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オールド・スクール・リバイバルの金字塔 ジュラシック5「Jayou」

今日紹介するのは、Jurassic 5のJayouです。

1997年作。LAのグループです。
オールドスクールヒップホップを2000年代に蘇らせたグループです。

チャーリー・ツナのドスの効いたラップとカット・ケミストの作るトラックが魅力です。
私見では、カット・ケミストは、2000年代のディケイドでは最高のビートメイカーじゃないかと思います。

さて、ワイルド・スタイルにみられるようなオールド・スクールの名曲の音源は、なかなか得るのが難しい。

例えば、Grand Wizzard Theodore and The Fantastic 5の音源なんてのは、こんな感じでテープでしか聴けなかったり。

くぐもってますけど、めちゃくちゃカッコいいですよね。

代わり代わりに間髪入れずシームレスにグイグイ進軍するファンタスティック5のラップ。フックではユニゾン。
セレクションが最高にファンキーなセオドアの二枚使いと荒々しいスクラッチ。セクシーとはこういうことですよ!

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こういう興奮を新しい機材と人材で今に復活させたのがジュラシック5でした。

70年代のファンクをサンプリングソースの中心にして、オールドスクールスタイルのヒップホップの魅力を見事に再現させています。

再現だからオリジナリティがないという見方もありますが、劣化させずに現代版にアップデートさせる、というのは非常にクリエイティブな行為だと思います。伝統の価値や魅力をそのままにモダナイズする。

有名曲の2枚使いなんて、権利の壁で発売できない。そういうハードルがある中で、当時のような熱量を伝えるってのは、偉大な事業です。

どんなアーティストでも1から全て作るわけではないでしょう。やはり過去の誰かの等価的な存在なのではないでしょうか。大げさに言うと前世とか襲名みたいな。噺家の〇代目桂○○みたいな。歌舞伎の五代目中村勘三郎とか。

そうか、言ってしまえば、カットケミストは、ヒップホップ界のダライラマ14世みたいなもんなんですよ。グランドウィザード・セオドアが13世だと考えて。

オールド・スクール・リバイバルは、今後もまた必ず来ると思っています。
ヒップホップの新しいスタイルが行き詰った時には、必ず帰る場所だと思います。10年とか20年おきに新世代に再発見される文化だと思います。オアシスがビートルズを参照するように。劇団ひとりが北野武を参照するように。

ヒップホップというジャンルがある限り、この根は絶えることはないはずです。

頂けるなら音楽ストリーミングサービスの費用に充てたいと思います。