『One Life』は松永涼の歌である

※各種カードのネタバレを含みます

■2016年10月15日、CINDERELLA GIRLS 4th LIVEにて第10弾となるCINDERELLA MASTERシリーズの制作が告知

■2016年11月19日、THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5th Anniversary Party ニコ生SPにてNo.047が松永涼であると発表

■2017年3月2日、新CD発売記念ニコ生 CINDERELLA SPECIAL NIGHT☆×9にて松永涼のソロ曲となる『One Life』が初披露



CINDERELLA MASTER 047 松永涼

 2016年、炎陣メンバーとして『純情Midnight伝説』を歌い、4thLIVEにて担当外である『生存本能ヴァルキュリア』『咲いてjewel』を見事に歌い上げた松永涼には、以前よりは注目が集まっていたと思います。 

 松永涼の記念すべき初ソロ曲の名前は『One Life』となっており、担当声優である千菅春香さん曰く

「とにかくまっすぐに、涼ちゃん、ロック」

とのこと。

 今回の記事では、そんなまっすぐなロックが収録されている、CINDERELLA MASTER 047から松永涼を見ていきたいと思います。


ジャケ写について

 まず注目してもらいたいのはジャケット写真です。

 今回の衣装はシンプルなレザー生地のジャケットとスカート、ほぼ全カードて付けているように、ピアスとネックレスも付けています。余談ですが松永涼のスタイルは非常に良いので、身体のラインが強調され、とてもセクシーになっています。

 衣装全体としては、松永涼の初SRカードであるロッキンヴォーカリストの衣装に近いと考えられます。初めてのSRであり、自分の原点であるライブハウスで歌った衣装と類似した衣装でデビューとは中々感慨深いものがあります。


 次に注目してもらいたいのは手・腕です。下に参考画像を用意しました。

 気づきましたか?

右に大量にある画像は、これまで松永涼が付けていた手袋・アクセサリーをいくらかピックアップしたものです。特に片手手袋は特訓後でほぼ毎回付けていただけに、ジャケ写を見た時に違和感を覚えました。

 しかしそれもそのはず、アクセサリーをつけているとどうなるか。

 当然"音"が鳴ります。

 We are the Worldの収録中にCyndi Lauperという歌手がネックレス等のアクセサリーの音が入ってしまうために外したという有名なエピソードがあります。ただし、レコーディングの時に外せばジャケ写の時に付けていても問題ありません。

 しかしジャケ写でつけていないということは、自分の歌声一本で勝負するというメッセージが含まれているのだと考えられます。

 狙ってか否かは分かりませんが、デビュー前から歌うことを望んできた彼女であるならば…。


 松永涼はプロデューサー相手には余り相談せず、お礼も照れて中々言えないようなアイドルです。

 しかしバレンタインデー等の季節イベントではプレゼントを貰うと、それに対する感謝の気持ちはステージで示す、というように行動で示すことが多々ありました。

 アクセサリーの有無程度、非常に些細な点ですが、彼女のストーリーを考えると、こういった気にも留めないような点にメッセージが隠されているような気がします。


歌詞

 勿論ソロ曲であるならば、注目するべきは歌詞です。

 歌詞を読んでいくと、松永涼というアイドルの物語が見えてくる気がしました。


■歌い出し~

探し続けていた 自分だけの場所を

街に浮かぶ しがらみとか すれ違いとか

閉じてる 目じゃ見えないさ


 まずは歌い出し部分です。イントロはなく、静かな歌い出しでした。

 この部分では、アイドルとしてデビューする前の松永涼を、アイドルとしてデビューした松永涼が振り返っているような歌詞に感じました。


・探し続けていた 自分だけの場所を

 アイドルにスカウトされる前、松永涼はバンドを組んでボーカルを担当していました。詳しくは前回の記事を参照していただくと分かりやすいと思いますが、この歌詞の探している自分だけの場所とは十中八九歌う場所でしょう。

 ※無印より

 ※ロッキンヴォーカリスト+より

 各種セリフに見られるように、とにかく貪欲に、歌うことを欲していました。バンドのボーカルという立ち位置は歌う場所ではありますが、彼女が探していた探していた場所が本当にそこであったのかは、彼女のバンド活動がどうだったかと考えれば答えが出てくると思います。


・街に浮かぶ しがらみとか すれ違いとか

 閉じてる 目じゃ見えないさ

 当然ながら、貪欲に求めれば求めるほど盲目になっていきます。

 前述のセリフの「なんでもいいから歌わせてよ」からは必死さが感じられます。必死故に現実を見れていなかったのでしょう。

 バンド活動も結局は上手く行かず、折角見つけた場所は失われてしまいました。明言されていないためあくまで歌詞からの推測ですが、バンド活動をしていく中で、バンド仲間や家族などとのすれ違いがあったのだと思われます。


