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チボ・マット「ビバ!ラ・ウーマン」
今回の音楽レビューは、チボ・マットの「Viva! La Woman」(1996)です!
チボ・マットはニューヨークを拠点とした日本人女性2人組。ユカ・ホンダとミホ・ハットリがメンバーで、ラップをしています。これはミッチェル・フルーム&チャド・ブレイク(Crowded House,Los Lobos)がプロデュースしたデビューアルバムです。
面白いアルバムです。リリックも食べ物のことばっかり。1曲目リンゴ、2曲目ビーフジャーキー、3曲目砂糖水、4曲目ホワイトペッパーアイスクリーム、5曲目バースデイケーキ。良い曲揃ってます。
このアルバムは、もう一つポイントがあります。発表当時のニューヨーク・ヒップホップ・シーンとの関係です。
ア・トライブ・コールド・クエスト(ATCQ)の「ロウ・エンド・セオリー」が91年。「ミッドナイト・マローダー」が93年。「ビーツ・ライムズ・アンド・ライフ」が96年。この3枚各々でATCQは100万枚、ミリオンセラーを達成しています。言ってみれば3打席連続ホームランでしょうか。
90年代前半は彼らの全盛期でした。サンプラーでジャジーな渋いトラックを作って、そこにQ‐TIPのカラッとした声の知性的なラップが乗るという、黄金律を完成していました。「トライブ最高だぜ~!」っていっているBボーイが、宇田川町のマンハッタン・レコーズに沢山いました。
そんな空気の中で、チボ・マットはデビュー。95年にバースデイ・ケーキとノウ・ユア・チキンの2曲をシングルとして発表します。
この「ノウ・ユア・チキン」という曲が、曲者なんです。
前にリンクしたトライブのユーチューブ動画2曲と聴き比べてみてください!彼女らの曲のビートイントロが、ほとんどトライブなんですよ!!みんなこのイントロを聴いて、反射的にQ‐TIPの声を期待したはず!
そこにいきなり、日本人女性のラップが飛び込んでくる!これはインパクトあります!
しかもライムも暗に子供を食べてしまうという、シュールで面白気味悪い曲です笑 もしかしたら、ライムもトライブの引用とかあるかもしれません。
96年にはデフ・ジャムからフォクシー・ブラウンなんかの女性ラッパーもデビューしてますから、アフリカン・アメリカンの女性ラッパーはもうそれほど珍しくはなかったはず。
でも、英語でラップした日本人女性は初めてだったと思います。この曲は、そういうセンセーショナルな一曲だったと思います。
推しのアルバムです。
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