KNOWLEDGE WORK Dev Talk #08「新卒エンジニアが挑戦する顧客視点のプロダクト開発」 tatsuki
ナレッジワークで働くエンジニアたちのパーソナリティに迫るインタビューシリーズ、「KNOWLEDGE WORK Dev Talk」。これまでのキャリアの歩みや価値観、現在取り組んでいるプロジェクトなどについて質問していくコーナーです。
ナレッジワークのVPoE(VP of Engineering)である木村 秀夫(hidek)と一緒に、ナレッジワークのエンジニアのイネーブルメントの源泉に切り込んでいきます。
第8回目となる今回は、一人目の新卒エンジニアとしてナレッジワークに入社した中川 達貴(tatsuki) に話を聞きました。
中川 達貴 (tatsuki) / Knowledge Growth Dev Group バックエンドエンジニア
2024年、大阪府立大学工学域卒業。同年、新卒1期生として株式会社ナレッジワーク入社。ソフトウェアエンジニア職に従事。学生時代には、スタートアップ企業での長期インターンや起業を経験。
受験失敗が背中を押した「起業」の選択
ーーまず自己紹介からお願いします。
tatsuki: 初めまして、バックエンドエンジニアの中川達貴です。自分はもともと大学時代に起業していたんですが、途中からエンジニアとしてのスキルを磨きたいと考え、エンジニアに転向しました。そして複数の企業でインターンを経験し、2024年4月にナレッジワークの新卒一期生として入社しました。内定をもらった後は、ナレッジワークでも長期インターンを経験しました。今日はインタビューよろしくお願いします。
ーーということは、起業した会社ではエンジニアではなかったんですか?
tatsuki: はい。もともと大学ではシステム関連の学科に所属してはいましたが、自分でゼロからサービスを作ったような経験はありませんでした。そのため、実際に起業してサービスを立ち上げた際には、エンジニアリングの簡単な部分は自分で対応しつつ、基本的にはビジネス面を中心に担当していました。
hidek: 具体的にどういうサービスを作っていたんですか?
tatsuki: いくつかのサービスを企画したんですけど、一番最初に取り組んだのは、オンラインのボイストレーニングサービスでした。その頃はちょうど新型コロナウイルス感染症が拡大し始めた時期だったのですが、それまで音楽関連の活動をオンラインで行うというのはあまり考えられないことでした。そんな状況の中で、「オンラインでの音楽活動が広まっていくのではないか」と考え、このサービスをスタートしました。
hidek: その課題に取り組むにあたり、さまざまな選択肢があったと思いますが、その中であえて起業というハードな選択をした理由を教えていただけますか?
tatsuki: 実は、自分はもともと大学に入るまでは、受験のことしか頭になかったんです。でも結果的に、現役でも浪人でも受験に失敗してしまいました。その時に、「これだけ失敗したんだから、大学4年間、あるいは自分の人生を懸けて本気で何かを成し遂げよう」と決意したのが最初のきっかけです。
起業を選んだ理由についてですが、振り返ると、小中学生の頃に職業適性検査のようなアンケートを受ける機会が度々ありました。その結果、頻繁に出てきた職業が3つありました。それが「政治家」「起業家」「データサイエンティスト」だったんです。
特に「政治家」と「起業家」は何度も結果に出てきたので、自分にはその道が向いているのではないかと思うようになりました。また、これらの分野に対して自分自身も興味がありましたし、「いずれそういうことに挑戦するのだろう」と漠然と考えていました。それが大学で何かに全力で取り組もうと思ったきっかけとなり、起業にチャレンジすることにしたんです。
hidek: なるほど。そこでは政治家でなく起業家を選んだんですね。
tatuski: そうですね、当時は20歳でしたからそもそも立候補できる年齢ではありませんでしたね(笑)。
hidek: 起業にあたってどうやって仲間を集めたんですか?
tatsuki: 最初はさまざまなビジネスコミュニティを渡り歩きながら探しました。エンジニアについては、自分が一緒に働きたいと思える人を見つけるために、エンジニアコミュニティやイベントに積極的に参加し、多くの人と話をしました。その中で「この人と一緒に働きたい」と思う人を見つけた際には、直接アプローチして声をかけました。そうして最初に3人の創業メンバーを集めることができました。
「技術があれば変わったかも」──起業時代の挫折と未来への学び
ーー起業は本当に大変な経験だったと思うのですが、実際にやってみていかがでしたか?
