◆マップ「ニンジャの酒場」
スプレッドシートによるマップはこちら (上の写真はイメージ図)
◆1:シナリオの構成
本シナリオは選択するテンプレートによって様々な展開を辿るが、どのような展開になるにせよ原則として以下のようなシーン構成となる。(三幕構成を参考のこと)
PCのロールや展開によって途中をスキップしてもよい。
◆2:シナリオの舞台・状況の決定
シナリオ作成前に、前提となる以下の「舞台と状況」を決定する。
(1)PCの【目的】を決定する。
PCはなぜその酒場を訪れたのかを決定する。D6でランダムに決めてもいいし、使いやすそうなものを選んでもいい(出目が低いものほどロールは簡単になる)
出目:目的
(2)酒場の状況を決める。
PCの【目的】が決まったら次に酒場の状況を決める。例えば酒場が完全に【ボス】の根城となっており、店員や客が全員敵になっている状況もあれば、PC行きつけの酒場に【ボス】がノコノコやってきた場合もあるだろう。
NMはここで決めた状況を元に酒場の状況やNPCの言動を描写すること。
D6でランダムに決めてもいいし、手順1で決めた【PCの目的】を元にマッチするものを選んでもいい。
出目:状況
(3)【ボス】ニンジャとその取り巻きを決定する。
PCの目的と酒場の状況が決まると、だいたいボスの姿もおぼろげながら見えてきたことだろう。
ボスがどの勢力に属しているかについてはPCの設定と先ほど決めた【目的】に合わせて決めることをお勧めするが、【勢力】と【出現パターン】を2D6を振って決めても良い。
ボスのステータスについては、セッションの目的や状況、PCの強さや人数によりあらゆるボスが存在しうるため、ここでは決め方を明確には書かずに参考資料を記載する。
◆3シナリオを作成する。
◆2で決めた「舞台と状況」を元にして、以下の手順でシナリオを作成する。もちろん舞台や状況、セッション時のロール次第で不要と思ったシーンは適宜省略して良い。
また、「セッションを通して何がやりたいか」をPCとよく話し合ってから作るとシナリオ作りはスムーズになる。
シナリオ構造については◆1を参考にすること。
(1)「導入」シーンの内容を決める
導入:ある【目的】を持ってPCニンジャはうらぶれた酒場を訪れる。
導入についてはいまさら特に決める必要はない。全て◆2の「舞台と状況」で決定しているからだ。PCが酒場の扉を開いたら、「舞台と状況」で決めたとおりに描写をする。
(2)「戦闘1」シーンの内容を決める
戦闘1:PCは酔客やごろつきに絡まれ、有無を言わさず戦闘となる。
入店したPCはその振る舞いに関わらず入店後間もなく戦闘となる。
シチュエーションは◆2で決めた「舞台と状況」を元にマッチするものを選ぶと良いが、慣れないうちはD6でランダムに決めてもいい。
この時の敵はクローンヤクザ程度の敵1~5人程度で戦闘も1~2ターンで終わるように調整すると良い。
戦闘後はカラテを見せつけたPCを店内は畏敬の目で見る。あるいは【ボス】に敵対する存在として殺気立つ。 戦闘後はカラテを見せつけたPCを店内は畏敬の目で見る。あるいは【ボス】に敵対する存在として殺気立つ。
出目:状況
(3)「会話」シーンの内容を決める。
会話:カラテを見せつけたPCは【目的】を果たすために周囲に聞き込みや調査、あるいは脅迫を行う。PCは【目的】につながるなんらかのヒントを見出す。
【目的】を達成するためにPCはNPCと会話し、聞き込み等を行う。
NMは会話内容をあらかじめ決めておくより、PCのロールや発言に合わせ、「舞台と状況」や、後で決める「戦闘2」や「ボス戦の内容」を元に、適宜ボスの居場所を開示したり、「戦闘2」シーンに移行してあげると良い。
もしPCが黙ってしまう場合は、先程の「戦闘1」を引き合いに出してNMの方から話を振ってあげること。
(4)「戦闘2」シーンの内容を決める。
戦闘2:PCの【目的】が不都合な【ボス】の部下達がPCに襲いかかってくる。
