【ウマ娘】1999年度JRA賞年度代表馬について

※メインストーリー最終章後編のネタバレ、隠し要素のネタバレが含まれます。
※可能な限り中立的に書くつもりですが、書いてるやつはグラスワンダー推しです。


IFストーリーについて史実と解説

 ウマ娘のメインストーリー最終章後編では、有馬記念でのレースで特定の条件を満たすと、史実では写真判定の末、グラスワンダーが勝利し、グランプリ三連覇となった状態から、スペシャルウィークが勝利したIFストーリーへと変化し、その後の話が進みます。

 そして、そこで表彰されたスペシャルウィークが特別な衣装(配布キャラ)をもらって、アプリで登場している黄金世代全員でのドリームレースを示唆する内容が描かれて終了します。
(別記事で書く予定ですが、黄金世代という呼び名は別にアプリの6人だけではありません)

 で、この表彰の元ネタというのが、表題になっている【1999年度JRA賞年度代表馬】です。
JRA賞は中央競馬の年度代表馬を選出する部門。
年度代表馬とは年間でもっとも活躍した競走馬。
簡単に言えば中央競馬の年間MVP賞です。

 なお、大体毎年満場一致、全員納得という結果には当然ならず、年度によっては今でも論争の火種として燃え盛ることの多い危険物です。

……ここまで聞いて、想像力の足りている方はお察しでしょう。

そう、この1999年度JRA賞年度代表馬は今でも根深く話題となり、またこの年以降の年度代表馬の選出の際にも度々掘り起こされてはまた時に燃え盛るという負のマグマみたいな存在なんです。

賛否はともかく史実の1999年度JRA賞年度代表馬

まあ、とりあえず史実での結果を最初に書きます。

1999年度JRA賞年度代表馬 エルコンドルパサー
特別賞 スペシャルウィーク
特別賞 グラスワンダー


三頭の大きな記録評価

上記の結果を見て、この3頭がどのような結果を残してきたかの足跡を辿っていきましょう。
(ちなみに年度代表馬はあくまでもその時の活躍です。
例えば、スペシャルウィークはダービーで勝利していますが、ダービーは1998年の活躍なので評価には含まれません)

エルコンドルパサー
 5月 イスパーン賞(フランスG1)2着
 7月 サンクルー大賞(フランスG1)1着
 9月 フォワ賞(フランスG2)1着
 10月 凱旋門賞(フランスG1)2着

 G1 1着 1回 2着 2回
 G2 1着 1回

スペシャルウィーク
 1月 アメリカンJC(G2) 1着
 3月 阪神大賞典(G2) 1着
 5月 天皇賞(春)(G1)1着
 7月 宝塚記念(G1) 2着
 10月 京都大賞典(G2)7着
 10月 天皇賞(秋)(G1) 1着
 11月 ジャパンC(G1) 1着
 12月 有馬記念(G1) 2着

 G1 1着 3回 2着 2回
 G2 1着 2回 7着 1回
特記事項:
天皇賞春秋連覇
11月のジャパンCにて凱旋門賞でエルコンドルパサーに勝利したフランス馬「モンジュー」に勝利した。

グラスワンダー
 5月 京王杯スプリングC(G2) 1着 
 6月 安田記念(G1) 2着
 7月 宝塚記念(G1) 1着
 10月 毎日王冠(G2) 1着
 12月 有馬記念(G1) 1着

G1 1着 2回 2着 1回
G2 1着 2回
特記事項:春秋グランプリ連覇(宝塚記念、有馬記念)
また、その両レースでスペシャルウィークに勝利している。

三つ巴な意見

さて、上記の結果を元に、1999年度の年度代表馬については様々な意見があります。
特にスペシャルウィークこそが年度代表馬という意見が多いです。

そういう意見が飛び交う根拠はいくつかありますが、有名なのは、スペシャルウィークの調教師をしていた白井調教師も指摘した

・エルコンドルパサーは国内レースを走っていない。
・スペシャルウィークと直接対決をしていない。

という点です。

また、凱旋門賞馬であり、エルコンドルパサーに勝ったモンジューをジャパンCで討ち取った事も、スペシャルウィークの方が相応しいという意見を後押ししています。

グラスワンダーについては、スペシャルウィークで無いのならグラスワンダーだという消去法的な理由での意見が多いです。
その理由は

・スペシャルウィークとグランプリレースで二度直接対決をして、その両方のレースに勝利したこと。

が大きいです。

まあ、決まったことなので現在も年度代表馬と特別賞は上記のままです。

ですが、この1999年の年度代表馬エルコンドルパサーはその後も根深く話として残り、例えば「ジャスタウェイ」という馬は、2014年のワールド・サラブレッド・ランキングで日本競馬初の単独1位に格付けされた。
つまり「世界一のサラブレッド」と評価されたにも関わらず「ジェンティルドンナ」という馬が年度代表馬を獲得しています。

やっと本題のウマ娘に戻ってきます

という、未だにゴタゴタしてる史実の問題をウマ娘はIFストーリーにしたということです。

具体的には
・スペシャルウィークが有馬記念に勝利する
 秋古バ三冠(天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念)達成となる。
 グラスワンダーとの直接対決も1勝1敗と評価が上がる。

・同時にグラスワンダーが負けになる。
 グランプリ三連覇ではなく、二連覇止まり。
 スペシャルウィークとの直接対決も1勝1敗と評価が下がる。

・評価が上がった結果スペシャルウィークが年度代表馬に選ばれる。

という筋書きです。
IFなので「たられば」の話ですが、確かに、あの有馬記念でスペシャルウィークが勝利していれば、記者投票(1次)時点でスペシャルウィークが過半数を獲得し、そのまま年度代表馬だった可能性は高いと思います。

一応、最後に言っておくと、年度代表馬はその年で一番強い馬を決めるというものではありません。
また、選考基準においても投票以外は個人個人の思想の自由のため、
例えば「高速馬場環境において菊花賞や天皇賞春の成績は価値が低い」
とか「凱旋門賞に挑戦さえすればとりあえずその馬に投票する」という記者が居ないとは言い切れませんし、居るのは自由です。
(公平性、平等性で決めるならデータで決めるだけでいいので)

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一つだけ愚痴を言わせてもらうとグラスワンダー推しとしては、ちょっとこのIFはいただけねえ(まあ、さすがにこの話題を無許可ってことはないだろうから、馬主や関係者は許可してる以上、こうしてネットの片隅で愚痴るだけしかできないのだが)
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