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近鉄ATSについて
近鉄型ATSとは
速度照査機能を持つ近鉄独自のATSです。
近鉄型ATSは、近鉄の東大阪線・鋼索線・ロープウェイを除くすべての近鉄路線に設置されています。
・0,30,45,65km/hの速度で車上にて連続速度照査を行います。 ・上記の速度以外で照査を行う場合は地上速度照査方式になります。 (2つの地上子間の列車通過時間で速度照査を行う) ・照査速度を超えた場合は即座に非常ブレーキが動作する。 ・地上子は信号機用の他に、速度制限用、駅停車用、誤出発防止用などが存在する。
という特徴を持ちます。
地上子の名称
信号機から50m、100m、200m手前に地上子が設置されます。手前から順に「A点」「B点」「C点」と呼ばれます。
信号現示とそれぞれの地上子が出す信号
進行現示の場合は「C点・B点・A点」における速度照査はありません。 注意現示の場合は「C点・B点」では速度照査はありません。「A点」では65キロの速度照査があります 停止現示の場合は「C点」では45キロの速度照査、「B点」では30キロの速度照査、「A点」では0キロの速度照査であり超えると非常ブレーキが動作します 速度照査が発生する地上子を通過すると次の地上子を通過するまで速度監視を続けます。「照査なし」信号を受信した列車は、それまでの照査が解除されます。
速度制限用ATS
急カーブ等で安全な走行をするために制限速度が厳しい場所に設置されます
2種類の方法で速度照査を行います。
一つ目はトランスポンダを利用して速度照査を行う 車上にて速度照査を行います。速度制限開始手前に照査速度を発信する地上子があります。地上子を通過した瞬間から次の速度制限までのパターンを生成し速度を制限解除まで監視します。パターン速度、制限速度を5キロ上回ると非常ブレーキが動作します。
二つ目は地上子の通過時間で速度照査を行う 地上子を速度制限手前に2つ1組で設置して列車がその地上子を通過する時間を計測して速度オーバーした(指定時間より早く通過)した場合は非常ブレーキが動作し制限区間までに停車できます。
駅停車用ATS
主に出発信号機の無い駅で停車列車が通過したりオーバーランを防ぐために設置されています。
地上子とトランスポンダにより制御されています。 駅手前に65キロの速度照査、駅中ほどで45キロの速度照査があります トランスポンダの速度照査の場合はパターン制御となるので、停目までに停車できないと判断された場合は非常ブレーキが動作します。 両方の利点を生かしてオーバーラン、誤通過を防いでいます。 (パターンに当たらない低速で駅を通過した場合の動作についてはわかりません)