2022年春アニメ
2022年の春アニメをまとめる。
パリピ孔明
「孔明が現代の渋谷に転生してくる」設定で”イロモノ”かと思われたが、蓋を開けてみると王道のサクセスストーリーで気持ちよく見ることができた。「人事を尽くして天命を待つ」ように、あらゆる準備を整えた上でEIKOの歌にすべてを賭ける点にロマンを感じた。
CUE!
私は、日本のアニメが大好き。
であいもん
やはり創造上の京都は素晴らしい街だ(発注詐欺やネット特定など陰湿な部分も多かったが)。子供たちの在り方に比べて大人たちの生き方が”雑”だと感じられたが、これは地域のコミュニティという精神的セーフティーネットによるものだろうか。
RPG不動産
中盤で大きな謎が提示され、それを軸に物語が進んでいく構成が視聴感に貢献していた。クライアントの固定観念を取り払って物件を提案する流れは「吉祥寺だけが住みたい街ですか?」を彷彿とさせる。ファーがいないと亜人相手の商売ができない点はビジネスモデルの欠陥といえるだろう。不動産業を題材とした作品の終わりが"引っ越し"なのは綺麗な循環といえる(始まりと終わりが呼応している作品に弱い)。
ヒーラー・ガール
疑似医学・オカルト・ヤバめの宗教、その類と見られる(作中の人物の大半もおそらくそう思っている)”音声医学(ヒーリング)”、話によっては半分以上を占めるミュージカル演出など人を選ぶアニメであったが、その分見たことのないものが見られる良い視聴体験となった。問題を解決するところではちゃんと”話す”のは誠実さの表れと思える。
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(第2期)
友人をストーキングする女、自分の旅行企画に「ワンダー」とつける女、特にメンバーに打診もなく12曲も作る女など狂人たちのサーカスが繰り広げられた。いろいろあったような気もするが、12話の近江彼方(クソデカ書道、「これはあげないよ!?(要らねえよ)」、妹に対する彼氏面など)ですべて消し飛んだ。ミア・テイラーはおそらくビリー・アイリッシュが元ネタだが、すでに毛先に緑色を入れた子がいるのでややこしい。
まちカドまぞく 2丁目
画面がさほど動かなくても、演出でアニメは面白くできるのだと感じた(「てーきゅう」のときも同じことを思った)。白澤店長が渋いイケボで笑ってしまう(「リコくん」の言い方でほとんどの感情を表現できるのはさすがといえる)。核心に迫る謎がいろいろ明かされたが、話が進んでいないように感じる。3期があるってこと?
デート・ア・ライブⅣ
1期からずっと見ているという感慨も相俟って、もう何が起こっても面白いと感じるフェイズに突入している。やはりデアラの主人公は彼女だった、としみじみ思う。コミケで同人誌を作ったり複数人同時デート対決をしたりバレンタインデーにチョコレートを作ったりと、1期の頃に深夜アニメを見始めた人(ポリティカル・コレクトネス)向けのレトロな展開・演出も筋が通っていて好感が持てる。
サマータイムレンダ(第1クール)
離島!ミステリー!スク水!日焼け跡!オカルト!ループ!のように、(僕は体験していないが)往時のPCゲームを思わせる要素と設定を現代的にアップデートしてスタイリッシュに描いている。本筋の話も面白く毎週あっという間に終わってしまう(「体感5秒」ってやつ)が、シリアス一辺倒にならずにパンツの色で日時を分析したりカレーを作って事象を俯瞰したりと緩急があるのも視聴感を高めている。第2クールも楽しみだ。
エスタブライフ グレイトエスケープ
話題になっていたので後から見た。システムから逸脱する存在をシステムに織り込む点、またシステムの運営者がシステム自体から逃れようとする点に「逃げられなさ」を感じた。結局のところ自分からは逃れられないので、居場所を探し続けるしかないのかもしれない(それらがすべて幻想だとしても)。
BIRDIE WING -Golf Girls' Story-
これも話題になっていたので後から見た。「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」を見たときと同じ、アニメに殴られたような気分になった。あそこでクリフハンガーにするのは視聴者を信じすぎだ(このジェットコースターに13話乗り続けている視聴者/「頭バーディーウィング」なら当然次のジェットコースターにも乗るわけだが)。第2クールで裏の人たちがどう関わってくるのか楽しみでもある。
総評
今期は比較的たくさんアニメを見た。普段ならあまり見ないようなアニメにも手を伸ばせて全盛期の勢いを取り戻しつつある。
来期はリコリス・リコイルに注目したい。各種要素が爆死しそうでちょっと怖いけど……。