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震災をきっかけにネイリストを志した━━たった一度きりの人生、やりたいことをやろう
ネイリスト歴10年。福島県郡山市出身。東北大震災での経験を機に東京へ進出し、ネイリストに。コロナをきっかけに既存の働き方に疑問を持ち、フリーランスとして独立。現在は前職の後輩・原さんと共同経営をしている。
震災をきっかけに「やりたいことをやらずに死ぬのは嫌だ」と強く思うように
━━山下さんが、ネイリストになったきっかけを教えてください。
山下:短大を卒業後、地元のエステサロンの会社に就職しました。
ほんとうは大学生になるタイミングで東京に出てきたかったのですが、親に猛反対されて(笑)。
当時働いていた会社は、ホテルや旅館に併設されているエステサロンでした。
ここで突如、2011年に東日本大震災が勃発します。
震災の影響で会社は営業不振となり、仕事を変えるべきか心底悩みました。
そんなとき、同僚が"東京にあるネイルスクールのチラシ"を持ってきてくれたんです。
「人生は一度きり。せっかくならやりたいことをやろう。」と、即決。
明日どうなるかわからないという震災の経験があったからこそ、すぐに決意できたのだと思います。
「ネイリストになりたい」という熱い想いを、親にぶつけました。
当然心配もあって、はじめは反対されましたが、最終的には「行ってきなさい」と背中を押してくれました。
ネイルスクールを卒業し、無事に内定。念願のネイリストへの道を歩みはじめます。
練習しないで上手になる人はいない。それはどこの世界も同じ
━━そんな過去があったんですね。離職率が高いネイリスト業界ですが、継続のヒケツはありますか?
山下:"時間を忘れてしまうほど好きなこと"だからこそ、続けられているのだと思います。
共同経営をしている原も言っていましたが、仕事というよりかは、趣味の延長線上にあるようなものなので(笑)。
私は、極度の負けず嫌い……いわゆる体育会系の人間です。
3歳から高校を卒業するまで、クラシックバレエをやっていたこともあり、"努力するのは当たり前"という環境で育ってきました。
やればやった分だけ上達するのは、ネイリストの世界も同じ。練習しないで上手になる人はいません。
死にもの狂いで働いてこられたのも、「やる気と根性だけは誰にも負けない!」という自信があったからだと思っています。
━━これまでのネイリスト人生を教えてください。
山下:最初の職場であるサロンでは、いち早く技術を習得するため必死で練習に励みました。
そして、働きはじめて3年が経つ頃、知人から"ネイルサロン立ち上げのお誘い"をいただいたのです。
もともとネイル専門の部門がなかったこともあり、二つ返事で引き受けました。
当時はセットサロンとマツエクが同じフロアにあって、ネイルは一部のスペースだけでやっていたのですが……。
だんだんと売上が伸びてきて、2015年の10月、ついにネイルだけでワンフロアを使えることに。
最初のサロンで、お世話になった先輩や原を新たに迎え入れ、私を含めた計4人で仕事を回すようになりました。
その後、2016年の夏に私が産休を取り、同年10月に出産、2017年6月に仕事に復帰しました。
限りある現役時代。自分にできることをやっていきたい
━━前職でキャリアを積む選択もあったと思います。フリーランスに転身したきっかけを教えていただけますか?
山下:私が育休から戻るまでの間にもスタッフの入れ替わりがあり、最終的には7人のスタッフがいました。
でも、新型コロナウイルスの影響で売上に大打撃を受けて……。
客足が遠のき、給料の減額が何ヶ月も続きました。もちろん、時間の空きも増える一方。
ところが「スキマ時間を使って、お客様のためにできることをしよう」と呼びかけても、他のスタッフには全然響かない。
"もっと上を目指したい"という気概があまり感じられなかったんです。
会社全体の売上は減っているとはいえ、私も原も指名のお客様がいたので、個人の売上はさほど変わりありませんでした。
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「同じ志を持った人と一緒にやったほうが絶対にプラスになる」と思い、2020年の12月には原と二人で再スタートすることを決意しました。
━━『サロンビレッジ』ではじめたきっかけは何ですか?
山下:SNSでサロンビレッジの広告を見た瞬間にビビッときて、すぐに話を聞きに行きました。
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内装のおしゃれさに一目惚れし、"個室専有"ということもあって即決でしたね。
席を毎回レンタルするシェアサロンの場合だと、まずはテーブルの予約、その後にお客様の予約……と二重の手間がかかります。
ネイリストは施術のための道具も多いため、毎回テーブルを移動するとなると大変です。
サロンビレッジは好きな時間に自由に使えるので、その点がとても魅力的です。
それぞれの家具も、既存のシェアサロンのイメージに捕らわれず、ひとつひとつこだわりを持って選んでいます。
━━最後に、山下さんの夢を教えていただけますか?
山下:独立を決めたのも、原の「私たちならできる」という言葉がきっかけ。
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私がネイリストになって10年……何か新しいことに挑戦したいと思っていた時期でもありました。
今後はネイルだけではなく、自分にできることをやっていきたいという思いがあります。
昨年取得した「アルコールインクアート」の資格も活かせればな、と。
アルコールインクアートは、アルコールインクを使用し作品を描くアート技法のひとつです。インクの広がりや、流れ方、滲みや色の重なりを中心としたアートです。 色の混ざりや色の広がりで、あなたの個性を表現できます。
現役で活動できる時期は決まっていると思うので、どんどん新しいことにチャレンジしていきたいですね。
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取材・編集/合田 ヌイ(@nui_nounai)
文/あめぎ(@ameyohure)