tatsuki: 振り返ってみると、最高に楽しい経験でした。本当に何も分からない状態から始めたのですが、やらなければいけないことが続々と出てきて、基本的に全てを自分たち自身で対応していたため、正直混乱することが多かったです。それでも、お客様に直接お話を伺い、どんな課題を抱えているのか、どうすればそれを解決できるのかを考え、お客様から「これが嬉しい」と言っていただけた時は本当にやりがいを感じました。逆に「こんなサービス使いたくない」「お金を払いたくない」といった率直な反応もありましたが、そういった意見も自分にとってはとても興味深く、面白いと感じました。こうした経験を通じて「これからもプロダクトを作り続けていきたい」という思いを強くすることができました。
hidek: 今の話を聞く限り、経営そのものを楽しむというよりも、ものづくりの方に魅力を感じていたんですね?
tatsuki: そうですね。お客様にプロダクトを届けることや、実際に自分で作り上げる過程が、自分にとってはとても楽しい部分でした。
hidek: 経営の部分についてはどう感じましたか?やりがいは感じましたか?
tatsuki: いえ、会社がそれほど大きく成長したわけではなかったので、経営の深い経験や知識を身につけることができた、とは正直言えません。複雑な組織を構築したり、サービスの規模を拡大したりといったレベルまではやり切れませんでした。ただ、物事を全体を見る視点は大いに身についたと思っています。目の前の仕事にだけ集中するのではなく、全体のバランスを見ながら、自分がどこに関わるべきか、どうすればチーム全体がより良い方向に進むのかを常に考えるきっかけとなり、非常に学びの多い経験でした。
hidek: なるほど。チームの規模はどのくらいまでになったんですか?
tatsuki: 一番多い時で従業員が10人ほどになりました。ただし正社員だけではないですし、最初は本当に資金がない状態からのスタートだったので、ビジョンを語って仲間を募るしかありませんでした。「こういうことを一緒にやりたいんだ。でも正直、お金は払えない。それでも一緒にやらないか」という形で声をかけ、共感してくれる人たちを誘っていました。
hidek: 10人というと、ちょうど開発チーム1つ分くらいの規模ですね。最終的になぜ事業をクローズすることになったのでしょうか?
tatsuki: 主にメインで動いていたのが自分ともう一人のメンバーで、二人共ビジネス側を中心としており、プロダクトの開発は他メンバーにお願いしている状況でした。
実態として、プロダクトの成長が他メンバーたちの稼働状況に完全に依存してしまっており、開発が進まない状況が続きました。その間に他のメンバーのフラストレーションも溜まり始め、プロダクトがなかなか完成しないまま、メンバーが次々と離れていくという事態に陥りました。事業が停滞し、崩壊していくような状況になった時は、自分自身、本当に一番しんどい時期でした。その頃は、何も手につかず、動けなくなってしまうこともありました。
hidek: 創業者間でのモチベーションやコミットメントの違いが、結果的に事業に影響を与えたということでしょうか?
tatsuki: はい、それが大きかったですね。特に、自分がプロダクトを直接作るスキルを持っていなかったことは、今でも非常に後悔しています。もし自分にもっと技術力があれば、状況は変わったかもしれないと感じています。
技術力不足の痛感からエンジニアキャリアを切り拓く挑戦へ
ーーそこからエンジニアとしての道を歩むことになったのですね?
tatsuki: はい、その通りです。この挫折を通じて、0から1を生み出す過程に自分自身がしっかりとコミットするためには、エンジニアリングスキルを磨く必要があると痛感しました。もちろん、全てを自分一人でやる必要はないとは思っていますが、それでも「プロダクトを形にするための基盤となる力を身につけたい」と思うようになりました。同時に「もう一度プロダクト開発にしっかり向き合っていきたい」という気持ちを新たにしました。
hidek: とはいえ、プロダクトへの関わり方にはいろいろな立場がありますよね。企画、プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアなど。その中で、なぜエンジニアを選んだのでしょうか?
