクを貼ったPVはどちらもアルバムの中で割とダンサブルな部類です。ノー・モア・ランニングなんかはほとんどアンビエント、チル・アウトです。
このアルバムの曲は、レディング・フェスティバルとかフジロックとかの真夏の野外ライブで聴くとめちゃくちゃ気持ちいいと思います。
涼しさを音楽で表現する
夏向きの音楽ということでメリウェザー・ポスト・パビリオンを紹介しましたが、なぜこのアルバムが涼し気なのか考えてみました。
まず、このアルバムではギタリストが参加してないんです。一つ前のアルバムでレコーディングに携わっていたギタリストが休養に入っちゃった。そのために、バンドはギターなしでサンプラー主体で制作しなくちゃならなかった。
かなり乱暴に言っちゃいますが、ある意味ギターって暑苦しいですよね。アコギはともかくエレキは。形が大きくて派手な音を出すほど、暑苦しい気がします。同じギター型でも、小さいウクレレは涼し気ですからね。
大げさにいうと真夏にベンチャーズのテケテケテケテケ♪とか、サウナでちゃんこ鍋出されるような気分です。それに早弾き系の人為性、作為性が前面に出るのも暑苦しいですね。
このアルバムは、サンプラー主体だから機械的なループが中心。その辺りもくどくない、控えめな感じで涼しいのだと思います。
あと、涼し気を感じさせる最たるものは、風鈴ですよね。風鈴は、いわば「風を聴く装置」ですよね。ガラスや金属製が多いのは、高音でよく響くからだと思います。
響きや残響音(エコー)も聴覚的に空間を感じさせるので、風が吹き抜けるような開放感があります。だから逆に冬に聴くと寒々しい。残念なことにエアコンが普及して、最近は風鈴あまり見ませんけど。
ドラムも、いわゆる手数の多い「おかず」多用のリズムパターンだと、気温上がる感じですね。無理にアゲなくていいです、っていう気持ちになります。夏はちょっと投げやりな、手抜きのドラムの方が委ねられますね。
理屈はともかくChillingな名盤なので、サブスクかなんかで聴いてみて下さい。
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