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双子の兄妹

本日一人芝居『双子の兄妹』の初日を迎えたので。
ご観劇いただけた方、ありがとうございます。

「双子の兄妹」は2016年頃に書いた作品です。
7年の歳月を経て、上演することが出来ました。
以下、ネタバレがあるので上演をご覧になるぞと言う方はお気をつけて。

僕には「きょうだいの劣等感」というものがあります。血の繋がった、身近な存在だからこそ感じる差異。

兄姉に出来て弟妹は出来ない、
もしくは弟妹は出来るのに兄姉は出来ない。

血が繋がっているとはいえ、
別の人間なのだから出来ること、出来ないことがあるのは当たり前なのですが、誰よりも自分自身がその差異に苦しんでしまう。
特にそれが双子ならば、より尚更感じるのではないかと。

それが「双子の兄妹」の始まりです。

続いて物語の中身の話。
妹は身体が弱く、元気に暴れ回る兄に羨ましさを覚えています。更に、明るく元気に話す兄を好きだと言います。
両側面から、兄という人物に複雑な思いを抱いています。

しかし、兄もまた。
妹に対して羨ましさと、大切さを抱いている。
物語は「妹」視点なのですが、もし良かったら兄視点でも見てもらいたいなぁなんて思います。見てくださった方は思い返してみてください。

そしてここが物語の核心部分なのですが、
兄は本当に世界を美しいと思っていたのか。
ということです。
兄もまた、「物語」に魅入られていた、という風にも見えるように作ったつもりです。

外の世界に憧れを抱いた妹と
外の世界に絶望している兄の物語。
物語に生かされている兄と妹。

これが、7年前に書いた僕は描きたかったんじゃないかな、なんて思っています。

読んでいただいて、ありがとうございます。


最後に。
作中でDesperadoを歌わせていただいていたのでその歌詞を。

Desperado
ならずものへ
(ここは兄へと意訳で。更に以降は自分(兄自身)に当てて)
Oh, you ain’t getting no younger
もう、きみは若くないんだ
Your pain and your hunger
きみの感じる痛みと渇きは
They’re driving you home
懐かしい故郷へ連れていく
And freedom, oh, freedom
自由、自由なんて
Well that’s just some people talking
誰もが言うけれど
Your prison is walking through this world all alone
この世界を独りで生きていくのは牢獄のようだよ

妹に扮した兄が、兄(自身)に向かって歌うとより、物語にリンクする歌になっております。


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