tatsuki: 実は、自分が一番やりたいのはプロダクトマネージャーなんです。それはずっと変わっていなくて、お客様の声を聞き、それを基に何を作るかを決めていく仕事を続けていきたいと思っています。
ただ、当時も痛感したのですが、技術力が不足していると、結局「何を作るか」をしっかり形にすることができないんですよね。その経験から、最初はしっかり技術を磨き、その基盤を持った上でプロダクトマネージャーとしてやりたいことを実現していこうと考えました。
hidek: なるほど、キャリアプランをしっかり考えているんですね。僕の場合、ものづくりがしたくてエンジニアになったんですけど、技術が大好きで、とにかくコードを書いている時が幸せでした。正直、キャリアプランなんて何も考えずにやってきたので、ちゃんと考えているのがすごいなと感心しました。
tatsuki: ありがとうございます。やっぱり、自分が一番好きなことだからこそ、しっかり取り組みたいと思っています。
hidek: エンジニアとしてのキャリアに挑戦するにあたって、何か取り組んだことはありますか?
tatsuki: まず技術力を磨くためには、長期インターンが効果的だと考えました。事業をクローズすることを決めた後は、インターンを募集しているさまざまな会社を探して、1年以内で3社ほど参加しました。
hidek: それはかなりのハイペースですね。そして就職先としてナレッジワークに応募するわけですが、当時のナレッジワークはそれまで新卒採用をしていませんでしたよね。どうしてチャレンジしようと思ったんですか?
tatsuki: キャリアを考え始めた時、自分で事業を起こして起業する道か、就職活動をする道のどちらかを選ぶ必要がありました。もし就職活動をするなら、スタートアップでしっかり学びながら働きたいという思いがありました。そこで、成長しているスタートアップ企業をいくつかリストアップし、自分が貢献できそうな会社を探しました。その中でナレッジワークを知り、ホームページを見たところ新卒採用の情報を発見して応募した、という流れです。なので、最初から「絶対にナレッジワークに行きたい!」という強い気持ちがあったわけではないのが正直なところですね。
ーーその頃は選考フローはどのような形式だったのでしょうか?現在は中途採用であれば、①スキル面接(面接担当:グループマネージャー)②スタイル面接(hidek)③エンゲージメント面接(mayah)という流れですが、新卒採用も同じでしたか?
tatsuki: はい。2023年の3月に選考を受けたんですが、面接の回数は中途採用と同じで、新卒向けの特別なフローは全くなかったと聞いています。ただし僕の場合は、スキル面接もスタイル面接もmayahさんが担当でした。いきなりCTOが面接に登場するなんて、「採用に対するコミットがすごい会社だな」と驚きましたね。そして、最後のエンゲージメント面接はKJが面接官だったので、「この会社、本当に採用への熱意がすごいな」と、その時に改めて強く感じました。
ーーなるほど、そうだったんですね。エンジニア経験が浅い中で、どのようにスキル面接の対策をされたのでしょうか?
tatsuki: 正直、これまで長い時間をかけて真剣にエンジニアリングに打ち込んできた人たちと自分が正面から勝負しても難しいと感じていました。そこで、自分なりに戦略を立てて取り組むことにしました。面接突破に必要な最低限のスキルを逆算し、面接までの間に磨こうと考えたんです。
具体的には、スタートアップの技術スタックをリサーチした結果、多くのスタートアップがバックエンドにGo言語を使っていると知りました。そこで長期インターンではGoに特化して学び、結果として面接は何とかギリギリ乗り切ったという感じです。
インターンを受け始めた当初は、未経験でも受け入れてくれる企業を中心に探していたんですが、就活を意識し始めてからは、それらの技術スタックを意識して対策を進めるようになりました。
ーー面接で覚えているエピソードや印象に残っていることはありますか?