「会話」シーンである程度のロールが済んだら、ボスの部下を唐突に登場させる。彼らは「会話」シーンでPCの【目的】を横耳で聞いており、それを阻止しようと明確にPCを害意をもって襲いかかってきたのだ。
【ボス】が一匹狼だったり孤立無援であるなど、部下がいることに違和感がある設定の場合は「第三勢力」ということにすると良い。彼らは全く別の理由からPCを狙う刺客かもしれないし、PCと同じ目的でボスを狙う競争相手かもしれないし、突如排水溝から現れたホワイトバイオワニかもしれない。(ただしできればシナリオに絡んだ方が印象深いセッションとなるだろう)
敵が登場するシチュエーションは◆2で決めた「舞台と状況」を元にマッチするものを選ぶと良いが、慣れない内はD4でランダムに決めてもいい。
なお、敵の内容は◆2でボスの取り巻きを決めた時と同じ感覚で、おおむね2~4ターンで苦戦することなく倒せる程度の戦力に設定するのが良い。PCが強ければニンジャや戦闘兵器を混ぜ込んでしまうのが良いだろう。
出目:状況
(5)「ボス戦」シーンの内容を決める。
ボス戦:【ボス】であるニンジャがPCに襲いかかる。
「戦闘2」が終了したらもはや店員達と会話等をさせず、なるべく速やかに「ボス戦」シーンに移行する。これはPCの集中を切らずシナリオを盛り上げるテクニックであり、時短のためでもある。
ボスと取り巻きの性能は◆2で決めた「舞台と状況」のとおりである。
敵が登場するシチュエーションは◆2で決めた「舞台と状況」を元にマッチするものを選ぶと良いが、慣れない内はD3でランダムに決めてもいい。ダイス結果が先に決めた状況とマッチしない場合は振り直すといいだろう。
出目:状況
(6)「終局」シーンの内容を決める。
終局 :【ボス】を片付けたPCは目的を達し、酒場から去っていく。
【ボス】を倒したらPCは【目的】を達成しているはずだ。PCは酒場に残っているNPC(生き残っていたら)と一言二言会話を交わすと、酒場を去っていきセッションは終了となる。
PCが次にどこへ行くかは誰も知らない。彼はニンジャ、闇に生きる存在だからだ。
◆4 シナリオ作成例
(1)シナリオの舞台・状況の決定
・PCの目的
ダイス出目3:賞金首ニンジャである【ボス】を求めて訪れた。
・酒場の状況
ダイス出目2:酒場は無慈悲な暴力により【ボス】の手に落ちている。
・【ボス】ニンジャとその取り巻き
思い浮かばないので後で決定することにする。
(2)シナリオを作成する
・「導入」シーン
PCは賞金首ニンジャである【ボス】を求めて酒場に訪れた。
酒場は【ボス】の無慈悲な暴力で支配され、元いた店員や客は【ボス】の部下達によって奴隷化されている。(「舞台と状況」そのまま)
・「戦闘1」シーン
ダイス出目5:カウンターで注文していたら「【ボス】の部下」に絡まれる。
・「会話」シーン
「戦闘1」で【ボス】の部下を一蹴したPCに助けを求めてくる奴隷化されていた店員や一般客(「舞台と状況」から作成)
・「戦闘2」シーン
ダイス出目1:店員も客も全て【ボス】の部下だった!
→「舞台と状況」と合わせ、【ボス】はモータルを奴隷化する能力の持ち主と思われる。【ボス】をヤルキ・ジツ(モータル奴隷化)使いのニンジャに決定
→「会話」で助けを求めてくるも、【ボス】のジツで全員奴隷化されPCに襲いかかってくるモータル達という展開を作成
・「ボス戦」シーン
ボスの能力のゲスさや「舞台と状況」と合わせ、「2:【ボス】は店のどこかに潜んでおり、PCに奇襲をしかける。」が最適と判断。
→ボスは「戦闘2」中に戦闘に乱入、奴隷化したモータルを爆弾化したり肉の盾にしながらPCを襲う
・「終局」シーン
奴隷化されたモータル及び【ボス】、【ボス】の部下を全員皆殺しにしたPCは、賞金と引き換えるための【ボス】のメンポを拾い上げると店から去っていった。夜の闇に消えたPCの行き場所は誰もわからない。(これまでの展開から作成)
(3)完成したシナリオ(例)
あとはこれがPCのロールによってどう変わるかはセッション本番のお楽しみ!