VRChatフォトギャラリー『正方形に納まる世界展』感想 これは私にとっての一筋の光かもしれない――

私のVRChatのフレンド(とはいっても恐れ多くて私から会いに行ったことはあまりない)の、バーチャルフォトグラファーtakakongさん(以下、たかこさん)の作成したフォトギャラリーがVRChat上にオープンしたということで、昨日訪問してきた。

昨日はパブリックでなんかすごいフォトグラファーとかVRChatシンガーとかがたくさんいる中で緊張しつつ作品を見たり本人にお話を聞いたりしたが、本日は改めて一人でじっくり作品を鑑賞してきた。

このギャラリーを観て、私は率直に素晴らしいので皆に観てほしいと思ったのと、Xに直接書くのもなんだかなぁという自分自身の思いを残しておきたかったので、今日は珍しくnoteを書いてみることにした。

暇で暇でどうしようもなくなったら読んでみてほしい。
暇じゃなくてもぜひ、『正方形に納まる世界展』のワールドは覗いてみてほしいと思う。

入口にあるタイトル。シンプルでオシャレだ。

さて、この写真展の紹介をしよう。
テーマはまさにタイトル通り『正方形』。
たかこさんは自身のことをXのプロフィールでVirtual Square Photographerと名乗っており、主にスクエア写真を撮る事が多い人物である。
(スクエア写真とは、アスペクト比が1:1、つまり正方形な写真のこと。
 Instagramなどで馴染みがある方も多いのではないだろうか)
そんな彼が撮影してきたスクエア写真の世界を覗くことができるのが、この写真展ということになる。

シンプルな内装で、写真に集中できるつくり。
こういう案内板みたいなものが、写真展に来たワクワクを感じさせるのだ
ラウンジのようなものもある。
実際、本人在廊時はここで談笑している姿が見られた

ワールドに入ってギャラリーを見渡してみると、モノトーンでシンプルな内装が目を引く。非常にシンプルかつスマートでオシャレな空間だ。
そして動画プレイヤーからはヨルシカのアレンジが鳴り響く。
居心地がとても良く、心を落ち着かせて写真を鑑賞することができる。
休憩出来る場所もいくつかあるので、一通り見て回ったあとにフレンドと感想を喋り合うのも良いと思う。
そういうわけで、実際にギャラリー内部を覗いてみる。

スクエア写真がずらりと並ぶ。すべて真四角で、とても美しい。
(スクエア以外の展示も一部ある)
この並べ方にはセンスを感じた。
展示は一部屋ではなく、別の部屋にもある。
外に出ることもできる。これは外から中を見たときの図。やはり美しい。
リアル写真の展示コーナーも。こういう街角スナップは大好物である
フレンドの写真を展示しているスペースもあった。
全員スクエアの中に写真を何枚か収めるような感じで展示してあったが、
こちらも実力派フォトグラファーばかりでとても良い展示だった。

ギャラリーはいくつかの部屋に別れており、そこにスクエアの写真がずらりと並ぶ。スクエア写真は複数並んだときの見栄えが非常によく、本当に美しく仕上がっていると感じた。
なお、スクエア以外の写真もいくつかあったが、不思議とスクエア写真ばかりの空間でも浮いて見えることはなかった。
また、リアル写真やフレンドの写真の展示コーナーもあり、そういう点でも楽しませる工夫がされていたように思う。
なお、写真にはタイトルと撮影に使ったカメラ(たとえばバーチャルならIntegralとか、VirtualLens2とか、リアルならE-M1とか)の情報が添えられているが、この表示も凄くお洒落だと感じた。
こういうシンプルなデザインがとても好物なのだ。
(なおこのレイアウト・デザインは本人のオリジナルだそうだ)

そうやって、作品を見ていってみる。
以下、私のお気に入りだった作品をいくつか載せてみよう。
(本当はもっとあるけど、ほらここに全部載せるより実際に見に行ってほしいので……)

「夜の街」。
ブレがとっても写実的で、私が生きている東京の一瞬を彷彿とさせる
「汽車」。
力強く走る汽車と空と雪の綺麗さに圧倒された。
大好きだった一枚。
「放課後」。
写真のアバターたちは、まさに現実で生きているように見えた

さて、こうして一通り作品を眺め終わったあとの私の感想も残しておこう。
一言で言えば、「強い感動と悔しさを覚えた」。コレに尽きる。
私は普段スクエア写真を撮らないが、16:9や3:2といったよく使われる比率よりも見える「窓」はぐっと狭くなるという印象があった。
そんな狭い覗き窓に映し出される様々な風景は、眩しくて、エモーショナルで、美しくて、カッコよくて、そしてその先でアバターたちが生きているように思えた。
狭い窓からこんなに生き生きとした世界が見えた感動と、今の自分の実力とセンスではこれらを撮影することができないという現実の悔しさを感じずにいられなかったのだ。
裏を返せばそれだけ素晴らしい写真たちであるということである。

これは私事ではあるのだが、新進気鋭のフォトグラファーさんがどんどん自分のスタイルを確立させて活躍していく中、自分自身はそれらを必死で追いかけようとして「自分の撮りたい写真」というのを完全に見失ってしまい、モチベーションが保てない状態になってスランプになりかけていたように思う。
完全に迷子になってしまっていたのだ。

しかしながら、この写真展を見て、この「リアルな空気感を切り取ったような描写」に私ははっと息をのんで、そして気付かされたのである。
「あ、そうか。やっぱり自分ってこういう写真が好きなんだ」、と。
バシッと決めたスタジオポートレートみたいなのももちろん良いのだが、
自分は自然体で生きる人間たちの姿や街の動きが表現されているのが一番すきだ。リアルフォトも然り。

……これは、もしかしたら、この写真展は、
写真に迷っている自分に射す一筋の光になるかもしれないな、と感じた。

今後の写真に、この写真展からなにかを活かせたらいいな、と思う。

そんなわけで最後は自分語りになってしまったが、本当に素敵な写真たちがずらりと並ぶワールドなので是非見に行ってみてほしい。

きっとスクエア写真が好きになるはずだ。

ワールド情報
正方形に納まる世界、photo gallery -takakong- by takakong
https://vrchat.com/home/world/wrld_1177972c-e9a0-4582-931e-220df1ac21f1/info

作者情報
takakongさん
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