■~サビ前

 このままだと何も 変わり映えしないだろう

 気付いたハートを 

 開いてみて 叫んでみれば世界に一つしかない

 リズムが響き渡る それでいい


 サビ前の歌詞からは、プロデューサーと出会い、アイドルとしてデビューしたように読み取れます。


・このままだと何も 変わり映えしないだろう

 気付いたハートを 開いてみて


 デレステ内の松永涼とのメモリアル1にて次のようなセリフがあります。

 盲目に、歌う場所を、自分の場所を探していた松永涼ですが、ふとこのままだと決して見つからないと気づきました。あるいはここしかないんだと言い聞かせるようにがむしゃらに歌っていたのかもしれません。


 ただしこの部分の歌詞で言う所の気付いたというのは、それだけではないと思われます。

 スカウトされ、アイドルとしてデビューした松永涼はたくさんのことに気づきました

 ※無印+親愛度MAXより

 ※ハロウィンパーティー+親愛度MAXより

 ※熱気の中でより

 ※熱気の中で 共通セリフより

 見失っていた歌うことの楽しさ、誰かの為に歌う心構え、そしてなにより音楽が好きということに、松永涼は気づきました。


・叫んでみれば世界に一つしかない

 リズムが響き渡る それでいい

 そして松永涼は再び歌い始めました。するとどうでしょう。

 ※無印+より

 ※ロッキンヴォーカル+より

 いい歌を届けることができなくなった松永涼は、観客の心を動かす歌が歌えるようになり、自分の歌に、声に自信を持てるようになりました。

 ※ロッキンヴォーカル+より

 ※ロッキンヴォーカリスト+より

 ※ミュージックスクリーム+より

 それだけでなく、アイドルという場所を見つけることが出来ました。

 何度も同じようなセリフがあるところから、余程見つからない期間が不安だったと思われます。


 最新SRであるセトルダウンソウルでは、ある種この歌詞に対する答えのようなセリフがあります。

 ※セトルダウンソウル+より



■サビ

心の声を 共に歌えば 進む先にも 陽は昇るさ

夜明けに満ちた 薄明りには 期待も不安も映ってる

Only One Life  Just One Life

行こうぜ


 サビの歌詞は、これまでの松永涼のSRのセリフが元になっていると思われます。

 セリフを読みながら聴くことでメッセージが見えてくると思います。


・心の声を 共に歌えば 進む先にも 陽は昇るさ

 夜明けに満ちた 薄明りには 期待も不安も映ってる



 松永涼のRカードのセリフにはなく、SRカードのセリフにある違いとは、

ファンと一緒に歌っているかどうか

 Rカードでは自分の歌を届けるようなセリフであるのに対し、SRカードではファンの声を求めるようなセリフが非常に多くあり、特訓後のプロフィールセリフが全て該当しました。

 また、ロッキンヴォーカリスト+では次のようなセリフもあります。

 孤独な奴、つまらない思いしてる奴を、救いたい、そんな奴らに歌を届けたい。

 ここでもう一度歌詞を振り返ってみれば、その歌詞に組み込まれた意図が見えてくると思います。

心の声を 共に歌えば 進む先にも 陽は昇るさ

夜明けに満ちた 薄明りには 期待も不安も映ってる



 ところでジャケ写の段にて、松永涼はお礼を中々素直に言うことが出来ず、プロデューサーへの想いは歌などの行動で示すことが多いと述べました。

 先程の歌詞にある『心の声を 共に歌えば』には当然ながらプロデューサーも含まれているのでしょう。特にセリフからは、共に歌えばの部分に強く想いが込められているように思えました。数が意外にも多いので一つだけ紹介します。

 ※ミュージックスクリーム+より



・Only One Life  Just One Life

 この部分の歌詞は、セトルダウンソウル+にこのようなセリフがあります。

 『Life』には生命、一生という意味があり、『One Life』とすると非常に翻訳が困難です。

 しかしながら、その意味はこの言葉の通りなのではないでしょうか。


・行こうぜ

 ※ロッキンヴォーカリスト+親愛度MAXより

 ※ミュージックスクリーム+より

 行こうぜと呼びかけて、松永涼が目指す先は、昔から夢見ていた最高のシンガーであり、自分の新しい場所であるアイドルの頂点なのでしょう。

 ソロデビューは果たしましたが、未だに頂点はまだまだ遠くにあります。

 自分だけの歌という強い武器を持って、

 松永涼というヴォーカリスト、アイドルはこれからも、

 走り続けることでしょう。




■最後に

 ここまで雑文・乱文にお付き合い頂きありがとうございました。流石に自分でも言いたいことをただ書き殴ったような文章になっていると感じています。

 松永涼のデビューが決まった時、自分はかなり不安でした。総選挙では圏外で、ボイスの追加もアニメサプライズ組。特にサプライズ組からは初のCMシリーズになります。

 千菅さんの4thLIVEでの素晴らしいパフォーマンスのお陰で期待する声が多くありましたが、それでも担当アイドルが後回しにされたこと、最後のサプライズ組である松永涼が最初に決定したことで、心無い意見も同じく目にしました。

 ですが今回の松永涼の歌は期待を想像を上回ってきました。

 そういった声を、歌でねじ伏せることが出来る、そんな歌になっていると確信しています。

 この記事はあくまで一個人の解釈ですが、セリフなどを読んで松永涼をより知っていただければ、さらにこの『One Life』を楽しめると思います。

 繰り返しになりますが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。