tatsuki: mayahさんとのスキル面接が印象深いです。Pythonでコーディングテストを受けたんですが、その頃は自分のプログラミング知識がかなりあやふやで、直前まで自分のプロダクトをJavaScriptで作っていた影響もあって、コードに他の言語が混ざってしまっていたんです。
その時、mayahさんから「それ、違う言語混ざってるよ」と指摘されたんですが、続けて「世の中のどんな言語でも全部分かるから大丈夫」と言われて、本当にびっくりしました。「なんてすごい人なんだ」と思ったのを今でも鮮明に覚えています。
内定後のインターンを通じて体感した、ナレッジワークの文化と価値観
hidek: そして、内定後にナレッジワークでも長期インターンを経験されましたが、実際に働いてみてどんな印象を持ちましたか?
tatsuki: 「Be True」の文化が根付いていて、最初に聞いていた話と実際の雰囲気に大きなズレがなかったことが印象的でした。エンジニアの雰囲気も自分が想像していた通りで、期待とのギャップがほとんどなかったんです。そういった点がすごいなと感じました。
hidek: 大変だったことはありましたか?特に印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
tatsuki: 最初の頃は、正直なところ大変なことばかりでした。普通の企業だと、インフラ周りの業務はインターン生にはなかなか触らせてもらえないことが多いんですが、ナレッジワークではいきなりGCP(Google Cloud Platform)を使った機能開発に携わることになりました。最初は専門用語やツールの使い方を理解するのに苦労し、見よう見まねで進めていました。正直言って自分がどれだけ理解できていたのか分からない状態でした。
hidek: それはなかなかハードなスタートですね。一方で、楽しかったことやモチベーションが上がった瞬間もあったんじゃないですか?
tatsuki: はい、ありました。プロダクトシェアデイ(注)に参加する時間が、自分にとってはすごく楽しかったです。自分が関わった機能について、お客様からのフィードバックやビジネスチームからの意見、さらには機能への要望などをインターン生の立場でも直接身近で見たり聞いたりできたことが、本当に嬉しかったですね。
※注 プロダクトシェアデイ:ナレッジワークの全社員が参加する週一回のミーティング。各プロダクトに関する最新状況を顧客サイドと開発サイドの双方向でシェアする会
hidek: tatsukiの話を聞いていると、本当にお客様やプロダクトに対して意識が高いんだなと感じます。
tatsuki: ありがとうございます。ただ、その一方で、自分はエンジニアリングを「手段」として捉える部分が強いんです。技術そのものに対する興味がそれほど強いわけではなくて、そこは自分の課題だと思っています。もしプロダクトを作る手段がプログラミング以外だったら、すぐに切り替えるかもしれません。そういった「技術へのこだわりの薄さ」は、自分がエンジニアとして抱える弱点かもしれませんね。
hidek: でも、ナレッジワークが求めるエンジニア像っていうのは、実はtatsukiの考え方に近いんですよね。僕らはミッションを実現するためにプロダクトを作り、プロダクトを作るために技術を使っています。技術を「何のために使うのか」という目的をしっかり理解できる人と働きたいと、僕も外部の方に対してもよく話しています。ただその上で、僕たちはエンジニアという職業を名乗っている以上、やはり道具としての技術にはこだわりたい。いろいろなシチュエーションに対応するためには、多様な技術を使いこなせる方が良いですからね。
tatsuki: おっしゃる通りです。そこは自分でも意識して取り組んでいる部分です。目の前に作りたいプロダクトがあると、そのために必要な技術は積極的にキャッチアップしていけるんですが、興味だけで技術に触れるのは少し苦手で…。
hidek: それでも、お客様の課題やプロダクトを実現するために技術を使うという視点があれば十分ですよ。課題解決のために最適な技術を選択し、学んでいくことこそエンジニアの本質だと思います。そのモチベーションさえあれば、これからも問題ないと思います。
tatsuki: ありがとうございます。その部分は今後も大切にしていきたいです。
hidek: では話題を変えて。ナレッジワークでは、内定者の方に可能であれば入社前にインターンを経験してほしいと考えています。その理由は2つです。1つ目は、会社への理解を深めることで入社時点で高いコミットメントを持ってもらうため。2つ目は、OJTで実務を経験することで、入社後に良いスタートを切れるためです。tatsukiの場合、まさに理想的な形でインターンを活用されたと思いますが、経験してみてどう感じましたか?
