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2024年秋映画

お前はどの種類のアメリカ人なんだよ

取材旅行の昼

2024年秋に見た映画をまとめる。


ヴェノム:ザ・ラストダンス

タイトル通り大暴れの完結編であったものの、トキシンの伏線が雑に回収されたりそれぞれのシーンが要素としてしか配置されていなかったりと投げやりな感じが目立った。SSUのラスボス——MCUにおけるサノス——が登場したものの、SSU自体が打ち切りのようなので彼は宇宙のどこかに囚われたままだろう。

シビル・ウォー アメリカ最後の日

なぜ内戦/分断が起こっているのかが説明されないのは不気味さを増幅させるが、この映画が戦争についての映画”ではない”ことも示唆しているように思う。よくわからない敵とよくわからないまま戦うことの空虚さ、それをカメラ(”一線”)を通して記録/発信することに取り憑かれる恐怖を静かなタッチで描いている(シーンごとに挟まれる陽気なロックがより不気味だ)。最後に想い(呪い)が継承されること、また同じことが繰り返されるのではないかという示唆がガーランド作品らしい(そういえば、「エクス・マキナ」を見たことを思い出した)。

クレイヴン・ザ・ハンター

マッチョすぎる親父——ラッセル・クロウはこういう役が似合う——の支配に抗い暴力的に乗り越える兄の活躍を描いているが、その一方で父や外敵から愛する弟を(無意識に)守ろうとする兄の有害性も描いている点はテクニカルと言える。そもそも(事実上母を殺した)父を憎んではいるものの、姓のもじりを名乗ったり(Kravinoff→Kraven)、父が遺したコートを纏ったりと、悪影響からは逃れられておらず、これも呪いといえる。カメレオンの登場など気になる部分は多いが、SSU自体が打ち切りのようなので(略)。

インターステラー(IMAX再上映)

10年前劇場で見られなかったので、この機会にIMAXで見た(細部を覚えていなかったのもある)。圧倒的な映像美で科学考証に基づいた——キップ・ソーンは公開の3年後にノーベル賞を受賞している——冷たくて残酷な宇宙が表現され、やはりIMAXで見るべき映画だと思った。極限状況の中で人間の本質が暴き出されるのも作品に奥行きを与えている(あなたがマン博士と同じ状況に置かれたら?)。スケールは極大だが、最後は父と娘——”愛”——の話に帰結させるのも改めて良い(若干弟が不憫な気もするが)。

Coming Soon…

「ビーキーパー」「教皇選挙」などもあるが、やはり満を持しての「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」だろう。


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