3000m級登山(前編) 〜北アルプスとは?
※「廊下は走るな!」プロジェクトの続きになります。
初日の行程を終え、宴会しながら翌日の行程を話していた。
当初は立山三山の縦走の予定だったが、それは雷鳥沢キャンプ場を起点とした話。
一度大町に降りたからには朝イチで扇沢から室堂まで電気バス等で1時間ほどかけて移動しなければならず、その始発も6:30頃まで出発しないので結局室堂をスタートできるのは8:00頃になる。コレで立山三山を縦走したら、ワントラブルで終バスに間に合わなくなる。そうすれば友人はもうテントすら持って来てないし、室堂の宿も空いてないし、完全に詰む状態。
エスケープすらままならないルートでは厳しいと言う事で、少しルートは再考した。
雄山もカットするか?と言われたが、3000mを体験したいオレは何とかそれはルートに組み込みたい。
そんなところでザッとルートを決めた。
室堂約2400mから浄土山2831m、龍王岳2872mから一の越山荘に一度降り、雄山3003mに登ると言うもの。時間があればみくりが池を見に行こう、と言う計画。
朝イチで電気バスに乗り、ケーブルの黒部湖までの600mを競歩選手並の早歩きでケーブル始発を勝ち取る。
ケーブルを降りたら次はロープウェイ。動き出して大観峰の景色が視界に広がった瞬間、車内が「おおー」と言う歓声に包まれる見事な紅葉。
ロープウェイの次は日本で唯一のトロリーバス。
室堂に到着。
活動を開始。
朝はほぼ無風でみくりが池がほぼ波立っておらず、鏡のように立山連峰を写しているようだったが、時間的余裕が読めなかったので、スルーして反対側に向けてスタート。歩き難い石畳を20分ほど歩いたところでひと通り体が温まったら衣類の調整をして再スタート。見たことのない2500mの世界。
ずっと室堂が見えてるのが不思議だが、どんどん小さくなる。
ハイマツなんて見たことのないものを眺めながら淡々と登る。
ココで性善説に従い、ザックを置いて龍王岳へ。バエポイントで記念撮影(笑)
ここらから昨日の影響か、膝に痛みが出始め、真っ直ぐ降りれなくなる。が、騙し騙し何とか一の越山荘に向けて降りていく。
本当は雄山まで登って3000mで昼飯と行きたかったが、一の越山荘で既に昼。だが、ぶっちゃけザックを下ろして湯を沸かすことすら面倒くさい。すると一の越山荘からカップラーメンを持って出てくる人が目に入る。これは…もしや?
一の越山荘に入り、メニューを見る。カップラーメンは600円だ。「コレってお湯も頂けるんですか?」と聞くと「ありますよー」との事。買わない手はない。ココで手を抜けるなんて最高だ。
そしてズルズル食ってくると、何とゴミを預けに行く人がいる…!まさかゴミまで引き取ってくれるのか?!
食い終わりおずおずと「あの、ゴミも引き取ってもらえるんでしょうか…」と聞くと「はい、頂きます」とのお返事。
安い。コレで600円は安過ぎる!と金銭感覚だけは3000m級に太っ腹になったところで雄山へ3000mチャレンジ。膝も傷めてるし、かなり急登だが、まあゆっくり登れば何と言う事はない。
若い子に抜かされながらも、一歩一歩しっかりと、それでいて馬鹿話で気を紛らわせながら登る。
コレで人生初の3000mを達成。酸素が薄く確かに息は荒れ気味になるが、特に高山病の兆候も無く、問題なし。折角の高度計をホテルに忘れてきたことを除けば、特に問題なくあっさりと北アルプスの3000mを達成してしまった。
オレが長年、畏敬の念を抱いてきた北アルプスってこんなもん?正直、物足りなさを感じていたオレに、実は密かに、じわじわと北アルプスの脅威が迫っていた。
-続-
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