tatsuki: そうですね。内定後のインターンの一番のメリットは、4月1日を迎えた時に環境が大きく変わるということがなく、スムーズに何の苦労もなく働き始められることだと思います。開発の背景や文脈もある程度理解していますし、技術スタックにも馴染んでいるので、1歩リードした状態で楽にスタートを切れるというのは大きな強みですね。
一方で、長期インターンは就職前にさまざまな会社を経験し、多くのことを学ぶチャンスでもあります。学生のうちに幅広い経験を積むことも、非常に価値があります。自分自身は内定企業で働けたことが非常に有益だったと感じていますが、それぞれにメリットがあるので、自分にとってどちらが重要かを考えて選ぶのが良いのではないでしょうか。
hidek: なるほど、どちらも価値がある選択肢ですね。貴重な意見、ありがとうございます。
多様な働き方の中で模索する新卒エンジニア。熱意と成長のバランス
ーーそして、2024年4月にナレッジワークに一人目の新卒エンジニアとして入社されたわけですが、入社後半年間エンジニアとして働く中で、成長を実感する場面はありましたか?
tatsuki: はい、現在取り組んでいる複数フォルダーの連携機能では、設計段階から自分が主導して進めています。それまでは指示された開発をそのまま進める形でしたが、今は設計まで含めて自分で考えながら進められるようになり、大きな成長を感じていますね。
hidek: 素晴らしいですね。ナレッジワークは「イネーブルメントを世の中に広める」ことを掲げていますが、社内でもそれをしっかり実践する必要がありますからね。社内でその文化が根付いていると、説得力が違いますよね。
ーーナレッジワークで働く中で「ここが良いな」と感じた点はありますか?
tatsuki: そうですね、たとえば「これが分からない」と正直に伝えると、必ず誰かが教えてくれる環境があります。誰かに「忙しいから無理」と断られることはなく、みんなが助け合う文化が根付いていると感じます。スタートアップとして風通しが良く、イネーブルメントにしっかりフォーカスしているので、経験が浅い人でも成長しやすい環境だと思います。
ーー逆に、ナレッジワークで働く中で困ったことや、不満に思うことはありますか?
tatsuki: 困ったことと言えば、仕方はないのですが同期のエンジニアがいない点ですね。特に入社当初、ずっと大阪に住んでいた自分にとって、東京での生活は友達が少なく、最初の土日をどう過ごすか悩むこともありました。ただ、最近は知り合いも増えてきて、少しずつ解消されてきました。
もう一つ挙げるなら、ナレッジワークはスタートアップながら働きやすい環境がしっかり整っています。たとえば労働時間が管理されていたり、全体ミーティングの時間は11〜15時の間に行うようルール化されていたりと、子育て中の方など家庭を大事にしている社員に優しい制度が整っているのはとても素晴らしいと思います。
でも、20代のうちはもっとがむしゃらに働けるような文化があっても良いかなと感じることがあります。個人的にはそういう「熱量」が感じられる場面が少なくて、少し物足りないと感じます。
hidek: なるほど。確かにプログラミングには「ノリ」や「勢い」みたいなものがありますよね。僕も納期が迫るとアドレナリンが出て、不思議と良いアイデアが浮かんだりします。その「熱量」は刺激的で、僕も過去のキャリアでそういった瞬間をたくさん経験してきました。現在のナレッジワークの働き方は計画的で落ち着いていますが、そういった熱気のある環境を魅力的に感じるのも理解できます。
もちろん、むやみに徹夜したりするのは違いますし、計画性を持って働くことが重要なので、過剰なハードワークは会社としても個人としても推奨していません。ただ、刺激的な瞬間が仕事に与える良い影響は、無視できないところもありますね。
tatsuki: そうなんです。自分の中でも「ちょっとしたカオス」を求めている部分があります。過去に起業していたときは、毎日問題が山積みで、みんなでオフィスに泊まり込みながら全力で取り組む日々でした。それは大変でしたが、一緒に目標を追いかけたあの時間は、今でも忘れられない思い出です。
hidek: ライフステージを尊重しながらも、パッションやクリエイティビティを存分に発揮できる働き方と、熱量を持って挑戦する環境をどう両立するかは、会社として重要なテーマですね。ナレッジワークのように多様な働き方を受け入れる文化の中で、個々の成長や満足感、そして組織全体のパフォーマンスをどうバランスさせるかは、これから追求していきたいですね。
プロダクト開発を通して身につけるプロフェッショナルな姿勢
ーーこれからのキャリアビジョンや、長期的に目指している存在はありますか?
