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2024年夏アニメ
「教えてくれ。私は機械か?人間か?英雄か?それとも犯罪者か?」
「私には判定できない」
「そうか。それなら、君は私の助けにはならない」
2024年の夏アニメをまとめる。
異世界スーサイド・スクワッド
(クレイフェイスが言うように)日本で大人気の「イセカイ」を舞台に選んだのはキャッチーだが、元々超能力が飛び交う世界観なのでそれほど絵面に新鮮味がないのは残念だった。また、必ずしも物語にテーマが必要なわけではないが、”ザ”と比較してテーマ性に乏しい気もした——他国間の戦争に割り込んで資源を得ようとするという建て付けは”アメリカ”そのものかもしれないが。お姫様とハーレイの顔が似ていたのはマルチバースの自分だから?
しかのこのこのここしたんたん
異様な絵面とメタ発言が連発される、”アニメコインの賭け甲斐”がある作品だったのではないだろうか。実写の鹿が出てくる描写に「ノラとと」を思い出した人も多いだろう(あれはヤギだが)。確かに面白くないギャグも多かったが、「自分は深夜アニメを見ている」という気持ちに強くさせられたのは悪くなかった。ナレーションはいらなかったかもしれない——テロップで出してくれるだけでいい。対象の年齢層が高すぎるパロディには苦笑させられた。
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— 『しかのこのこのここしたんたん』公式【TVアニメ7月より放送開始!】 (@shikanoko_PR) September 6, 2024
本日9月6日は #妹の日
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「ヤンデレの妹に死ぬほど愛されて眠れない虎視虎子」の
ビジュアルを公開…🔪💜
果たしてこしたんは眠れるのか…!#しかのこ#しかのこのこのここしたんたん pic.twitter.com/EIKORs1skJ
菜なれ花なれ
「応援」が表のテーマで、「リハビリ」が裏のテーマだと勝手に思って見ていた。パルクールで移動する女やウパニシャッド哲学に傾倒する面倒な女が出てきて掴みは(良くも悪くも)強かったが、要素を詰め込みすぎて全体的に中途半端になっている印象を受けた。特に後半の展開に置き去りにされた感は否めない。距離感はファンタジーだが濃厚な群馬要素や、パステルな色遣い、キャラの欠陥をフェアに描くことで立体感/現実感を出す手法は好きだった。温泉入ってから朝飯食うまでにすずしおに何があったかは明らかにならないんですか?そういう隠蔽体質がモラルハザードを引き起こしてんだよ。
真夜中ぱんチ
最近よくある動画配信者が題材の作品だが、夜だけ活動できるヴァンパイア——マイノリティのポップなメタファーとして機能する——にその役をやらせることで相互理解や演者と裏方/光と影などのテーマを自然に提示することに成功していると思う。いい話で終わりそうになると慌ててドタバタ展開を始めるのはデッドプールにも似た生真面目さを感じる。いかにも深夜アニメなOPでぶち上げて、ポエトリーリーディングのEDでチルく締めるあたりも誠実だ。また、本編だけでも問題なく楽しめるが、オプションとしてYoutubeで「まよぱんが撮って編集した」動画を配信することで作品に奥行きを与えている。茅野愛衣さんの「素人のナレーションの演技」が上手すぎてびっくりした。
NINJA KAMUI
いや、ニンジャスレイヤーだろ?ニンジャの復讐の話ではあるのだが、マイクとエマのウェイトが高いと思う。いいですよね、ベテランのデカと生意気な新人の組み合わせ(「セブン」や「トレーニング デイ」など残念な結末に終わる例もあるが)……。ニンジャからニンジャでない者に思いが受け継がれる、ここで結論が出ていたのだと思う。
ATRI-My Dear Moments-
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身体と心に傷を負った少年が萌え萌えヒューマノイドとひと夏の交流/セラピーを通して立ち直る……というような単純な話ではなかったようだ。萌え萌えヒューマノイドの”イミテーション”が判明したときは、ミナ・フリューレが真実薬を飲んで抑圧されていた本音をブチ撒けたときのような衝撃を受けた。しかし、負けヒロイン神白水菜萌さんが述べたように、(それこそ、ギャルゲーのヒロインのように)相手が喜ぶように言動を調整することは人間が誰しもやっていることであり(皆さんはやっていないかもしれませんが)、それを含めて独自の関係性を築いていけるか、なのかもしれない。最後のほうは「インターステラー」「三体Ⅲ」みたいな展開になってしまい、ついていけなかったところはある。重い描写はありつつも過度な湿っぽさはなく、全体として雰囲気とキャラに好感が持てたので、ひと夏の経験としては悪くなかった。OPとEDはなんとかならなかったんですか?
〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン(第1クール)
物語シリーズでは各エピソードの終わりに「後日談。というか、今回のオチ」として後日談が述べられるが、今回は文字通りの後日談である。熱心なファンというわけではないが、ずっと作品を追ってきた身としては、「過去の恋に決着をつける」という、モチーフとして繰り返されるイニシエーションを通過した千石撫子の成長に感動さえ覚えてしまった——阿良々木さん他のキャラが成長しない分、余計に。これまでの作品群と比較してかなり親切な演出になっているのはありがたいが、新規のお客様ってどれくらい来るんだろう?
Coming Soon…
「精霊幻想記」を予習したので楽しみにしている。あとは「甘神さんちの縁結び」だろうか(これ”てんぷる”だろ?)。