KNOW NUKES TOKYOの NGOワーキングペーパー全文!
こんにちは!
KNOW NUKES TOKYOは第二回締約国会議にあたってワーキングペーパーを作成し、会議に提出しました。本記事ではそのワーキングペーパーの全文と解説を掲載しています。その他に、私たちが賛同した他団体のワーキングペーパーも記事後半で紹介しておりますのでご覧ください!
KNOW NUKES TOKYO提出ワーキングペーパー
(以下日本語訳とポイント太字)
核兵器禁止条約第2回締約国会議 ニューヨーク、11月27日-2023年12月3日 日本の若者からのメッセージ
導入
今回の会議の開催に際して尽力いただいた全ての人に感謝し、国際的な危機感が高まる中、核兵器禁止条約の枠組みの重要性は一層高まっており、ここに会議を開催できることを 嬉しく思います。
私たちは、核兵器軍縮・不拡散そして核廃絶に向けて活動をする若者NGO、KNOW NUKES TOKYOです。日本の大学生を中心に2021年からICAN Campaigner 団体として活動を 始めました。2022年は第一回締約国会議・非人道性会議に参加し、2023年は引き続き第二回 締約国会議に参加しています。私たちの今回の大きな目的は、核兵器軍縮・不拡散の勢いを 日本そして世界で途切れさせないことです。このワーキングペーパーでは私たちが今回の会議にどのような気持ちで参加しているのかを伝えたいと思います。
私たちのメッセージ
ウクライナ戦争やガザにおける軍事衝突など、現在激化している世界情勢に直面して、私たちは改めて核兵器問題に向き合っていきたいと思っています。
まず、核の脅しについてです。ウクライナ戦争においてプーチンよって複数回にわたり、 そしてイスラエル・パレスチナ紛争でもイスラエルの大臣によって、核の脅しや脅しととれ る発言がみられました。このような核の脅しは、政治決定者が社会的弱者のもとに核を落とすことができる現実をあらわしています。私たちは、核兵器が使われなくても「核の脅しの被害者」として精神的な苦痛や恐怖を抱え、これからも生きなくていけないという現状を問題視しています。
そして、人道性に関してです。現在、両戦争において、多くの方が亡くなり、特に社会的弱者と言われる人々が犠牲になり続け、人道性という概念が蔑ろにされ続けています。また、核兵器の非人道性を直接伝えることができるヒバクシャたちの高齢化が進み、ヒバクシャなき時代が迫っています。そのような現在と未来に向けて、人道性を問い直すことを今回 の核兵器禁止条約締約国会議において改めて行いたいと思います。
提案
被爆国である日本の若者として私たちが今回核兵器禁止条約第二回締約国会議に期待することは以下の通りです。
現在起こっている戦争を踏まえて、核問題、人道性について改めて国際社会で問い直すこ と
第二回締約国会議において、具体的な行動計画を進めること
私たちは日本の若者です。これまで自国(日本)の政府に対して働きかけをおこなっ てきましたが、現状安全保障上の理由から署名・批准には至っていません。ただ、核兵器禁止条約の枠組みの日本のような国が入ることは普遍性の観点からも非常に重要 であり、ここに締約国からも日本のような国が参加できるよう、その動機づけに力を 貸してほしいと願います。
6条7条の被害者国際信託基金に関して、資金力を高めるため民間企業も対象にするこ とを提案します。
核兵器禁止条約の認知を広げるためのメディアの連携を目的としたワーキンググルー プとして作ることを提案します。
ジェンダーに関して、引き続き議論を進めることを望みます。
最後に、軍縮分野において次世代の若者を育てるために、より学習や発言の機会を増やし支援することを望みます。
人道的な観点から核兵器の存在は容認し難く、核のない世界に向けた不断の努力を行うべきです。核兵器のない世界に向けて核兵器禁止条約が着実に歩みを進められる枠組みになることを期待し、私たちも重要なアクターとして貢献していきます。
ワーキングペーパー作成責任者:中村生
記事執筆:中村生