tatsuki: そうですね、自分はやはり、プロダクトを通じてお客様の課題を解決していくことをずっとやっていきたいと思っています。そのため、カスタマーサクセスやプロダクトマネージャー、エンジニアといった役割を横断しながら、それぞれを繋げて課題解決に取り組む存在になりたいですね。
ーーなるほど。役割を超えてお客様に寄り添っていくスタンスがtatsukiらしいですね。ナレッジワークも少しずつ規模が大きくなり、学生の方の間でも名前を知っている人が増えてきたように感じます。これからナレッジワークを受けてみようかなと思っている方々に、メッセージをお願いします。
tatsuki: そうですね。ナレッジワークの魅力の一つは、まだスタートアップで規模が大きすぎないため、事業における全体の動きが把握しやすく、ビジネスサイドとエンジニアサイドの距離が近いことだと思います。
お客様の声がエンジニアに直接届きますし、カスタマーサクセスの方に気軽に話しかけて、「この機能への反応はどうでしたか?」と聞ける環境があるのは他の会社ではあまり聞かないですし、大きな強みです。そうしたリアルなフィードバックをその場で得られることが、仕事のモチベーションにも繋がりますね。
また、ナレッジワークはスタートアップとしての柔軟さだけでなく、しっかりとした育成の仕組みも整っています。メガベンチャーと比べても遜色ない環境や制度がありながら、距離感の近さやフラットな文化がある。この両方を兼ね備えた環境は、新卒で入社する方にとって非常に魅力的だと思います。
hidek: 確かに、ナレッジワークはお客様との距離が近いのは特徴的ですね。僕も入社前は「BtoBの会社はお客様との接点が少ないのでは」と思っていたのですが、実際にはその逆で、直接お客様の声を聞く機会が多いです。tatsukiのような顧客志向・プロダクト志向のエンジニアには、特に向いている会社だと思います。
hidek: 最後にもう一点聞きたいことがあります。これまでナレッジワークでは中途採用を中心に優秀な方を迎えてきましたが、これからは我々が大切にしているイネーブルメントの観点から、新卒採用も積極的に進めていきたいと考えています。最近の若い人は、インターネットや無料の開発環境を活用して、学生のうちからエンジニアとしての挑戦ができる恵まれた環境にありますよね。 そんな方々に向けて、「企業でプロのエンジニアとして働くことの価値」を伝えるとしたら、どんなことを話しますか?
tatsuki: 一番の違いは、「実際に動いているプロダクトに触れる」という経験だと思います。学生時代に本を読んだり、ゼロからプロダクトを作ることは多くの人が経験できますが、実際のプロダクトは「特定のお客様がいて」「多くのユーザーがいて」「大規模なデータベースが動いている」という現実的な制約の中で動いています。その制約を考えながら進める経験は、現場でしか得られないと思います。
hidek: なるほど。技術スキルは学生時代に高められるけど、実際のプロダクト運用の中での学びは別次元ということですね。
tatsuki: そうですね。特に、現場での経験から得られる「現実的な判断力」や「課題解決のプロセス」は、やってみないと分からない部分が多いです。そういったリアルな学びが、プロとして働く大きな価値だと思います。
ーーありがとうございます。それでは最後に、これから新卒の方が入社してくると、tatsukiも先輩になりますね。一緒に働きたいと思う人はどんな人ですか?
tatsuki: お客様の課題について一緒に考えられる人ですね。技術的な話だけでなく、「どうやったらお客様の課題を解決できるか」を基にボトムアップで機能提案ができるような方と働けると、とても嬉しいですし、そういう人たちとチームを作りたいです。
hidek: 最後までプロダクト志向が一貫してますね。素晴らしいインタビューありがとうございました!
(取材・編集:三木鉄平 / 撮影場所: WeWork 神谷町 共用部)
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